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ギアボックスは、ギアが入ったカートリッジと車体後部の骨格となるケースに分かれる。2021年は基本的に2020年と同様のものを使わなければならないが、トークンを使えば変更可能となっている。

ケースにトークンを使ったのは、フェラーリ、アルピーヌ、レッドブルであると思われる。アストンマーチンは2020年製メルセデスを使いトークン免除となっている。

 

8速のギヤ比はファイナルに至るまで開幕時点で凍結となる、これはコスト削減のための処置で、モナコ用やモンツァ用を用意しなくてもいいように7→8速になった経緯がある。

ギアボックスは、土日のプラクティス3・予選・決勝を通じて6戦連続で使用しなければならない。

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各ギアの最高回転数と速度比較

2021 Imola MAX ギア 1(S) 1 2 3 4 5 6 7 8
メルセデス(M) rpm 8,708 12,870 12,469 12,307 12,147 12,076 11,914 11,845 11,466
km/h 0 110 146 173 198 218 252 289 322
マクラーレン(M) rpm 10,264 12,154 12,220 11,344 11,731 11,770 11,788 11,692 11,634
km/h 0 109 132 161 189 229 258 288 326
レッドブル(H) rpm 10,203 11,516 11,898 12,292 12,286 11,841 11,668 11,671 11,638
km/h 0 99 135 164 199 226 255 290 324
アルファタウリ(H) rpm 11,078 11,308 12,019 11,876 12,136 11,863 11,644 11,605 11,584
km/h 0 100 121 160 199 229 255 287 322
フェラーリ(F) rpm 9,568 10,534 11,242 11,102 11,598 11,701 11,737 11,678 11,416
km/h 0 85 141 147 177 217 255 289 319
アルピーヌ(R) rpm 11,170 10,333 11,051 12,000 11,462 11,781 11,785 11,497 11,287
km/h 0 99 132 165 193 235 271 301 325

1,2速はバーレーンのスタート時のものになります。ホイールスピンなどが発生しているため参考程度にして下さい。1(S)はスタート時のクラッチミート待機回転数です。

ホンダはかなり高回転化しています。このデータはフェルスタッペンのものですが、ペレスは3,4速を約12,000rpm、200ぐらいは誤差の範囲内で加速性能に影響を与える事は無いようです。

回転数11,500rpm前後の速度

2021 Imola 11,500 ギア 1(S) 1 2 3 4 5 6 7 8(11,000)
メルセデス(M) rpm 8,708 12,870 12,469 11,538 11,504 11,533 11,509 11,523 11,005
km/h 0 110 146 156 184 212 244 282 307
マクラーレン(M) rpm 10,264 12,154 12,220 11,344 11,531 11,520 11,517 11,504 11,001
km/h 0 109 132 161 189 220 253 285 306
レッドブル(H) rpm 10,203 11,516 11,898 11,465 11,492 11,452 11,516 11,504 11,018
km/h 0 99 135 143 179 218 253 284 303
アルファタウリ(H) rpm 11,078 11,308 12,019 11,534 11,518 11,506 11,514 11,515 11,010
km/h 0 100 121 150 183 219 252 286 305
フェラーリ(F) rpm 9,568 10,534 11,242 11,102 11,487 11,474 11,512 11,506 11,002
km/h 0 85 141 147 175 208 248 285 306
アルピーヌ(R) rpm 11,170 10,333 11,051 11,559 11,462 11,511 11,507 11,497 11,002
km/h 0 99 132 159 193 226 263 301 317

1,2速は計測不可のためそのまま、8速は11,000rpm付近に揃えました。

マクラーレンとフェラーリは3速を11,500rpmまで回しません、そしてマクラーレンの3,4,5,6速は、メルセデスに比べると高めな設定になっています。ドラックレベルの差も関係してきますが、中高速域で加速が強くなります。

イモラの結果からも新たな直線番長は、マクラーレンとなります。レッドブルとアルファタウリはギア比を揃えてきたようです。

 

