2021年のF1は、2020年に続いてパワーユニットのスペックアップは許されません。一度だけ許されていましたが、開幕時点で多分全メーカーが使用しています。
開発規制とは、FIAにホモロゲーション(承認)を受けたパーツのみ使用可能と言う事で、アップデートは事実上許されない。基数制限とは封印された箇所を交換する場合に発生します。
何となく、知っていたと言う部分を明確にしてみましょう。
2021年パワーユニット基数制限
- ICE(内燃機関、エンジン)3基
- TC(ターボチャージャー、コンプレッサーとタービン)3基
- MGU-H(ターボチャージャーに直結されたモーター)3基
- MGU-K(クランクシャフトに直結されたモーター)3基
- ES(ERS用バッテリー)2基
- CE(ERS用ECU)2基
- エキゾースト(エキゾーストマニホールド)8基
※MGU-Kは3基のままでした。本来の新マシンレギュレーションなら2基だったので、勘違いしておりました。また、エキゾーストは6基ではなく8基でした。
封印とホモロゲーション(承認)
主要な部分の封印とホモロゲーションの一覧です。
No. | パワーユニット(PU)一覧 | 封印 | 承認 |
---|---|---|---|
1 | ICE エンジン部分組み立て品(カムカバー、シリンダーヘッド、クランクケース、一切のギアケース内のエンジン構成部品) | 〇 | 〇 |
2 | TC 過給構成部品(コンプレッサーとタービン;シャフト、ベアリングおよびハウジング) | 〇 | 〇 |
3 | ウエストゲート、ポップオフバルブあるいは同様の部品 | × | 〇 |
4 | エンジンプレナム入口からシリンダーヘッドまでのPUエンジン空気取り入れ装置(例:プレナム、トランペット、スロットル) | × | 〇 |
5 | エンジン排気システム(留め具&シールを除く) | 〇 | 〇 |
6 | PU搭載燃料システム構成部品(高圧燃料ホース、フュエルレール、燃料噴射装置、貯蔵器) | × | 〇 |
7 | PU搭載電気構成部品(合法容積内の配線、センサー、作動装置、点火コイル、オルタネータ、スパークプラグ) | × | 〇 |
8 | すべてのPU冷却ポンプ、オイルポンプ、スカベンジポンプ、オイル/空気分離器および高圧ポンプ(10barG超) | × | 〇 |
9 | PU合法容積内に入れることが部分的にも全体的にも義務付けられないERS構成部品のための、冷却ポンプ | × | 〇 |
10 | PU主要オイルタンク、キャッチタンク、およびPUに連結される一切のブリーザーシステム | × | 〇 |
11 | MGU-K | 〇 | 〇 |
12 | MGU-K機械動力トランスミッション構成部品および取り付け付属品 | × | 〇 |
13 | MGU-H | 〇 | 〇 |
14 | MGU-H機械動力トランスミッション構成部品および取り付け付属品 | × | 〇 |
15 | ES | 〇 | 〇 |
16 | ERSの配線 | × | 〇 |
17 | CE | 〇 | 〇 |
18 | FIA標準ECU | × | 〇 |
19 | エアフィルターを含みそこまでのコンプレッサー吸気口上流の吸入口 | × | × |
20 | ヒートシールドおよび関連の搭載ハードウエア | × | × |
21 | PU制御のための油圧システムサーボバルブおよび作動装置 | × | 〇 |
22 | タービン排出口とWG排出口を過ぎた排気装置 | × | × |
23 | フライホイール | × | × |
24 | PUとギアボックスの間のクラッチおよびクラッチ作動システム | × | × |
パワーユニットであるエンジンとERSシステムは、ホモロゲーションを受けたものを使用しなければならないが、注目すべし重要なパーツ、プレナムチャンバーは封印されずいつでも交換可能という事です。
基数制限に加えられた、エキゾーストとはマニホールド(タコ足)の事です。チームが用意するタービン排出口以降のエキゾーストは、ホモロゲーションされず封印もされません。
これは結構勘違いしている人が多いかもしれない。ちなみに私も全部だと思ってた口です(笑)
MGU-Hのタービンとコンプレッサーに対するギアは、交換可能ですが回転比を変えているメーカーはなさそうなので、関係ない話かな。MGU-Kのクランクシャフトへのギアや連結部分は交換可能となります。
各部のメンテナンスについて
交換可能なパーツについては、グランプリ毎に新品を使うでしょう。
問題は封印されているパーツですが、パワーユニットを構成するためのパイピングなどは、そのほぼ全てが交換可能となっています。従って、分解し各々の単体パーツにした後に、主に手作業でメンテナンスされます。
封印されたパーツ自体を分解する事はできませんが、エンジンはフラッシングなどを行う事が出来ます。特に排気ガスが当たるパーツは、入念にブラッシングなどを行い、汚れを取り除きます。
目に見える部分、手の届く部分は専用のブラシや布を使い、手作業で綺麗に洗浄する事が出来ます。
こんなに細かく細分化されてたんですね。
私も全部だと思ってました(笑)
メルセデスの膨らみの元になってる、プレナムチャンバーはホモロゲーションはされてるが、同一のものなら交換可能って事ですよね?
