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新型コロナウィルスのパンデミックにより全世界が停止したような情勢の中、F1はまだ今年の開催を諦めていない。

6月26~28日に予定されてたフランスGPは中止を発表しました。これにより10戦目までは中止が3、延期が7となっています。7月3~5日に予定されているオーストリアGP開幕を目指しているとF1は発表している。

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新たな延期や中止

フランスGPは2018年からポールリカールを舞台に移し復活していましたが、2020年は政府により7月中旬まで主要なイベントを停止するように命じられ、延期ではなく中止する事が決定しました。

これにより予定されていた前半10戦は、オーストラリア・モナコ・フランスは中止、バーレーン・ベトナム・中国・オランダ・スペイン・アゼルバイジャン・カナダは延期となっています。

オランダ政府は、9月初旬まで公共のイベント禁止を延長しました。オランダGPが再度スケジュールに組み込まれる可能性は限りなく低くなっています。

F1開催の目標

最初のレースは7月3〜5日のオーストリアで開催されます。7月、8月、9月初旬までのヨーロッパ、9月、10月、11月には、ユーラシア、アジア、南北アメリカでレースが行われ、12月に中東・湾岸でシーズンが終了します。

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バーレーンは12月開催が早くも確約されているようで、最終戦アブダビは1~2週後方へ移動すると言わています。

3週連続開催が計画され、各地域をまとめて移動距離を減らす、物流面の負担を減らす構想。

無観客開催への希望

人を集める事は感染拡大を招く、よって世論を納得させるためには無観客によるレース開催が必須条件になっています。

オーストリア、イギリスは無観客開催が決定しており、この2つのグランプリは2日間2レース制になる可能性が思案されているようです。レッドブルが協力的なオーストリアは、平日にも行える案を考えている。

市街地コースであるベトナム、アゼルバイジャンは人の流動性をコントロールできなくなるために、無観客であっても開催できないと考えられています。シンガポールは、6カ月先である事からまだこれからの状況次第です。

開催権料の減額や無償に向けて

無観客開催となれば、開催権料や一部のスポンサーからの収入が無くなってしまいます。2019年度は約12憶ドルの収益基盤があった部分になります。

リバティメディアは、F1グループが所有するイベントプロモーターLive Nationの株式33%を、衛星ラジオ放送局のSiriusXMに譲渡、子会社間で現金、資産、負債を移動させ、14憶ドルの現金を確保しました。

これにより、キャッシュフローを安定させると共に、29憶ドルのローン契約に対する条件をクリアしています。そして急降下していた株価はこの発表により約14%上昇しています。

特定のチームには、分配金を前倒しで提供しており破綻を防ぐ努力もしています。

F1消滅の危機脱出!

収益面の影響から、F1が消滅する危機はリバティによる現金確保で当面問題ない事になりました。また、一部のチームの収入を助ける事で、チームの消失を阻止しています。

マクラーレンは、株主であるバーレーン政府系投資会社から3億ポンドの資金を注入されており、存続できる体制を確保しています。

 

人の動きが規制される事により、お金の流動性が失われている世界的危機を乗り越える努力が、次々と発表されている。問題は自動車メーカー系の動きになりそうです。

ホンダは大丈夫だろうか?リーマンショックで撤退を選んだことからも一番に脱落する可能性が高い、フランス政府系のルノーの動向も気がかりです。

 

チーム予算の削減に向けた話し合いも本格化しており、レッドブルは大胆にもチーム間のパーツ販売の更なる自由化などを提案、フェラーリはこれ以上の削減案に同意できない意向を示しています。それに対し、マクラーレンのブラウンはフェラーリ抜きでもF1は存続できるなど強い批判姿勢を見せている。

まとめ

ここに来てやっと言うべきなのか、予算増大に歯止めかける動きが本格化しそう。

面白いのはF1とフェラーリの関係性、昨年のPU問題により立場が逆転したような印象を受ける。バーニーに長らく庇護されてきたフェラーリ、コンコルド協定最終年になってその政治力は衰えている。

チーム間のパーツの流動性を上げる事も面白い提案だと思う。開発されない共通パーツよりはいいのではないだろうか、空力の大部分を司るボディなど開発は原則として残っている。

 

開催できるかは、移動制限が解除されなければならない。7月にそれが出来るとは思えないけど・・・。

どうなるのか、様子をみてみよう。