(HONDA RA619H)

2021年のF1は、2020年に続いてパワーユニットのスペックアップは許されません。一度だけ許されていましたが、開幕時点で多分全メーカーが使用しています。

開発規制とは、FIAにホモロゲーション(承認)を受けたパーツのみ使用可能と言う事で、アップデートは事実上許されない。基数制限とは封印された箇所を交換する場合に発生します。

何となく、知っていたと言う部分を明確にしてみましょう。

Sponsored link

2021年パワーユニット基数制限

  1. ICE(内燃機関、エンジン)3基
  2. TC(ターボチャージャー、コンプレッサーとタービン)3基
  3. MGU-H(ターボチャージャーに直結されたモーター)3基
  4. MGU-K(クランクシャフトに直結されたモーター)3基
  5. ES(ERS用バッテリー)2基
  6. CE(ERS用ECU)2基
  7. エキゾースト(エキゾーストマニホールド)8基

※MGU-Kは3基のままでした。本来の新マシンレギュレーションなら2基だったので、勘違いしておりました。また、エキゾーストは6基ではなく8基でした。

封印とホモロゲーション(承認)

主要な部分の封印とホモロゲーションの一覧です。

No. パワーユニット(PU)一覧 封印 承認
1 ICE エンジン部分組み立て品(カムカバー、シリンダーヘッド、クランクケース、一切のギアケース内のエンジン構成部品)
2 TC 過給構成部品(コンプレッサーとタービン;シャフト、ベアリングおよびハウジング)
3 ウエストゲート、ポップオフバルブあるいは同様の部品 ×
4 エンジンプレナム入口からシリンダーヘッドまでのPUエンジン空気取り入れ装置(例:プレナム、トランペット、スロットル) ×
5 エンジン排気システム(留め具&シールを除く)
6 PU搭載燃料システム構成部品(高圧燃料ホース、フュエルレール、燃料噴射装置、貯蔵器) ×
7 PU搭載電気構成部品(合法容積内の配線、センサー、作動装置、点火コイル、オルタネータ、スパークプラグ) ×
8 すべてのPU冷却ポンプ、オイルポンプ、スカベンジポンプ、オイル/空気分離器および高圧ポンプ(10barG超) ×
9 PU合法容積内に入れることが部分的にも全体的にも義務付けられないERS構成部品のための、冷却ポンプ ×
10 PU主要オイルタンク、キャッチタンク、およびPUに連結される一切のブリーザーシステム ×
11 MGU-K
12 MGU-K機械動力トランスミッション構成部品および取り付け付属品 ×
13 MGU-H
14 MGU-H機械動力トランスミッション構成部品および取り付け付属品 ×
15 ES
16 ERSの配線 ×
17 CE
18 FIA標準ECU ×
19 エアフィルターを含みそこまでのコンプレッサー吸気口上流の吸入口 × ×
20 ヒートシールドおよび関連の搭載ハードウエア × ×
21 PU制御のための油圧システムサーボバルブおよび作動装置 ×
22 タービン排出口とWG排出口を過ぎた排気装置 × ×
23 フライホイール × ×
24 PUとギアボックスの間のクラッチおよびクラッチ作動システム × ×

 

パワーユニットであるエンジンとERSシステムは、ホモロゲーションを受けたものを使用しなければならないが、注目すべし重要なパーツ、プレナムチャンバーは封印されずいつでも交換可能という事です。

基数制限に加えられた、エキゾーストとはマニホールド(タコ足)の事です。チームが用意するタービン排出口以降のエキゾーストは、ホモロゲーションされず封印もされません。

これは結構勘違いしている人が多いかもしれない。ちなみに私も全部だと思ってた口です(笑)

 

MGU-Hのタービンとコンプレッサーに対するギアは、交換可能ですが回転比を変えているメーカーはなさそうなので、関係ない話かな。MGU-Kのクランクシャフトへのギアや連結部分は交換可能となります。

各部のメンテナンスについて

交換可能なパーツについては、グランプリ毎に新品を使うでしょう。

問題は封印されているパーツですが、パワーユニットを構成するためのパイピングなどは、そのほぼ全てが交換可能となっています。従って、分解し各々の単体パーツにした後に、主に手作業でメンテナンスされます。

 

封印されたパーツ自体を分解する事はできませんが、エンジンはフラッシングなどを行う事が出来ます。特に排気ガスが当たるパーツは、入念にブラッシングなどを行い、汚れを取り除きます。

目に見える部分、手の届く部分は専用のブラシや布を使い、手作業で綺麗に洗浄する事が出来ます。