12戦を消化しラッセル1勝、ハミルトン1勝と言う結果を残しているメルセデスW15

トップ争いやその後ろに控えている事で勝率が大幅に上昇している。

 

開幕時の間違い、特にフロントウィングを改良してからの躍進には目を見張るものがあります。

そして彼らだけが実行しているリアウィングのソリューションがここにきて威力を発揮し始めている。

どのようなものか確認しておきましょう。

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メルセデスW15の新リアウィング

5月イモラのレースから導入したリアウィングになります。

メインプレートにはほとんど手を加えず、チップと言われる部分(赤丸)を前方にオフセットしている。

 

それまでの形状は以下です。

 

新しい方は、チップとエンドプレートのカット部分が拡大し、より強いボルテックスを作りだせるようになっています。

加えて、メインプレート上面のボール状の凹みを抱え込むようになっており、少ないフラップ面積で効率的にダウンフォースを増やしている。

 

DRS時にはチップだけが残るが、チップ自体は受け流す形状になっておりドラッグが少ない。

シルバーストンのストレートスピード比較

コプス前(DRS off)

  • Mer 310 Fer 307 Mcl 309 Red307

ケメルエンド(DRS on)

  • Mer 325 Fer 323 Mcl 319 Red 325

 

DRSを使えないレースラップのストレートが最速ながらDRSを使った時も最速を維持している。

デルタは15km/hとなりレッドブルより少ないが適度なバランスを保っていた。

 

4チームのフラップやチップをよく見てほしい、メルセデスはフラップ面積が一番少ないのがわかるだろう。それでいてデルタ15km/hは驚異的とも言える数字です。

リアウィングボルテックスの軌道と効果

チップのカット部分が増えると、下面の速い流れの排出が側方へ増加する。

それがボルテックスによってサポートされ、安定したダウンフォースを作り出している。

雨の中見えたボルテックスは側方に広がっている。

リアの上昇乱流を減少させてドラッグの抑制につながります。(L/D比の向上)

 

チップのカット面積の拡大は、今後他のチームで採用されていくだろう。