パワーユニットの馬力数値がいよいよ明確になりつつあります。シーズン中だとあそことは20kwの差だ、などの情報しかおりてこないので、パワー差の分析しか出来なかったのですが、ドイツのまぁまぁ信頼できるサイトに推測値が書かれていました。
F1エンジンのパワー数値(推測値)
GPSデータからの推測値が明らかになったようです。
PU | 馬力(アブダビ) | 馬力差 | 燃費(メキシコ) |
---|---|---|---|
メルセデス | 949ps | 89kg | |
フェラーリ | 934ps | ▲15 | 101kg |
ルノー | 907ps | ▲42 | ? |
ホンダ | 881ps | ▲68 | ? |
MGU-Kによるパワーアシスト120kw(約163ps)を含んだ数値です。(1kw=約1.36ps)
私の予想している差からも、ほぼ順当な数値解析だと思われます。ルノーとホンダの差は26馬力ですけど、ルノーが信頼性を重視したセッティングならもう少し縮まると思います。
燃費についてはルノーやホンダはわからないけど、フェラーリより良いって事はないでしょう。
パワー差比較表(マクラーレン・ホンダ基準)
パワーエフェクトは10kw単位でシルバーストン0.25秒、ハンガロリンク0.15秒、インテルラゴス0.18秒(推測値)としています。ブラジルのパワー数値を上記のものに変更しました。
GP | 対チーム | 車体 | PU | 総合 | パワー差 |
---|---|---|---|---|---|
GBR | メルセデスQ3モード | 1.5 | 1.3 | 2.8s | 53kw(72ps) |
GBR | フェラーリ | 1.3 | 1 | 2.3s | 40kw(54ps) |
GBR | レッドブル(ルノー) | 0.8 | 0.5 | 1.3s | 20kw(27ps) |
HUN | メルセデスQ3モード | 0.2 | 0.8 | 1.0s | 53kw(72ps) |
HUN | フェラーリ | 0.6 | 0.6 | 1.2s | 40kw(54ps) |
HUN | レッドブル(ルノー) | 0.4 | 0.3 | 0.7s | 20kw(27ps) |
BRA | メルセデス | 0.37 | 0.9 | 1.27s | 50kw(68ps) |
BRA | フェラーリ | 0.57 | 0.70 | 1.27s | 39kw(53ps) |
BRA | レッドブル(ルノー) | 0.36 | 0.34 | 0.70s | 19kw(26ps) |
※1kw≒1.36ps≒1.34hp
総合タイム差は予選ベストラップ時のものです。シーズン中に出てきたパワー差やパワーエフェクト値(ヨネヤさんがエンジニアから聞いたもの)は実に信頼性が高かったものなんですね。
今年も全グランプリに帯同するであろう彼の情報は、外から見ている私たちにとって有意義なものになるでしょう。
まとめ
各メーカーが数値を発表するなんて事は稀なので、今後はこの数値を基準として考えていけばいいかと思ってます。メルセデスが1,000馬力目前だなんて話がありますが実用範囲ではまだまだ出来そうに無い数値で一安心。
もっと詰まっていると思っていたルノーとホンダの差はやっぱり約20kwはある状態ですが、ホンダが外部コンサルタントの連携を強化しつつ開発のスピードが上がれば、もしかして開幕時に並んでいる可能性もある。
毎年期待しては裏切られてるから、ここはグッとこらえてテストまで待とう。
あけましておめでとうございます。
終盤のルノーはオイル規制がかかっているのにオイル燃焼を積極的に使っていたという話もあったようなので、それが本当ならホンダとのパワー差はもう少し縮まっているのかもしれないですね。
ホンダもスペック3.0か3.5でオイル燃焼を取り入れたみたいですが規制後はルノー並みにはやってなかったみたいですし・・・。
明けましておめでとうございます。
今年も追加情報期待しておりますw
オイルの成分規定が設けられるようですね。一番影響あるのはフェラーリですかね、3種のタンクがあったようですし。
GPSから移動距離、初速と終速がデータとして確認できるのですね。F1チームが使うシュミレーション技術(ソフト)からは簡単にMAXパワーの推測が可能になるんですね。しかし、パワーエフェクト数値はかなり正確な数値でしたね。米谷さんの情報は、情報元エンジニアからのデータなんですね。私もルノーとの差は10kw程度と考えていましたので20kwは大きいですが、これでトップギャップシリーズが楽しみになりました。
明けましておめでとうございます。
今年も色々とニュースサイトとは違った話題作りを頑張ります。
早く日本人ドライバーが乗って、少しでもF1人気が回復すれば良いのですが、とりあえずホンダに頑張ってもらわないとならないな。
HONDA HRD さくら“Professional”エンジニア様へ
『HONDA PU,2018年プレシーズンテストは完全トラブルフリー達成でお願い致します!!!』
ホンダパワーユニット他社との推定馬力差を再認識出来ました。
当方、毎回同様のコメントですが…
この冬、ホンダ筆頭に他社もこの数値からさらに進化させてくるでしょうが、伸び代加えてこの差をホンダは絶対に一歩一歩確実に縮めなければいけませんね!!!。
(当然、信頼性保ちトップ差ラップ1.0秒(約50馬力)以内を最低に結果示さないと!)
そして、シーズンPU×1基×概ね7戦の信頼性保つ事を示すために前哨戦となるプレシーズンテストは、まず、絶対トラブルフリーという結果に向けてあらゆる準備を重ねなければいけない!!!。(最低でもルノーと同等の馬力を強く願うのですが……もたない~壊れて走れないは絶対にあってはならない!)
