
2022年バーレーンテスト3日目、レッドブルがサイドポッドをアップデートしました。
サイドポッドをシェイプアップ、二つの形状を重ねたようなデザインになりました。
メルセデスの縦型サイドポッドに注目が集まる中で、最終日に本当の姿を披露したレッドブル。
スムーズな流れを追求する意図を感じられる空力になっています。
レッドブルRB18のサイドポッド変化
バルセロナでは、サイドポッド下のアンダーカットラインが曲線で膨らむようなデザインでした。
バーレーン3日目に投入されたサイドポッドは、アンダーカットラインが出来るだけ直線になるように修正されています。
サイドポッドの側面は、上面から斜めに削られている。
以前のものは、アンダーカットラインが変化するところで流れが一度止まり、乱れるような印象がありましたがアップデートされたものは、スムーズな流れを作りだすでしょう。
丸みを帯びていたサイドポッドの角は、上面の流れが固定されていなかった。
曲率が急なデザインは剥離して回り込む乱流が生まれます。
わざと段差を作り流れを固定、リアタイヤとディフューザーの間に流れるようになっています。
RB18全体像の比較
ラジエーター下の構造を変更
アンダーカットラインを直線にするために、ラジエーターに空気を送る構造に変更を加えています。
本当に微妙な数cmの違いがあります。
取り付ける角度も、少し浅くなっているように見えます。
全体像の比較を見ると、Rの文字の下あたりのフロア面積がほんの少し増えています。
ラジエーター自体の横幅を減らして縦に長くした? 内側にずらした?
色々な事が考えられますが、内部の配置替えを行っていると思います。
レッドブルの場合、サイドポッドラジエーターの後方はインタークーラーです。
空対空の為、空対水よりは軽いので、重心が大きく上昇する事は無いはずです。
サイドポッドとフロアエッジの融合
サイドポッドの下面の空気は側面から上がってこようとする流れがあるのが、フロービズ(ピンクの〇)により確認できます。
この流れを抑える為に、上面の段差でダウンウォッシュを作っていると思われます。
フロアが路面にぴったりと張り付く高速度域では、トンネルフロアの詰まりを無くなさなければなりません。
緑の〇で囲んだフロアエッジデザインに何かあるかもしれませんが、他チームのカット部分よりかなり前側にある。
ここからデュフューザーに向けて空気を送り込んでいるようには見えません。
このデザインはボルテックスを生成し、フロアをシールするものだと思っています。
レーキ角を付けているレッドブル
最後のC5タイヤを使ったアタックラップを見ると、最終コーナーの立ち上がりでリアの車高が若干上がっている事がわかります。
ストレートではフロア先端のTトレイ(船首)とディフューザーあたりを路面に接触させて火花が発生しています。
それなのにバウンシング(ポーパシング)が起こっていません。
速度の低いターン1では、レーキ角が付いているのがわかります。
車高制御ヒーブサスペンションが無いのにこれを行うには、左右のロッカーが繋がるピッチングダンパーと左右のサスペンションを適度に柔らかくする必要があります。
この若干のレーキは、前かがみの姿勢を作れるのでターンイングリップを少し増加させるでしょう。
そして柔らかく設定したサスペンションはメカニカルグリップが上昇し、低速ターンが速くなります。
250km/h以上の高速コーナーも、安定した姿勢を保っています。
バンプを越えても姿勢が乱れません。
二人のドライバーが、ピットアウト直後に簡単に好タイムをマークしている事も、マシンの完成度の高さを示しています。
まとめ
フェラーリも速いですが、このレッドブルRB18は一歩抜きんでています。
そして、若干のレーキセッティングがポイントだと思われます。
アルファタウリもこのセッティングをしていますが、ポーパシングが少し起こっています。
