レッドブル・ホンダvsメルセデス、フェルスタッペンvsハミルトン、素晴らしい激戦となった2021年前半戦。
ホンダの新骨格パワーユニット、レッドブルの空力アップデート攻勢、メルセデスの改善力とアップデート、大半が2020凍結マシンでありながら見事な戦いを繰り広げています。
後半戦のスタート前に、おさらいの意味もこめて確認しておこうと思います。
レッドブルvsメルセデス(2020と2021年の比較)
R | GP | サーキット | 全開率 | 平均速度 | レッドブル・ホンダ | Qtime gap | メルセデス | |||||
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2020 | 2021 | 改善度 | 2020 | 2021 | 2020 | 2021 | 改善度 | |||||
1 | BRN | バーレーン | 75.0 | 218.9 | 87.678 | 88.997 | -1.50% | (0.414) | 0.388 | 87.264 | 89.385 | -2.43% |
2 | ITA | イモラ | 78.7 | 237.4 | 74.176 | 74.446 | -0.36% | (0.567) | (0.035) | 73.609 | 74.411 | -1.09% |
3 | POR | アルガルヴェ | 76.1 | 213.7 | 76.904 | 78.746 | -2.40% | (0.252) | (0.398) | 76.652 | 78.348 | -2.21% |
4 | ESP | カタロニア | 65.0 | 218.3 | 76.292 | 76.777 | -0.64% | (0.708) | (0.036) | 75.584 | 76.741 | -1.53% |
8 | AUT | レッドブルリンク | 73.5 | 243.4 | 63.477 | 63.841 | -0.57% | (0.538) | 0.194 | 62.939 | 64.035 | -1.74% |
10 | GBR | シルバーストン | 72.4 | 246.2 | 85.325 | 86.209 | -1.04% | (1.022) | (0.075) | 84.303 | 86.134 | -2.17% |
11 | HUN | ハンガロリンク | 56.6 | 209.1 | 74.849 | 75.840 | -1.32% | (1.402) | (0.421) | 73.447 | 75.419 | -2.68% |
※全開率は時間、平均速度は2021年予選時
2020年と比較して改善度がマイナスになるのは当然の事ですが、1%を切る事が多いレッドブル・ホンダがどれだけ凄い改善をしたかがわかると思います。
メルセデスとの予選タイムギャップを比較してもわかる通り、2020年は相手にもならない状況だったのを、常にポールポジションを争う速さにまで高めています。
ダウンフォースがあまり関係ない本当のストップ&ゴーサーキットであるイモラは、改善度のマイナスが非常に少なくなっています。
カタロニアはターン10のレイアウト変更が(ラップタイムが1秒ほど速くなった)、メルセデス有利に働いた。
レッドブルの弱点
レッドブルの弱点は、ステアリングをずっと切らなければならない中速度域ターンがあると遅くなる点です。
上の図は、フェルスタッペンが多用するラインを極端に表したものです。
所謂、V字ラインと言うもので、ハイレーキ車では必衰の走り方、マシンが横を向いている時間を減らし、横からフロアに入り込む空気を減らしてダウンフォースを安定させる。
この走り方が出来ない、ダラーっと速度が乗る長いターンでは不安定になる(リアウィングを他より小さくするため)、アルガルヴェやハンガロリンクでメルセデスに大きな差を付けられた原因です。
低速で180°反転するようなヘアピンでは問題になりませんが、空力効果が出てくる100km/h以上の長い中速度ターンでは要注意となります。
メルセデスの改善力
2020年圧倒的なフロアダウンフォースを誇り、恐るべき速さがあったW11ですが、2021年のW12では平均して2%のタイムを失っています。
全開率も平均速度も低いハンガロリンクでは、アップデートされ圧倒的な速さがありながら2.6%も失っている事から、フロアダウンフォースを失った影響の凄さがわかります。
開幕時では、不安定なリアをウィングで何とか抑え込んでいたが、新しいタイヤへの理解が進み、イギリスからのアップデートで驚くべく改善を果たしています。
エネルギーマネージメントを改善して、ターン立ち上がりに集中してフルパワーを使う方向性へシフト、ハミルトンはフェルスタッペンと比較してV字ラインが少ない印象でしたが、このセッティングに対応するべく走り方を改善しています。
後半戦へ向けて
レッドブルは、平均速度が比較的に高いサーキットで強さを発揮するべく、昨年からマシンバランスを変更しているようです。
2年連続してハンガロリンクで遅かった事、モナコで圧倒的なポールポジションを獲得できなかった事などから、ずば抜けてフロントエンドが強いマシンでは無くなっています。
昨年はホンダのエネルギーマネージメントが開幕直前の技術指令で不利になり、パワー差が大きく見えずらかったマシン差。
今年のイモラ・ポールリカール・シルバーストンの差からも、スパやモンツァでメルセデスと互角の勝負が出来る気がしています。
しかし、フェルスタッペンの地元オランダのザンドフィールドは、コースレイアウトからもアルガルヴェやハンガロリンクに近いものがあり苦戦すると予想します。
レッドブルリンクで見せた高地で強いマシンは健在、メキシコやブラジルは絶対的に速いでしょう。
チャンピオンシップは、クラッシュによってパワーユニット面でフェルスタッペンが不利ですが、どうなるかわからない状況は後半戦も続きます。
フェルスタッペン対ハミルトン、本当に面白いシーズン、大いに楽しみましょう。
レッドブルに有利と思われるコースが中止や開催されるか不安視されているのが残念ですね
鈴鹿の中止は母国レースというのを除けば良かったのですかね?
あとはアブダビの改修がレッドブルに有利になるかどうか…
残り12戦の内2戦は中止になり、代替を模索中。
どの国も7月以降に感染拡大がみられる現状、北米・南米大陸は未知数ですね。
ドライバータイトルはマックスとハミルトンの争いになりますが、
ヨーロッパ3連戦(ベルギー、オランダ、イタリア)で、どちらが先に勝ちを奪えるか?
マックスは最低でも、2勝(プラス2位)したいところですね。
コンストラクタータイトルはペレスとボッタス、両セカンドの活躍貢献次第?
この3連戦中で、マクラーレンのノリスとフェラーリのルクレール&サインツがトップ2チーム(メルセデスとレッドブルホンダ)に割って入る場面も見たいです。
2戦減って代替も無くなって21戦になった場合、果たしてレッドブルホンダにとって吉となるか(PUのやりくりで)
メルセデスのハミルトンが早めに勝ち点差を稼いで逃げ切る体制に?
フェルスタッペンとペレス共にクラッシュの影響でPUを失い、4台目は避けられない状況ですが、
フェルスタッペンの地元オランダを避けたい&追い抜きしにくいサーキットを避けたいというのを踏まえ、
いきなりベルギーで4台目を開封し、ペナルティを消化するのではないかという噂が出てますね。