2018年は4年目です。競争するため他社(AMGなど)と同じ土俵に上がったSakuraエンジニアの皆さんは、プロフェッショナルです。「結果は、全て我(ホンダ)にあり!」といういつもの決意に加え、これからは結果も伴なっていかなければならないという厳しき条件にてポジティブ応援ですm(_ _)m。
(モタスポ管理人様、今年も新年早々に詳細な記事ありがとうございました。)
https://www.as-web.jp/f1/191507?all
ここによると単位がhpになっているのでpsに直すともう少し馬力は上がると思います。
引用元のドイツのサイトはps表記です。AUTOSPORTweb日本版は明らかな表記ミスですね。
このpsとhpの罠は結構大きいと最近になって気づきました。ps(1)=hp(0.98632)
ドイツと日本は主にpsを使いますね。hpはイギリスやアメリカかな?
私の今までの記事でもこのあたりは混同していたので、この場を借りてお詫びいたします。
ホンダはマクラーレンにしか供給してないのでドラッグ・ダウンフォース辺りは憶測の部分がかなり大きいので20kwの差が正しいかどうかは
まだまだ未知数なんですよね
まあ開幕まで楽しみにしておきましょう
仰られる通り、このGPSデータに関しては空気抵抗の違いを完全には考慮できていないようです。
マクラーレンが他より空気抵抗が大きかったのは事実。もしかすると本当に開幕時にルノーに並んでいる可能性は十分ありますね。
稚拙ながら熱効率の計算をしてみました。
ホンダPUはICE単体で約718psなので熱効率は42~3%位だと思われます。
メルセデスは783psなので46.5%近くあると思われます。
熱回生がない分開発の方向性が変わるので参考にしかなりませんが、NREは650psと仮定して41%前後となります。(nismoのGT500紹介動画では650hp超えと紹介していました)
NREはある程度共通設計の部分があるのでプレチャンバーは搭載していない可能性は高いように思いますが、実際のところどうなのかはとても気になります。
しかしながら、AUTO webコラムの「慢で無知な初動」というのはかなり辛らつだと思っていましたが、あながち間違っていなかったのかもしれませんね…
なお余談ですがWECトヨタの熱効率は49%!(本当に総出力が1000psあるのなら!ですが…)
熱回生がない分熱効率の向上に集中出来ている、加えてWECの燃料はE20で圧縮比を上げやすい燃料だからこその熱効率ではありますけど。
事前開発もあったとはいえ、投入2年目でここまで上げてくるのは富士の開発には頭が下がります。
熱効率の計算ができるなんてすばらしい知識です。
NREは2000cc4気筒ターボで650psもあるんですね。
熱効率って運動回生エネルギーも含めての数字ですよね?WECトヨタの49%は凄い。
ホンダってやっぱターボが下手なんじゃなかろうか・・。
熱効率はガソリンが含んでいる全エネルギーのどれだけを利用できるエネルギー、つまり駆動力として取り出せているか、という認識が比較的わかりやすいと思っています。
例えば熱効率が30%なら、30%分だけ駆動力になっていることになります。
残りの70%は利用できない形で放出されます。補器類による駆動損失や機関本体の摩擦損失で10%、排気損失で32%、冷却損失で28%といった形です。
熱回生はそのうちの排気で放出されるエネルギーを回収するシステムですが、運動回生は自動車の運動エネルギーそのものを回収するものなので、エンジンや熱回生とは一切関係がないです。
話が少し変わりますが、ホンダのターボトラブルは結局熱効率回りが原因にあるような気がコメントを打っていて思いました。
熱効率を高める=損失の減耗なので、つまり排気に含まれるエネルギーも減ります。しかし、熱効率アップ=パワーアップなので、妥協することはできません。
代わりにKERSで補うというのもF1、WEC共に現行レギュレーションでは不可能です。(WECは回生側の出力に制限がないのである程度は何とか出来そうな気もしますが)
ただ、熱効率の追求だけでは、ERS-Hからの回収量が減って1周で使用できる全体のパワーが逆に少なくなる場合もあるようです。
逆に言えば、ERSの効率を上げることが出来れば、熱効率が上がっても排気からのエネルギーの回収量は大きく減らさずに済むようになるとも言えるのかと思います。
ERSの効率を上げるためにベアリングなどを一新した結果、序盤ターボ回りのトラブルが頻発していたのかもしれませんね。
長文失礼しました。
わかりやすい回答ありがとうございます。
運動エネルギーとは関係ないんですね、まだまだ勉強不足でした。
メルセデスの強さは、このパワーユニットが導入当初から言われていたMGU-Hの回生が素晴らしいと言うことですね。
放送でたまに1周あたりの回生エネルギーの使用量が表示されますが、ハミルトンとベッテルがトップ争いしてる時にメルセデスの方が5%ぐらい多かったと記憶しています。
ホンダ追いつけるのだろうか・・
確か長谷川さんがメルセデスの50%の熱効率について聞かれた時に
違いはほんの僅かだけど、その差を埋めるのがなかなかだと言ってたので
その言い方だと少なくとも45%以上はあるんじゃないかな・・・と
まあ熱効率が上げれば必ずパワーが上がるという訳でも
全くないようなのですが・・・・
熱効率の計算について、
ガソリンの低位発熱量を44.9MJ/㎏とすると、最大燃料流量が100㎏/hなので燃焼させると4490MJ/h
→換算すると 1247kW →1697PS
ホンダの場合は、718/1697*100=42.3%
匿名さんの計算と若干の誤差が有りますが計算のやり方はこういうことかと思います。
使用燃料の低位発熱量(重量当たり)が変わると、同じ効率で出力が大きく変わることが分かります。
昔のターボF1(1988頃)では容積(L)規制だったのかな?ホンダはトルエンを使って発熱量(出力)を稼いでいたようですね。(オイル燃焼は別枠として)燃料の裏ワザが有るのかどうか興味が有ります。