高速度域で増加したダウンフォースでリア車高を下げる、絶妙な位置でその下げを停止させてフロアのダウンフォースを守る。
フロアトンネル自体の形状を変更しているかもしれませんね。
レッドブルのあまりの完成度の高さには、驚きと称賛の拍手を送りたいと思います。
間違いなくナンバー1の仕上がりです。
対するメルセデスが変な事をやって、未だまともに走れていない・・・しっかりしてくれコンストチャンピオン。
緑の丸部分の切り欠きは、高速度で高圧になった空気を逃す為で、しかし、逃すだけでなく、その後ろの波打っている部分で渦流を生成し、フロアをシールしてるいるのではと思われます。
今後その切り欠き部分の大きさで、圧力の調整をしてくるのではと考えます。
(メキシコは塞ぐとか)
メルセデスもレーキ角つけそうですね。
まぁそれだけで全て解決するものでも無いでしょうけど。
マクラーレンもやや前掲気味と言われていましたし、ポーパシングを止めるにはレーキを付けるのが良いのかも知れませんね。
メルセデスのポーパシングを見ていると、どこよりもダウンフォースが大きいが故という気もします。今わかっている方法でポーパシングを止めるとダウンフォース量が減って、遅くなると。
今季のカギは、ダウンフォースを維持したまま揺れを止めるベストバランスを、いつメルゼデスが手の内に入れるかに掛かっているように思います。
あまり早く見つけられても独走されて詰まらないので、前半戦は敵役で居て欲しいところです。
レッドブルのルーバーって何気に面白い形してますよね
レーキを強くすれば高速域でバランスが取れて、低速域ではダウンフォースが不足すると思うのですが、そこら辺はハイレーキを貫いてきたレッドブルのノウハウでカバーできてる感じですね
フェラーリは 重そうでした
まぁ軽くも同等でしょうが、問題なのは 今のフェラーリは予選とロングランとで、化なり車高調整しないとならない感じで レッドブルは 僅かなレーキコントロール分、許容範囲が広そうで一つのセッティングでは フェラーリの方が難しくなっている様子
フロアーサイドで 低中速では渦を造りエアの出入りを防ぎ、ポーパシングが発生する高速域ではサイドからエアが抜ける、つまり 各コースにより その切り欠きが微調整できる様に出来ればいいのですが、それを レッドブルは 僅かなレーキで行っているのかな?
レッドブルは 各コースのベストな妥協点を選べばいいが、フェラーリは 予選で前を取るか 決勝を強くするのか 各コースで、選らばなければならないのかも?
まぁ フェラーリは間だ 的もなブラッシュアップも無いので、本番で 何か入れてくる筈
サッと変更できる フロントが あるが…
以前にはサイドポッドの中身はインタークーラーとおっしゃってたように思いますが、
そうですね、サイドポッドにインタークーラーがあります。

全部ではないですよ、下側半分だけです。これが左右にあります。
レッドブルとアルファタウリは、左右サイドポッドで冷却機器を対称レイアウトは今まで通りですね。
グラウンドエフェクトカーになっても非対称レイアウトにしているチームは、まだあるのでしょうか?
マクラーレンも左右分割インタークーラーになりました。
わからないのはウィリアムズとアストンマーチンですね。
ハースが サイドポッド上のルーバーが、タイムアタック時?は右側が長くなっていて ロング時?はシンメトリーになっていました
フェラーリは 変わらない
クーラントが ハースは 右がラジエーターで、左がインタークーラーとか
分けてるんですかね?
フェラーリPUは水冷インタークーラーなので、そう言う差では無いと思います。
バーレーンは右周り、右側の吸気量が減るのでその辻褄合わせか?何かしらの空力効果を狙ったか?
真相はまだまだ解りません。
左右サイドポッド熱交換器の非対称レイアウトを採用した場合に、
コース特性(左周り、右周り)によって左右のレイアウトを逆転させて入れ替えをするのでしょうか?
