https://twitter.com/F1

第16戦イタリアGPを終えて5連勝中のフェルスタッペンとレッドブルです。

その内3戦のスタート順が10番手・14番手・7番手なのに、圧倒的なペースと追いついたら直ぐに抜けるバトルセンスが相まって余裕の優勝を成し遂げています。

 

レッドブルRB18はベルギーGPでサイドポッド形状を変更、フランスGPで導入されたフロアの最終型に合わせたボディの形状変更と言ったところでしょう。

対するフェラーリF1-75は、AOM導入からタイヤデグラデーションが更に増加している。

Sponsored link

レッドブルRB18&マックス快進撃の理由

レッドブルRB18は最低重量をまだ3~5kgぐらい上回っているが、バラストを移動できるようになった事でフェルスタッペン好みの前後バランスを取れるようになっています。

 

言うまでもなく前寄りバランスとなるでしょう。

 

フロアフェンスのアップデートでは、フェンス3枚の出口がエッジの前方に集中。

負圧が増加してダウンフォースが増加するが、フェンス出口で起こる排出渦が強くなります。

これを下げる為にサイドポッドにある溝を前方に移動したと考えられます。

 

空力による前寄りダウンフォースの増加、これによってターンインアンダーステアが軽減されています。

 

但し、このフェンス出口のダウンフォースは路面に近づくと増加する。

速度による車高変化とロールによるフロアエッジの車高変化、二つの相互関係を理解してマシンの姿勢を制御するドライビングをしなければ恩恵は受けられない。

マックスとチェコの差は、マシンをロールさせる早さ、向きを変える早さ、そして最終的なスロットルオンの早さの差と言えると思います。

 

フェラーリよりもターンインが速くなったのでは無く、全体的なバランスが非常に纏まった。

しかしハイダウンフォースサーキットでは、手持ちのハイダウンフォースリアウィングが大きすぎて、過度にリア寄りなマシンへと変貌する。

フェラーリF1-75とAOMの関係

フェラーリはフランスGPで大掛かりなアップデートを導入していました。

フェンスの負圧を減らし、フロアサイド上面の流れを強くしています。

この流れを使ってフロアエッジのシールを増加させようとの狙いでしょう。

 

事実、フランスGPで速く、ハンガリーGPでも速かった。

スピンしなければ・・タイヤ選択をミスしなければ・・・終盤まで優勝争いをする事が出来ていたと思います。

 

夏休み明けベルギーGP、AOM(空力振動メトリック)が導入されるとその状況は一変する。

タイヤのデグラデーションが酷くフェルスタッペンのペースに付いていけません。特にリアタイヤのグリップ低下は明白な事です。

 

フェラーリは元々フロント寄りなバランスを持ったマシン、低中速のターンインが鋭くリアを振り回す傾向にあります。

そして他チームと比べるとバウンスが強いマシンです。

 

情報筋によるとAOMは全チーム平均して2~3mmの車高アップを余儀なくされている。

フェラーリはこの車高アップにより、リアのダウンフォースが減少したと考えるのが妥当です。

 

タイヤをスライドさせてしまうのは主にターンアウトであり、速度域は低く車高は上がった状態となる。

ストレート後半のバウンス対応によって上がった車高分フロアの負圧を失っているのです。


Sponsored link


まとめ

AOMはメルセデスにも甚大な被害を与えています。

車高が下がってもストールしないフロアのトンネル拡大は、車高が上がるとダウンフォースを著しく失います。

 

車高は基本的にサーキットにあるバンプによって決まります。

フロアでダウンフォースを稼げなくなり、ウィングに頼るとドラッグが増加してエネルギーを使う量が多くなってしまう。

 

バウンシングを全くさせないレッドブル、車高が上がっても機能するフロアと全体的なボディドラッグの少なさが最大の武器です。

エネルギー消費が少なく、ここぞのバトルで使える量が多い事も特徴の一つでしょう。

 

フェラーリはイタリアGPで旧型フロアをテストするなど試行錯誤中、問題は空力だとの認識があり今後どのような対応をしてくるのかに注目です。

予算制限によって完全に新しいパーツは既に導入不可なので大きな期待はできないかもしれません。

 

シンガポールは市街地バンプ&ハイダウンフォース、鈴鹿はスムーズな路面とミドル(ハイ寄り)ダウンフォース、トップ3チームマシンの特性が絡み合いどのような状況になるのか?

特にシンガポールはフェラーリ一辺倒にはならないかもしれない。