これまで大きく体制が変わるチームとトップチームの注目ポイントをまとめてみましたが、今回はパワーユニット、マシンデザイン、レギュレーションについてのポイントとなります。
パワーユニット(エンジン)関連
- 年間使用基数の変更
- オイルの成分詳細の導入
パワーユニットエレメント基数制限
ICE,MGU-H,TCは3基、MGU-K,ES,CEは2基となる。グリッドペナルティは赤ラインに達した1基目は10、それ以外は5となります。それ以降も色分けされたグループに最初に達した1基目は10となり段階的にペナルティが発生していきます。
ICE | TC | MGU-H | MGU-K | ES | CE |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
1つのグランプリ開催期間中20グリッド以上のペナルティを受けた場合は最後尾へ、複数のドライバーが20以上の降格の場合は、ペナルティを受けた順に並んでいく。ペナルティが発生するとわかっているならフリー走行1回目前に申請した方が良い。
オイルの成分詳細の導入
燃料は流量制限最大100kg/h(10,500rpm)となっている。決勝での使用できる燃料は105kgであり、使用できる燃料を増加させるため各PUメーカーはオイルを燃焼させパワーアップを図っていた。
これを規制するためにFIAはオイルの成分詳細を2018年より導入する。2017年最終の規則では100kmあたり0.6ℓの消費が許されている。決勝は約300kmで約1.8ℓの消費が許される。燃焼させるオイルとなると一般的には2ストローク用オイルがあげられ1ℓは約0.85kg程度が一般的、決勝では約1.53kgの追加燃料がある状態だった。
消費量に関しては明確な規制数値がわかっていませんが、成分詳細によりオイル燃焼しにくくするのがFIAの狙い。
マシンデザイン関連
- HALO(ヘイロー)の導入
- シャークフィン・Tウィング・モンキーシートの禁止
頭部保護装置HALO(ヘイロー)
フォーミュラレースにおいて歴史上、見た目で最悪のデバイスとなるであろうHALOは、前方から飛んできたパーツ類の頭部への衝突を防ぐ、マシンがひっくり返った時にも効果を発揮するだろう。
2014年の日本GPで起こったビアンキの事故問題が長期化した事から始まった流れの中、これを最初に提案したのはメルセデスだった。格好悪いから反対などど思っていたが、安全面を考えると致し方ないが何とかならないものか。
シャークフィン・Tウィング・モンキーシートの禁止
シャークフィンはリアウィングへの整流装置、モンキーシートは排気を利用しリアウィングの効率アップを図る。Tウィングは整流効果目的とそのものがウィングの役目を果たすのも。
このリア周りの空力パーツが無くなる事は、リア寄りのダウンフォースが少なからず減少する事を意味する。
マシン最低重量の増加
2017年度728kg⇒2018年度734kgとなる、FIA発行のレギュレーションでは733kgと記載があるが、この+1kgは360°カメラの重量分だったような気がします。知っている方がいたらコメントお願いします。
HALOの重量増を試算すると+14kgで最低重量は+6kgとなっており、その差8kgは現行より軽量化する必要がでてくる。シャークフィン、Tウィング、モンキーシートを外すことで補える重量ではない。
大柄なドライバーを有するチーム、ドライバー本人も含めかなりのハンデを抱える事になる。
リアまわりのエアロに制限が設けられる今年のレギュレーションではサイズゼロとまではいかなくても、コンパクトなPUのほうが自由度が増して有利な気がしますね。
ホンダのMGU-Hの信頼性が改善されていればいいのですが、昨年後半の様子ではきっと今年もグリッドダウン祭りでしょうね
ですが、交換のタイミングでしかアップデートできないものもあるでしょうから夏休み前にルノーに追い付くくらいの改善を示さないとレッドブルにそっぽむかれちゃいますのでがんばってほしいところです。
メルセデスやフェラーリのカスタマーが信頼性重視。ホンダはギリギリのセッティングで3,4戦保てば良いぐらいで攻めて行けば入賞争いは出来ると思っています。