左右対称であれば入れ替える必要がありませんですね。
左右が非対称だとエアーフローも均等になり難い?ですし、重量配分も揃えないといけない。
昔のツインターボ付きV型エンジンであればラジエーターとインタークーラー共に左右均等に振り分けているのが普通でした。
さすがに入れ替えはないでしょう。
パイプラインが反対になる、PUとの干渉、メカニックの混乱など、問題山積み。
やはりあの異様なキャスター角のFサスがRB18のキモだと思います。例えばキャスター角45°として(さすがに大きすぎ?)タイヤが垂直に5cmストロークする場合にサスペンションは7cm(三平方の定理)実に40%増のストロークを稼ぐことができます。= 他よりも柔らかいスプリングを使っても上下変動の少ないサス(ホイールベースも変動する)タイヤの保ちもいい様な気がする
もう一つ、津川哲夫さんの考察によると、あのサスはブレーキング時、自然にノーズダイブして路面に近づく(低速コーナーのアンダー消し?)そうで、なるほどと思ってリアを見ると逆キャスター角(?)が着いてる、あれ?脳内シミュしてみるとリアはブレーキング時にアップする?これってハイレーキコンセプトじゃん、サスにキャスター付けるだけで一石3鳥、さすがニューウェイさん(ワシェさんかも)
あの変態的なサスにそんな秘密が!
ヒーブが無いならジオメトリーでなんとかしようとするなんて・・・流石です。
ターン1のブレーキング、フロントが下がってリアが上がっていました。
難しいけど理解したいと思います。
作るしか無いか・・・。
キャスターでは無くアッパーアーム回転軸を側方から見た時の角度。
キャスターは転舵軸を車両側方から見た角度です。
所謂プロダイブジオメトリーですね。
ただそれを狙った訳ではなく、あくまでも空力的にそうしたんじゃって思ってましたが、リヤがアンチスクォートになってるって事は、バウンシング対策でスクォートし難くしてるんでしょうか。
だとしたら流石ニューウェイって感じです。
大雑把ですが、線をつけてみました。
キャスターがある、ウィッシュボーンの三角の傾きが凄いですね。
これが下がると・・上がると・・・わかんないよ~!
これってまんまMTB(バイク)の考え方ですよね?
トレイル量とキャスター角の話。
更にストローク量と車高変化とか、深いです。
ストローク量が増えるとバネレートの変化は付けやすいですよね。
ただ、ポーパシング対策に使ったのか?と言われるとアレですが。
なるほどニューエイさん事故るほど突き詰めていたのか(違
津川さんはダイブ角を増やすため
小倉さんはアンチダイブとの見解で別れてましたがどちらが正しいんですかね?
前後のサスペンションから見て、それはどちらも同じことを指しているのかと思います。
ただ、単純にストローク量を多くして車高変化を最低限に抑えている感じかと。
どこかにリア周りの画像無いですかね?
フロントとは、逆の角度で付いてます。
ありがとうございます。
まさにそれでしたね!
素晴らしい、元コメント(2022-03-14 22:36)ありがとうございました。
やっと理解できました。
簡単に言えばフロントは減速で下げる、加速で上げる。
リアは減速で上げる、加速で下げる。
キャスターとサスの取り付けポイントでこんな事が出来るなんて、目から鱗でした。
あ、褒められてる…うれしいw
こちらこそ何時も勉強させていただいております。
もひとつ、RBのリアがプッシュロッドになった理由は、逆キャスターを付ける為プルロッドを諦めた(逆キャスターでプルにロスが出る)からではないのか?という結果が脳内シミュででましたw
一応、補足させて頂くと、キャスターはタイヤの回転軸に対するもので、サスペンションが上下動する時の軌跡には影響しません。
レッドブルのフロントアームの軌跡が、極端に表現すると[ 前 / 後 ]←のようになる。
2輪車のフロントアームが上下動する時の軌跡に似ている為、混同してしまう原因だと思います。
キャスターとはその名の通りで、ショッピングカートや台車のリジット型ホイールにも使われています。
サイドポッド上面から側面の段差はコクピット回りにぶつかってできる高圧、低速の空気をうまくサイドに切り分けて、サイドポッド上面の気流を荒らさないためのものかなーと思いました。
平均速度200km/h以上の世界では、私達が思い描く空気の流れよりも、曲がり方や変化は非常に少ないです。
コクピット周りがサイドポッドに及ぼす影響はかなり少ないです。
以下のリンクでCFDを確認しましょう。
https://www.f1technical.net/forum/viewtopic.php?t=27920
管理人さま
ご教示ありがとうございました。
視覚化されたCFDで見てみると、頭の中のイメージと全然違っていておどろきました!
