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2022年のF1マシンは大きなベンチュリートンネルを導入した。

キックポイントのストールによるポーパシング問題、ベンチュリートンネルは低い車高で最大の機能を果たすため底が路面に接触する頻度が多い。

この2つが絡み合いF1マシンは過度のバウンシングを起こす。

FIAはこれらの問題を解決する為に、2023年からフロア規定を変更するようだ。

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2023年フロア規定の変更点

  • フロアサイドの高さ Z= 0 ⇒ 25mm
  • キックポイント(トンネルとディフィーザーの境目)の高さ規定導入
  • フロアサイドの柔軟性規定の厳格化
  • 空力バウンスをより正確に測定できる新しいセンサー

 

フロアサイド(赤いエリア)の高さは今年から基準面Z=0と同じになっていますが、2023年からは25mm高くする。

キックポイント(赤の点線)は高さ規定を設ける事で、ストールの防止とチーム間の差を無くす。

 

フロアは負圧によって曲がりサイドに向かうほど路面へ近づく、高くすると柔軟性を利用してフロアサイドを下げて密閉度を上げる事が予想されるので、柔軟性規定を厳しくする。

バウンシング加速度によって失格になる規定が設けられるので、その測定を正確にするセンサーが取り付けられる。

 

 

フロアサイドのY方向とX方向の面積は決まっていない、キックポイントの高さも決まっていない。

もう7月も終わるというのに、このタイミングでレギュレーション変更が強硬されると言う。

 

フロアの柔軟性規定厳格化に対応するには、長いサイドポッドが必要になる。

サイドポッド内に強化部材を付ける事が絶対に必要な事、それによってフロア自体の軽量化が達成できる。

ディフューザーにストレーキ復活

  • ディフューザーにストレーキが一つだけ許される

ディフューザーのストール防止の為、シンプルなストレーキが一つ(左右)追加される。

 

これだけ大きくなったディフューザーにストレーキの一つも許されなかった事自体おかしなことだった・・・。

プランク(スキッドブロック)の柔軟性

ベルギーグランプリから、空力振動メトリック(AOM)が導入されます。

フェラーリとレッドブルはプランクを過度に曲げて、バウンシングを防ぐ又はバウンシングの衝撃を吸収していると噂されています。

 

※この板は木ではなく、グラスファイバーとエポキシ樹脂の混合物であるパー​​マグラスでできています。

 

プランクはマシンの底についている厚さ10mmの板ですが、高速度域においては路面と並行で距離はギリギリで走行しています。

その状態でリアが上昇すれば、前側は路面に接触するでしょう。

前側にはサスペンションやダンパーが組み込まれており、接触による衝撃を吸収出来ます。

 

後ろ側を高速度域でマシン側に曲げるとの噂もある、負圧で路面側に引き寄せられるはずだけど上に曲げるとは?

フロアサイドの曲がりを利用して、てこの原理で中心部を上昇させるのか?まったくもって予想不能です。

 

プランクの柔軟性規定や減りの測定は詳しくわかりませんが、ベルギーから測定方法や位置に変更が加えられると言う。

※プランクの摩耗測定はこちらの説明がわかりやすいかな⇒https://f1i.autojournal.fr/magazine/magazine-technique/technique-f1-autriche-pain-planche/2/

 

フェラーリはプランクを作り直さなければならないと言い、レッドブルは変更の必要が無いと言う。

 

新規定のトンネルフロアはまだ産声を上げたばかり。

マシンの発生するダウンフォースが他車によって左右されにくいものではあるが、色々と足りない部分も多い。

レギュレーションの改正は急を要する案件なのだろう。