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新車発表が待ち遠しいオフシーズン、チームがどのようなスケジュールを経てF1マシンを設計・製造しているのか知っておきましょう。

 

この内容はF1iの取材に対し、丁寧な回答を与えたトロロッソによるものです。

引用・参考元:La construction d’une Formule 1 – Quand ?

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Formula 1マシンの製造スケジュール

2020年2月に発表されるマシンは、2018年から作業が開始されています。主要な段階を一覧表にしたものは以下になります。

期間 内容
2018年11~12月 準備作業の受付
2019年1~3月 コンセプトディスカッション
2019年4~5月 オプションの制限
2019年6~8月 概念と設計の定義
2019年9~10月 空気力学的な表面の凍結
2019年11~12月 シャシーの構築
2020年1~2月 空力パーツの製造など

2018年11~12月:準備作業の受付

トロロッソでは4人または5人のエンジニアは綿密な研究を行っており、その目的は、空気力学者が車体のボリュームを最大限に自由にデザインできるようするため、車のすべての部品をパッケージングできるようにする。

 

※2020年2月発表のマシンの場合、研究は2018年11月以前から行われておりこの段階で引き渡す事になる。

2019年1~3月:コンセプトディスカッション

1月に、2019年型シャーシの製造が完了すると同時に、エンジンメーカーと話し合い、ホイールベースを決定し、さまざまなパッケージオプションを評価するなど、実質的な作業を行っています。

この期間で多くのことを話し合います:冷却で何をしたいのか:大きな変化か小さな変化か?

 

並行して、バルセロナのテスト中に、その長所、短所、改善すべき領域などを調べることにより、新しい車の動作を評価します。

2019年4~5月:オプションの制限

プロセスは4月から5月に加速します、それが大きな決断を下すときです。

ホイールベース、冷却、サスペンションなどの最初のアイデアがあります。

 

具体的には、これはオプションを3つまたは4つのソリューションに制限することを意味します。

2019年6~8月:概念と設計の定義

数週間の風洞作業の後、空気力学者はホイールベース、サスペンションなどを確認しました。さらに、いくつかの分野で可能性の範囲が狭まり始めます。

夏には、タンクの形状、シャーシの長さ、チューブ(横方向の衝撃を吸収するカーボンチューブ)を配置するモノコック内の場所、ラジエーターの配置などがわかります。

 

8月に工場を強制的に閉鎖する前に、マシンがどのように見えるかを知る必要があります。

言い換えれば、冷却、サスペンション、ギアボックスの寸法などについて非常に明確な考えを持っている。

2019年9~10月:空気力学的な表面の凍結

9月中旬にボディーの表面を凍結します。これは、私たちのような小さなチームではすでに非常に遅れています。

より大きなチームには、この期限をさらに遅らせる手段があります。

もちろん、これらの表面が停止する前に、デザイナーはボディーの下のすべてに取り組み始めました。

 

その後、12月末に承認されるシャーシを準備するために、モノコック、エアロフィン、ボディパーツなどを製造するための大型金型の製造を開始します。

2019年11~12月:シャシーの組み立て

各種パーツの製造とシャシーの組み立て作業。

2020年1~2月:空力パーツの製造など

1月、私たちは空力面、つまり身体の一部を製造しています。

この時点で、シャーシは承認され、工場のスペースに取り付けられています。

 

1月にはシャーシの発表バージョンが生産されていますが、最初のレースで計画されている開発にすでに注力しています。

新しいフロントウィング、リアウィングの更新、新しいフラットボトムモデル等、これらの部品は、メルボルンでの開幕戦、理想的にはテストの最終日に必要なため、1月下旬、2月上旬に生産されます。

 

さらに、1月には、導管、スクープ、チューブなどの小さな部品を大量に生産します。

これらはもちろん、テストベンチ、品質管理などに渡されます。2月には、すべての部品が生産中です。

まとめ

マシン開発は1年以上の期間を必要とします。開発を間違い1シーズンを捨てる事になる訳がよくわかる内容ですね、近年では2016年のフェラーリ、2018年のマクラーレンが記憶に新しいと思います。

ウィリアムズはもう何年も間違い続けてますけどね・・。

 

トロロッソの運営費はフォーブスによれば1億8,110万ドル(2018年度)と言われおり、2019年大活躍したマシンは主にこの中で開発されたものであるという事です。

ホンダPU専用に作られたコンセプトであった事も大きく、レッドブルから多くのパーツ供給を受けた事で研究開発を集中化できた事も大きいでしょう。

 

運営費が倍あるトップチームが有利である事には変わりないが、製造過程の短縮はトップチームでもそう簡単にはいかない事は過去の例からも明らかです。

 

ホンダPU専用&新空力規定2年目のレッドブルに対する期待が、否が応でも上がると言うもの!

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