自転車で走る時に感じる速度に対する空気抵抗の大きさから、F1の速度域では空気が車体の前面にまとわりついて抵抗になっているように思っていましたが、もっとサラリと流れやすいものなんですね。
新しいイメージを持って、各マシンを見比べてみたいと思いますー
あ、すみません。
アンチスクウォートの意味理解しました。
なるほど、これは深いですね。
良い図解を見つけました。
http://a011w.broada.jp/cantalwaysget/VD_course/pages/p-26.html
お手間をかけさせて申し訳ありませんが、管理人様よろしくお願いいたします。
これを見ると、レッドブルのサスポイントは真逆でバイクと一緒になります。
よってダイブさせる方向性ですね。
分かりやすい動画
https://youtu.be/tw4VcINWfmw
この動画の力の向きがポイント、ホイールの軌跡の角度によって上向きの力や下向きの力が作れる。
フロントは加速するとリフトさせる力が生まれる、よって速度上昇で上げる事になる。
動画拝見しました。
まさか、RB以外のチームはこれを解っていた上でデザインしたのかと?と言うほどの動画でした(汗
スクワットと言い換えるほうが分かりやすいかもしれないですね
やばい、このコメント欄で勉強が進む!!!
皆さんありがとうございます。
キャスターとアーム回転軸の取り付け角度は全く別の意味を持ちます。
念の為。
この変態サスに対する適当な用語は無いもんですかね?誰かが創作するしかないのかな?ニューウェイ角とかワシェ角とか
風洞でバウンシング対策が出来なかったのは180km以上の再現が禁止されてるからみたいです
CFDやシミュレーターでも出来ないのなら高度なAIやスパコンを解禁してほしいですね
自動車関連の技術だけでなく、より多くの最先端技術の戦場になってほしいなー
一足早く6Gとかが導入されてほしい
RB18 の Bahrain day3 エアロのアップグレードに関し、シミュレーション動画 (The Race)を視聴しましたが、ここでの JIN氏の考察通りの印象でした。
動画によると、サイドポッド下側にて前端側から後方へ続くアンダーカットのホローに対し、幾つかの形状アップデートにより、まずサイドポッド前端の下側から自体と、上側の斜め切り込みライン側、それら両方からの気流量が大幅に増加している印象でした。また、それら増大した気流がコアンダ・エフェクト的にアンダーカット部及びコークボトル側面とフロア上面とに沿いながら、リアタイヤ内側を通過してディフューザー側からの気流を高める効果があるであろう位置へフローしているようでした。また、フロア前縁の両サイドの前方に凸した整流フィンの様なパーツによる Vortex でフロアサイドのシールドが強化された様です。なお、フロントウイングのTop flap ? (一番後方) の上面の湾曲がなだらかになった印象でした。
Testing Bahrain 時 レーキ・アングルにより、昨シーズンまでの様に、いくらか前傾姿勢化したためなのか、走行時の印象が私的にいくらか受け入れやすくなった印象を抱きました。実はニュー・レギュレーションによる、Barcelona 走行時、Un-coolで受け入れ辛い印象でした。それは、特に中低速ターン時の前方ビューにて、フロント・ウイングのアンダー側と路面との間が広く開いて、レースカー全体が後傾している様にしか見えなかったからです。このため、正直、なんか Uncool だな~と思っていました。
RedBull シャシー は Honda Hybrid PUとの Great Partnership 関係による共同開発の好影響大、また、Max Verstappen選手の優れたフィードバックなどの影響もあるようですが、Honda’s PUになりトータルパワーや信頼性 や サイズ的にもトップ水準 または、リアル・トップになった事もあり、シャシー開発面で、特にトップスピードを補う面で無理をせずセオリー的に開発出来るようになったという利点があると嬉しいですね。
赤ラインはフロアサイドにある、第2のトンネル? 下面の流れを想像したものです。
青ラインは表面の流れです。
矢印が到達するディフィーザーのあの部分にはスリットがあります。そこに空気を送り込み機能を増大、または回復させます。
ストール回避の役割があるかもしれません。
新しいサイドポッド、理屈はともかく、見た目が筋肉みたいでカッコいいなぁ。
鍛え上げられた前腕みたいだ。
筋肉www