2020年第3戦となったハンガリーGP、昔は低速コースなんて言われていたが、今では中速コースと言うのが正しい表現でしょう。
昨年はポールポジションを獲得したレッドブル・ホンダでしたが、開幕から不安定なマシンはここでもその挙動を抑えられずに苦戦、フェルスタッペンをもってしても予選では7位となってしまった。
しかし、決勝では濡れた路面の中、スタートでジャンプアップ、ドライタイヤへの交換も最高のタイミングで2位へ上がるとそのままチャッカーを受けて存在感を示したのだった。
予選タイム差+1.402秒
POS | ドライバー | F | SPD-F | S1 | S2 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAM | 264 | 318 | 26.958 | 25.785 | 20.731 | 1:13.447 | 3 | C4 | |
284 | 262 | 265 | ||||||||
3 | STR | 265 | 323 | 27.119 | 26.103 | 21.155 | 1:14.377 | 0.930 | 3 | C4 |
286 | 262 | 264 | ||||||||
5 | VET | 259 | 312 | 27.472 | 26.288 | 21.014 | 1:14.774 | 1.327 | 3 | C4 |
279 | 259 | 259 | ||||||||
7 | VER | 266 | 320 | 27.262 | 26.351 | 21.236 | 1:14.849 | 1.402 | 3 | C4 |
281 | 256 | 262 | ||||||||
8 | NOR | 263 | 318 | 27.354 | 26.319 | 21.293 | 1:14.966 | 1.519 | 3 | C4 |
281 | 257 | 263 |
雨上がりの予選は走る程にラバーがのり、ラバーグリップの上昇(トラックエボリューション)が凄く、Q1とQ2でC4を2セットづつ使ってしまったフェルスタッペン、Q3では1セットのみのアタックとなった。
しかし、最終アタックができていたとしてもあと0.2~0.3秒縮める事しかできなかっただろう。
ターン手前速度とボトムスピード
SPD | F | T1 | T1B | T2 | T2B | S1 | T4 | T4B | T5B | T6 | T6B | T8 | T8B | T9 | T9B | T11 | T11B | S2 | T12 | T12B | T13 | T13B | T14 | T14B | F |
HAM | 264 | 318 | 101 | 285 | 128 | 284 | 288 | 251 | 163 | 253 | 114 | 221 | 185 | 204 | 174 | 264 | 248 | 262 | 283 | 122 | 228 | 109 | 224 | 151 | 265 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
STR | 265 | 323 | 95 | 286 | 129 | 286 | 291 | 255 | 157 | 250 | 113 | 222 | 182 | 198 | 168 | 264 | 246 | 262 | 285 | 117 | 228 | 100 | 223 | 147 | 264 |
VET | 259 | 312 | 96 | 278 | 133 | 279 | 283 | 249 | 163 | 250 | 115 | 219 | 182 | 202 | 169 | 259 | 249 | 259 | 281 | 126 | 226 | 102 | 221 | 151 | 259 |
VER | 266 | 320 | 94 | 285 | 130 | 281 | 287 | 252 | 159 | 248 | 116 | 220 | 186 | 205 | 160 | 262 | 240 | 256 | 282 | 118 | 228 | 106 | 219 | 147 | 262 |
NOR | 263 | 318 | 96 | 283 | 129 | 281 | 286 | 254 | 163 | 249 | 114 | 217 | 186 | 195 | 168 | 262 | 244 | 257 | 280 | 121 | 225 | 104 | 220 | 145 | 263 |
昨年もこの比較やりましたが、わかりにくいんですよね(笑)
ボトムスピードは全体的に遅いが加速区間でのエンドスピードが高めなことから、ドラッグが少ない=ダウンフォースが少ないと考えられる。
特にドライバーからの無線では、アンダーステア(ターンインしにくい)、オーバーステア(アクセルオンでリアが滑る)、それと予選でラバーグリップが上昇した時には、プッシングアンダー(アクセルオンでフロントが逃げる)などの言葉が発せられています。
ステアリングの舵角に対して一定した円の動きにならない状態。
レッドブルのマシンは、フロントを起点としてリアを他チームよりも動かして、色々な利点を生み出している事が上げられる。そういえば今年のフロントウィング面積減ってるよなぁっと思い確認。
面積減ってますよね?フロントのダウンフォースは少なくなっているような気がする。
ナローノーズに合わせてフロントサスペンションアームなど大幅な変更が加えられている。ステアリングアームはロアアーム一体型から個別にむき出しに、フロントバルクヘッドからステアリングギアボックスがなくなり若干後方へなどなど
あくまで推測ですが、ウィング、重量物であるステアリングギアボックスの位置変更などで、フロントのグリップレベルが下がったのではないかと思う。フロントがしっかりとしていないから、全ての機能が低下、マシン全体の空力を定めるのはフロントなのだから。
トラックエボリューションでグリップレベルが上昇した時に、フロントのグリップ力がリアに負ける「プッシングアンダー」が出た事が一つの鍵になると思います。
決勝タイム差+8.702秒
このタイム差はハミルトンがフリーストップを行ったためであり、最大で27秒の差がありました。あのまま走っていれば28秒ほどの差になっていたはず、単純計算でラップ平均0.4秒差となります。
もし、ハミルトンの3セット目のタイヤがC2だったら、ペース配分を気にする事無くもっと差がついていた可能性があります。
路面のラバーがリセットされた決勝スタート、インターでストロールを追い回すフェルスタッペン、C3ではマシンバランスが改善されレーシングポイントを上回るペースで周回し、C2でも同様な感じでした。
C4で苦戦した予選とは打って変わって、バランスが改善されたのです。しかし、前半戦のC3対決ではLap37までに20秒差をつけられておりラップ平均0.5秒もありました。
アルボンも次々とポジションを回復して5位になっている事からも、レースでは何故かバランスが改善されたが、明らかに全体パフォーマンスでは劣っている事に変わりない。
名手フェルスタッペンの珍事件、「レコノサンスラップでクラッシュしたのに2位!」
フロントウィングと左フロントタイヤをバリアにぶつけるが、アームの損傷は無く、フロントホイールのブラケット辺りを交換してスタート前ギリギリの時間で修理を完了。
スタートで一気に3位に上がり、最終的に2位。
何かピンチになると力が湧き出してくるマックスは本当に凄いドライバーだよね。
アルファタウリに全く触れなていないが、ガスリーがギアボックスのおかしいマシンでをQ3進出させたのは立派でした。
「RB16 Final時のバランス」について
物理的に総重量が増加して走行バランスが向上することはないとのことなので、おそらく、他のチームと比較するとネガティブな影響が少ないという意味だと思いますが、AustrianGP 1stか2nd終えた時のex-F1ドライバー中野信治氏解説(web)に、RB16のFuel tankがfullかheavy時はバランスがそれほど悪くない印象的なコメントがありました。
バルセロナでのテストの時から良くスピンしてましたね。
ロングランでは悪く無いが、一発の速さでは大きく劣る。
縦横Gが大きい時に不安定になるって事は、やはりバランスが悪いとしか考えられません。
マルコが言うように開発失敗なのか?