フェラーリは、4,5速が低め設定となっており、パワー差を埋めるべく加速性能に振っているように見えます。

アルピーヌは相変わらず4,5,6,7,8が高いギヤ比になっています。ルノーPUは回さずにパワーを出す思想なエンジン、まぁ本来のターボエンジンの形と言う感じですね。

https://f1i.auto-moto.com/ (Ferrari SF90 Gearbox)

2020-21年ギア比の比較11,500rpm

2021Imola 2020GBR ギア 1(S) 1 2 3 4 5 6 7 8(11,000)
メルセデス20(M) rpm 9,141 12,031 11,513 11,509 11,508 11,594 11,518 11,500 11,005
km/h 0 106 129 158 180 215 245 283 306
メルセデス21(M) rpm 8,708 12,870 12,469 11,538 11,504 11,533 11,509 11,523 11,005
km/h 0 110 146 156 184 212 244 282 307
マクラーレン20(R) rpm 10,521 11,231 11,151 11,417 11,456 11,434 11,401 11,487 10,991
km/h 0 118 124 159 191 224 257 293 316
マクラーレン21(M) rpm 10,264 12,154 12,220 11,344 11,531 11,520 11,517 11,504 11,001
km/h 0 109 132 161 189 220 253 285 306
レッドブル20(H) rpm 11,709 12,170 11,444 11,488 11,548 11,460 11,462 11,541 11,010
km/h 0 122 125 148 185 219 252 285 304
レッドブル21(H) rpm 10,203 11,516 11,898 11,465 11,492 11,452 11,516 11,504 11,018
km/h 0 99 135 143 179 218 253 284 303
2021Imola 2020GBR ギア 1(S) 1 2 3 4 5 6 7 8(11,000)
アルファタウリ20(H) rpm 11,146 11,636 11,611 11,625 11,557 11,584 11,468 11,357 11,002
km/h 0 92 129 160 178 220 253 286 304
アルファタウリ21(H) rpm 11,078 11,308 12,019 11,534 11,518 11,506 11,514 11,515 11,010
km/h 0 100 121 150 183 219 252 286 305
フェラーリ20(F) rpm 10,092 11,487 11,143 11,103 11,462 11,537 11,511 11,510 11,014
km/h 0 96 119 154 176 213 247 284 308
フェラーリ21(F) rpm 9,568 10,534 11,242 11,102 11,487 11,474 11,512 11,506 11,002
km/h 0 85 141 147 175 208 248 285 306
ルノー20(R) rpm 11,211 10,793 11,541 11,618 11,419 11,518 11,509 11,493 11,010
km/h 0 94 130 155 191 223 262 299 315
アルピーヌ21(R) rpm 11,170 10,333 11,051 11,559 11,462 11,511 11,507 11,497 11,002
km/h 0 99 132 159 193 226 263 301 317

メルセデスとアルピーヌは変わっていない、レッドブルは3,4速を低めに変更しているが、エンジンの高回転化に伴うものでしょう。

アルファタウリは4速が高くなっている、昨年までは加速重視だったのを5速への繋がりを意識したものになった。

フェラーリは3,5速を低めに変更し、加速重視な方向へ。


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まとめ

昨年のデータはシルバーストン、今年のデータはイモラ、コースの違いはあるがドラックレベルが似たような感じなので、意外といい感じに比較できる状態でした。

F1の場合、速度はリアホイールからとっているものではなく、ピトー管による計測なので、ドラッグレベルやグリップレベルが出力と速度の比例関係を崩します。

 

レッドブルはホンダの高回転化に伴い、3,4速を低めに変更し加速性能をアップさせている。それでいて5,6,7,8速は変わっていないので、パワーバンドが広くなったと考えられる。

2019年も比較したいという方は、こちらのデータを参照下さい。

 

2速については納得がいく検証ができていないので、2速(100km/h以下)から一気に300km/hオーバーまで加速するようなコースで再度検証したいと思います。