2024年シーズンが始まった当初は、今年もレッドブルの一方的な年かと嘆いていました。
しかし12戦が消化した今は何処が勝つのかわからないまでにトップ集団は団子状態になっています。
マクラーレンの躍進は期待通り、メルセデスの躍進には驚きを隠せない。
そしてレッドブルの停滞、フェラーリの迷走はまぁ既定路線かな。
レッドブルRB20の開幕からの不安要素が?!
今年のレッドブルRB20はフロントをがらっと変えた、2年間続けて追従するチームが増えた1枚目ウィングとノーズを離す手法をやめていた。(私的には一番驚いた事)
このスロットの意図は Leading-edge slot wingと同じ、ノーズ下面の気流の剥離を防ぐものです。
以下の動画の8:30から見て下さい。
RB20はスロットがノーズの左右に分かれてしまった。ターン中に左右の流れの強度が変わりノーズ下の流れに若干の乱れが生じていると予想しています。
これによってフロアに届く気流に不確定な要素があるのではないか?
マクラーレンは序盤のアップデートでこのスロットの幅を広げている、メルセデスは今年から導入しフロントウィングの改良と相まって速くなっている。
フロアに真っすぐ届ける気流を重視してノーズやウィングセンターを最下点にせず、持ち上げる手法を使う下位チームも多いです。
ウィングフラップに頼らず(ドラッグの減少とマシン後部の気流を整える為)にノーズ付近でダウンフォースを作るのは難しいです。
開幕からの懸念事項は、ターンインは良くなったけどターンアウトの特に中速ターン(100~180km/h)が遅くなっている事です。(フロント最先端のダウンフォースが増えたけど・・・)
前後にキレのある荷重移動が出来なくなっている事が多い、所謂プッシュアンダーが強いとか、フロントが残るとか、そういった言い回しの感じです。
ここ数戦のフェルスタッペンの乗り方が、ターンイン重視になっているのも気にかかる事です。
過去2年のレッドブルはターンアウト重視、それに繋がるストレートを少し重めのウィングで速かったのだけど・・・いい時と悪い時の差が非常に大きくなっています。
一番わかっているはずのレッドブルですが、最大値を追い求めすぎて色々なところがピーキーになっている。ニューウェイ思想のマシンがニューウェイを失ったら?大丈夫だろうか・・・。
メルセデスW15のフロント改良中
開幕時に比べると随分とシンプルでまともなフロントウィングになったと感心しています。
突然にマシンの様々なソリューションが機能するようになったと語っているメルセデス、フロントからの空力をトレース出来るようになった事が大きい。
フロントアッパーアーム後の取付位置を上下に変更出来ようになっていたが、上の取付位置を選択している。アームの位置を変更して空力を確定させる事は出来ない訳で、上の位置における実走データが機能し始めるのは当たり前でしょう。
良好なフロントからの気流はダウンフォースを安定させる。
フロントインボードサスペンションのレイアウトに若干の変更を加えた、それに対応するためにパネルに凸状の盛り上がりが出来たと解説されている海外記事を見ましたが、真相はまだわからない。
ノーズ内部から空気の流れを調整するようにも見えるが、メルセデスにはノーズ先端付近に冷却口が見当たらない・・・何処に隠れているのだろう?
※パネル位置より考察
元々あったコクピットインテーク
このインテークは使われる事がほぼ無くなっていた、多分空力損失が大きいのだろう。
パネル位置を開けている時と比較できるようにラインを書きました。
ノーズ内部気流を導く、コクピット空冷用パネルでいいのではないだろうか?メルセデスもそう説明しているのだから。
今年のレッドブルの停滞は去年の開発制限が効いてきているのでしょうか?
ただでさえ60%だったものがペナルティでさらに減らされてしまい。
中団チームのほぼ半分の開発時間ですよね。
空力実験ハンデは確実に効いています。
狙い通りに推移してるのではないだろうか。
CFDモデル数までハンデに入れたのは英断でした。
前のCFDと風洞のバランスを変えられる規定だと、こうはならなかったと思います。
2連勝したメルセデスが残り12レース中、さらに勝利数を上乗せ出来るか?
メルセデスW15が全てのサーキットに順応するオールラウンドマシンかの見極めはこれからですね?