形状変えるのはダメって認識であってますか?
レギュレーション通りなら変更不可、ホモロゲされた同一のものなら良い。
メルセデスの新可変吸気が失敗だったら・・・冷えすぎて困ったみたいな噂もあります、今年いっぱい苦労しそうです。
本当ならレッドブルにとっては朗報ですが、それはそれで面白く無いような…
マクラーレンの結果から考えると、そんなにダメには見えませんがね。
ICE、TC、MGU-Hの3点は、年間規定数が同じ3基なのでセットで同時交換するのでしょうか?または組み合わせを変えて使うとか?
セパレート式の場合、TCとMGU-Hはセットと考えています。
今シーズン23戦なので、均等に交換するとして8戦→8戦→7戦、8戦→7戦→8戦、7戦→8戦→8戦のいずれか?
仮に4基目投入する事態が発生したら、昨年のメルセデスのような
残り数レースを待たずに早くタイトルを決めた場合のみ?
最終戦までタイトル決まらない展開だと降格ペナルティはキツイですね。
大体1基目は5戦使った後、金曜日用になりますね。そのあとはハンガロリンクでは土日も使うとかです。
金曜日は2時間になったので大体250km計算、土日は500km計算です。
1基目は上記の使用で、6戦×750=4500kmになり、安全モードのみの金曜日なら+10戦はいける、これで7000kmです。
750×23=17250km
後の2基は5000kmずつ走ればいいので、上手く割り振るとかです。
しかし、3基で23戦はきついな・・。
昨年より6戦もプラスですね。
レッドブルホンダにとって第9戦オーストリアGP(レッドブルリンク)と第17戦日本GP(鈴鹿)が、ちょうど交換タイミングが合ってるのですが、展開によって前倒しになったり先送りになったりするかも知れないですが?
エキゾーストパイプ取り回し変更は、5回可能と言う事でしょうか?
勿論、左右バンクの各エキゾーストパイプで1基扱いですね?
左右全部で6基ですね。
6基もあればやりくりは難しくないと思います。
開幕戦始まったところですが、1基目(1番目)PUを使用している最中に、2基目(2番目)PUは常時バックアップ待機しているのでしょうか?
例えばホンダPUの場合2チーム4名ドライバー分が全て用意されているとか?
ICEはともかく、各コンポーネントは予備として緊急時に備えて準備されていると思うのですが?
どうやってローテーションのやりくりするか?も興味あります。
バックアップは、各チームに1基分は必ずありますよ。
あとはメーカーの匙加減ですが、2チーム以上なら最低4基ぐらいはありそうな気がします。
アルピーヌなら常に2基はあるんじゃないですかね。
MGU-Kがシーズン2基だけと言うのがノルマとしても相当厳しい?
メルセデスがMGU-Kの耐久性上げているか?
ハミルトンが、今シーズンも結果を出しながら(最多優勝と8回目タイトル?)規定使用数だけで乗り切れるか注目しています。
勿論ホンダPU使用するレッドブルとアルファタウリもです。
MGU-Kは3基(2基は19戦以下)でした。
エキゾーストは最初の案が6基だったため勘違いしていました。
スポーティングレギュレーションを確認したところ8基と記載されています。
申し訳ありませんm(_ _)m
素朴な疑問ですが、
現在使用最中のPU(2基目)、すでにローテーションが終わっているがバックアップとして再使用出来る状態にあるPU(1基目)などのコンディションを調べる手段としてX線透視による非分解方法などは認められているのでしょうか?