ホーナーが言うように空力調整で何とかなるのか?
出来れば後者であって欲しいが、それでメルセデスとの大きな差を一気に縮められるとは思えない
気になる揺れるフロントウィング、当初ナローノーズになりステー位置が狭くなったため撓みが大きくなるからと思ってたが、ハンガリーのスロー映像見るとノーズ自体がねじれを起こしバタついていた。サスの違いもあるかも知れんがメルセデスのそれは微動だにしていない。剛性、共振対策や取付方法等、そしてダンパー効果のあるハイブリット構造とか、けっこうな技術が隠されていると思う。ノーズ中心の回転モーメントが生じれば左右のダウンフォースバランスが崩れるよね。RBはシルバーストーンにフロント新パーツ導入するのではないか?サスペンションの改善はとても無理だよね!
RB16不調の主因がノーズからフロントウィングにあり、というのは的を射てそうですね。
RBはナローノーズ導入初年度なので実走経験が少ないのはやむを得ず、実戦からのフィードバックが新型パーツに生かされるはず。。。振動やたわみなどは風洞やCFDでは解析しきれないのかもしれませんね。
昨年度のRB15はオーストリアGPで新型フロントウィングを導入して好調になったのでした。それまではフロントウィングの影響でリアも不安定になっていたはず。この時はフロントウィングからのアウトウォッシュ改善という管理人Jinさんの解説に感心した覚えがあります。
レッドブルRBシリーズ(RB13~)のファンですが、
2018年からのメルセデス(W09からですか?)のフロントサスペンションが、すごく気に入っています。
左右のロッカーアーム連結して、ロールロックする(さらにトーションバースプリングも片側省略して抜いている)
フラットレーキ角採用でメルセデスの手法ですが、
これをハイレーキ角のレッドブルにも取り入れば、と思いました。
レッドブルRBシリーズは、ある程度ロールを許容していますが、
(赤色円筒形状ロールダンパーで制御している)
ロールを規制してフロントを落ち着かせてはどうかなと?
凹凸路面には欠点になりますが、ヒーブユニットで制御。
これまでのニューイ氏が手掛けたマシン(レイトンマーチ881、ウィリアムズFWシリーズ)にノンロールサスペンション(モノショックも含む)が採用されていないと記憶しています。
間違っていましたらごめんなさい。
フロントウイングの揺れ&撓みなどよく観察されてますね。
それを参考にさせて頂くと、エアロ・ダイナミクスの映像で、アッパー・ボディー側の表面にまとわりつく様なフリクションDrag(摩擦効力)を持つ印象のTurbulence(乱流)フローがパーツをバタつかせていました。しかし、それに整流フィンを加えるとVORTEXes(渦巻き)が発生し後方へ吸い取られる様にエアーがフローし、そのパーツの振るえが収まる映像がありました。このため、バタつきUnstable不安定は、おそらくダウンフォース ≒ スタビリティー安定性 ⇨ バランス ⇨ グリップ度に影響を与えているかもしれません。
RedBullだからフロントウイング構造自体は優れた整流効果を導くと思います。次戦迄にその剛性面の改善及びマシンバランスの改善に期待です!
メルセデスとの大きな差は別として、
レッドブル自身が
昨年度RB15との比較(あらゆる面で、総合的にアップデート出来たか?)が、すごく気になります。
プライベートテスト禁止されてるので、
同一条件の比較は出来ないのですが、
RB15、RB16両方をドライブして知っているマックス、アルボン両ドライバーのフィーリングによる解決に期待しています。
何か見落として箇所、忘れ物した点を見つけて出して
改善すれば見違えるように性能を取り戻す事は、過去の事例にも多くありましたから(ウィリアムズFW16の時のように)
プッシュロッドとトラックロッド折れてませんでした?
プッシュロッドのPOUの付け根部分が折れてますなぁ。
トラックロッド(ステアリングロッド)は、折れていたかも?細くて弱そうだし。
なんとなくフロントウイング小さいのは気になってました。
あとやっぱレーキ立て過ぎじゃないかなと。
角度は風洞とは違う実際の最適値みたいなのがある気がする。
まったくの初心者の感想で、皆さんにはついていけてないですが。