はっきり言えばターンが多くなれば遅いマシンです。
オーストリアでは15秒ぐらい離されている、シルバーストンは高速域一辺倒なので予選で危うい車高まで攻めた結果です。
次回ハンガリーGPのコースはメルセデスにとって試練指針になりますね。
このサーキットでも優勝が難しくても表彰台圏内を狙えるだけのポテンシャルを示す事が出来れば収穫大きいです。
フェラーリが低迷していますがシーズン後半に盛り返すまでにレッドブルとマクラーレンの争いに加わってレース面白くして欲しいです。
マックスやノリスよりもラッセルやハミルトンの方がタイトル争いのプレッシャーの影響が少なくて失うモノが無いから
フェラーリはフロア思想が違うので絶望的です。
全体的に低いトンネルに一つのキックポイントで負圧を作るタイプを続けている。
セッティングがシビアすぎ、はまれば速い、車高を上げる(フロアが路面に一番近いマシン)バンピーサーキットで速い、そんなところです。
メルセデスW15の画像でノーズ先端部分に垂直に立っている棒はピトー管だと思いますが、その後方のカバー膨らんだ部分(カーナンバー付近)に立っている細い棒はテレメトリー関連の通信用アンテナでしょうか?
多分テレメトリー全般のデータ用だと思われます。
RB20のフロント周りをRB19のように素直に空気を流すタイプには出来ないですかね?
勿論、そこだけでなく全体を適正化しないといけないのでしょうけど。
今更無理でしょうね、それに彼らは今の仕様を間違っているなんて思っていません。
この見解は正しいとも言い切れないものです。
まだトップ争い出来るパッケージでもあるので、難しいところです。
来シーズン2025年仕様レッドブルRB21がRB20の継続延長モデルとなるか?それともRB19タイプに戻して発展させたモデルに方針転換するか?
いずれにしてもレッドブルRBマシンが性能限界で頭打ち?伸び代も少ない?
今シーズン残り12レースでの戦いっぷり結果で決まってくるかも知れない?
全く新しいコンセプトのRB21を現行レギュレーション最後の1年だけのために準備してくるとは考えられないです。
ライバルのマクラーレンやメルセデスにしても現行モデルを基礎ベースにして来年も戦うと考えるのが妥当ですね。
来年メルセデスW16もプルロッド式フロントサスペンションに変更しないはず?
来年は今の進化系であり、開幕時点でアップデートほぼ終了します。
風洞などを経て現場に来るには2か月かかる、2025年1月1日より2026空力実験が解禁される。
2024年12月に行っていた空力パーツは2月末から3月に投入される。
基本ベース変えてる余裕はありません。
2028年までの長期契約決まっているレッドブルのマックスが2026年から他チームマシンに乗り換える可能性が高いのは常に話題視されていますが
現行レギュレーション最後の2025年から前倒しで他チームマシンに乗り換える事も考えられる(レッドブルRB21でドライバータイトル5連覇出来ないと判断すれば)
しかしながら長年乗り慣れたレッドブルのマシンを捨ててまで他マシンでやり直す事もリスクあるかなぁとも思いました。
その点においてメルセデスのハミルトンが来年からフェラーリのマシンに乗り換えるのは大きな決断でした。
ハミルトンの抜けたメルセデスのシートは空席のまま大物ドライバーのために確保キープされた状態ですね?
ウィリアムズ入りを渋っているサインツがメルセデス拘るのも頷けます。
その意味でもメルセデスW15は、まだまだ伸びる可能性が?
仮にメルセデスW16をマックスがドライブする事になればレッドブルの空きシートはサインツのモノとなる?
サインツとしてはマックス動向次第ですね。
マックスは2025もレッドブルですよ。移籍する意味が無いです。
焦点は2026年ですが、乗ってみてからでもいいのではないだろうか?
あまりにもエネルギーセーブばかりになればF1乗る意味なしとやめるだろうし。
メルセデスにとってもハミルトンの後任選びはマシン以上の重要課題ですが
タイムリミット許す限りマックスへのラブコールは続けると思っていますが?
容易にサインツとの契約応じないのも姿勢の表れだと?
マックスはレッドブルにマシン改善要求のハッパを掛けるためにチーム残留の意志示しながら交渉駆け引きするでしょうね。
2026年次世代PU開発の進捗状況も含めて
時間が解決してくれる事なのでファンとして経過を見守っていきたいです。