特にICEのシリンダーヘッド、シリンダーブロック、クランクケースを分解しないでクラックや磨耗状態など劣化具合を調べる事が出来れば降格ペナルティを受けずに済むと思いましたので(分解して封印解いた後に組み立て直して使うとPU使用基数がカウントされるので)
PUの劣化、性能落ち込み具合を
ICEのオイル交換によるオイル分析で調べる手法もあるそうですね?
現在
各PUサプライヤーは、すでに3基目は組み立て済みで常時使用出来る状態で待機しているでしょうか?
それとも
ハンガリーGPが終わった時点でサマーシーズンに入るので、その期間中に3基目が組み立てられて、ベルギーGPからバックアップ用に待機しているとか?
クラックなどはチームが使っているエコーシステムが許されているように、専用の何らかのシステムは必ずありますよ。
オイルは常に分析に回して、金属片などを顕微解析して劣化状態を探るでしょう。
タービンは手回しして回転に異常がないか調べるなどの職人芸も必要だそうですよ。
清掃に関しては結構なんでもありみたいですね、手作業による清掃やフラッシングを行います。
専用の小型カメラなどで内部状態を目視したり、表面解析技術もあるでしょう。
新品予備と中古は常に用意しています。なので3基目の新品は控えています。
但し、更なる信頼性に関わるアップデートが間に合えば、新品予備はパーツ変更されるでしょう。
基数制限は、新規導入する事をFIAへ通知して封印シールを貼って、初めてカウントされます。
2015年のホンダは、1つのGPに3基ぐらい使った事があり、おいおい90年代のFP用、予選用、決勝用かよって思いました(笑)
ありがとうございます。
後はタイミングとフィードバック(1基目の使用状態が2基目に反映、2基目の使用状態が3基目に反映、繰り返し)の問題ですね。
3基目が投入された時点で4基目の準備に入るかどうか?
それとも1基目と2基目でコンディションが良いと判断されたコンポーネント同士の混合組み合わせでシーズンを乗り切るか?
23戦までレースが開催される前提で、終盤18戦~20戦目辺りからローテーションが厳しくなりそうですね。
昨年は開催数が少ないので(減ったので)規定使用数でクリア出来たチームが多かったのですが、今年は?
3基目を使う、4基目の新品も用意しているって事になります。
シーズンで使わなくとも、2年後の2年落ちマシンテスト走行で使うのですから無駄になる事はありません。
ホンダはメッキ技術にかなり自信があるようなので問題無さそう。
ルノーが心配ですね、アロンソのオンボート見てるとレスポンスがすこぶる悪そうなんで、2020年はノリスが4基使ってますし。
この一覧表ですね。
No.1のICE本体が一番気になりました。
それこそ高い位置から地面に叩き落とせば衝撃が加わって歪むとか?になりますが、マシンごと滑りながら最後に止まった瞬間のインパクトが車体全体もですが、PUに与える影響がどれだけのモノだったか?想像を越えます。
フリー走行終了して何事も無く、このまま無事に予選、決勝を迎えて欲しいです。
このハンガリーGPを凌げば、シーズン後半スタートのベルギーGPまで時間のゆとりが出来る?
今回マックスPUの件は別にしてローテーションですが、
開幕戦~第6戦アゼルバイジャンGPまで1基目、第7戦フランスGP~第11戦ハンガリーGPで2基目
ここまでシーズン前半終了。
シーズン後半が始まる第12戦ベルギーGPから3基目を投入し
てヨーロッパ3連戦(続くオランダGP、イタリアGP)に備えてくるか?
※ハンガリーGPの結果次第で変わってくるかも知れない。
第17戦日本GP開催は、まだ正式決定ではないですが決まれば3基目PUが使われるかと思っています。
第18戦以降を最初の1基目、2基目も使って最後まで3基分だけで戦い続けるか?4基目を投入するか?(実際使わなくても準備はする)
色々個人で想定予想したりするのも面白いです。
レッドブルホンダ、アルファタウリのスタッフメンバー方々にとっては頭の痛い事ですが