2023年最終戦となったアブダビGPは締まりあるレースが展開された。
各マシンの強さ弱さが浮き彫りになっています。
ヤスマリーナは各セクターの特徴、ターンの種類が豊富で解析がしやすいサーキットです。
ミドルダウンフォース、レースはC3タイヤがメインになり、F1マシンとしての中間が非常に意識される。
前回に引き続きテレメトリーを使った解析をしていきます。
F1 Tempo のテレメトリーを使います。
4強マシンのエアロセッティング
リアウィングのセットがストレートの速さに直結しています。
ダウンフォース順は、高:レッドブル←フェラーリ←メルセデス←マクラーレン:低
使用するのは終盤のレースラップです。
ヤス・マリーナのセクター1
ターン1のブレーキングで稼ぐルクレール、ターン2,3の高速コーナーではボトミングを抑える為スロットルを大きく抜いている。
ノリスも同様に抜いているが車速は落ちる事無く最速、ラッセルはターン3のみスロットルを抜く。
フェルスタッペンはフルスロットルで行けるダウンフォースを持っている。
ヤス・マリーナのセクター2
ストレートだけで見ればフェルスタッペンは最も遅い、第2ストレート終わりではノリスとラッセルは-0.2、ルクレールは-0.15のマージンがある。
レッドブルのリアウィングは重すぎず軽すぎず良い感じ、このミドルタイプは神のごとき最高の武器です。
ヤス・マリーナのセクター3
フェルスタッペンはターン9ボトムスピードが圧倒的に速い、ターン12,13,14を抜けてターン15の高速コーナーをフルスロットルで抜けれるダウンフォースがある。
まとめ
フェルスタッペンのレース中のDRS off 最高速度は、この4台の中で最下位の308km/hです。(レースラップのほとんどは305以下)
微妙な差ですが、ダウンフォースの全体的なバランスが少しリア寄りになっている事で、高速ターンの速さとタイヤの消耗を抑える事を両立しています。
マクラーレンのレースペースが悪かったのはリアのダウンフォース不足です。
レースラップのストレートは一番速かった。
ヤス・マリーナのDRSデルタ
- RB 21 km/h (329-308)
- Fer 19 km/h (328-309)
- MCL 15km/h (325-310)
- Mer 14km/h (324-310)
予選でRBはその独自のリアウィング形状によってDRS時のドラッグ削減率が高くストレートで遅れをとる事は無い。
DRSデルタの多いリアウィング開発は他チームにとって最重要課題です。
意外にもフェラーリは理解しており、フラップの形状が平坦な分少し遅いだけです。
バランスが前寄りなフェラーリは高速ターンで遅れる。
昨今のDRSゾーンの追加や延長は、デルタの多いリアウィングとそれを実現するビームウィングの効率の良さ、そしてビームウィングに頼らないディフューザー機能などRBにとっては追い風になっている。
いつも興味深い解析を有難うございます
RED BULLがストレートが遅いのは驚きでした
これだと競り合いに弱そうですが、DRSが開くと速いので、そうでもないのでしょうね
全体のバランスを考えてセッティングしなくてはならないので、微妙な所なのでしょうが、
DRSを使って前に出てしまえばダウンフォースが強いのを生かして、コーナーでタイムを稼ぐ、といった所でしょうか?
ほとんどのサーキットでDRS無しのレッドブルは他より少しだけストレートが遅いんです。
この微妙なダウンフォースの上乗せがレースラップの速さに繋がっています。
追い抜く時でも乱流の中、前車に付いていけるダウンフォースがある、それもリアにある、トラクションが稼げる。
DRSデルタの多いリアウィングはRBの秘密でも何でもない利点です。
解説ありがとうございます
レースで早いタイヤの持ちが良い理由
なのですね
そして乱流に強いはずなのに
ペレスは弱い?
セッティングが違うのですか..
そこが不思議です
ペレスはマシンどうこうではなく乱流、トラフィック、そういったものに弱いです。
2023年はあまりの不甲斐なさに失望です。
ターンが多めのセクターでフェルスタッペンが他と比べてやけに速いことが年間通して何回も見られたけれど、テレメトリを見るとよく分かりますね。他チームがスロットル抜いてる一方でレッドブルだけ全開でいけるならそりゃ差がつくはずだ。
レッドブルに少しでも勝つなら今年、弱かったところに合わせて作ったほうがいいのやら。
来年はどうなるんでしょうねぇ。RB20はガラッと変わるようなことがどっかの記事で出てましたが。