2021年F1第11戦ハンガリーGPのホンダ勢は、アルファタウリのガスリーの6位が最高位、角田が7位、フェルスタッペンが10位と言う結果だった。
レッドブルは前半戦の最終2戦で、たったの4ポイントしか獲得していない。
その原因が、ライバルのメルセデスとのクラッシュによるものだと言う事が、チームに大打撃を与えている。
※ベッテルの失格が決まれば一つ順位が繰り上がる。
ハンガリーGP予選タイム差+0.421秒
POS | ドライバー | F | T1 | S1 | S2 | T12 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAM | 258 | 311 | 27.355 | 26.702 | 279 | 21.362 | 1:15.419 | 3 | C4 | |
284 | 256 | 259 | |||||||||
3 | VER | 260 | 312 | 27.505 | 26.953 | 275 | 21.382 | 1:15.840 | 0.421 | 3 | C4 |
282 | 256 | 260 | |||||||||
4 | PER | 261 | 308 | 27.604 | 27.361 | 277 | 21.456 | 1:16.421 | 1.002 | 3 | C4 |
281 | 251 | 259 | |||||||||
5 | GAS | 261 | 308 | 27.839 | 27.104 | 272 | 21.54 | 1:16.483 | 1.064 | 3 | C4 |
278 | 252 | 257 | |||||||||
6 | NOR | 260 | 311 | 27.783 | 26.98 | 275 | 21.726 | 1:16.489 | 1.070 | 3 | C4 |
279 | 255 | 261 | |||||||||
8 | OCO | 260 | 308 | 27.869 | 27.162 | 270 | 21.622 | 1:16.653 | 1.234 | 2 | C4 |
278 | 251 | 257 |
レッドブルはハイダウンフォース仕様で、金曜日に走行を開始したが思ったようにタイヤが機能出来ず、そしてリアが強すぎるのか?アンダーステアに悩まされていた。
土曜日にはミドルダウンフォース型のリアウィングに変更して、メルセデスと同等なストレートスピードを確保した。しかしコーナーの鋭さは無く、タイムは伸び悩んだ。
Q3ラストアタックでは、ピットレーンからハミルトンのスローペースにさえぎられた、アタックラップに入るための渋滞があり、ハミルトンから遅れる事4秒でコントロールラインを通過。
ハミルトンは2秒遅いラップで走り、フェルスタッペンを自らのトウ内である乱流内に誘い込み思い通りのアタックをさせなかった。
しかし、良いタイヤウォームアップとクリアラップがあったとしてもポールポジションは難しかっただろう。
レッドブルは、高い路面温度とソフトタイヤの相性がもの凄く悪かったのが主な敗因と考えられる。また、ホンダパワーがレッドブルリンク時より下がっているとの噂もあるようだ。
ハンガリーGP決勝タイム差+63.614秒
ウェット路面とインターミディエイトタイヤとなったレーススタート。
そして、ボッタスのブレーキングミスによる多重クラッシュ、1位ハミルトンの後方がごそっと消えた。
3,4,5番グリッドだったホンダ勢は大打撃、その後赤旗中断となった。
なんと、角田が5位に上がっていた!
後方スタートだった事で、事故に巻き込まれずに大幅なポジションアップ、入賞は確実だ。
フェルスタッペンは、右バージボードとフロアが損傷したマシンで走る。
我慢、我慢のレースで10位入賞となった。
ガスリーも後方からの追い上げレース、序盤には後方から上がってきたハミルトンを抑え込んだ。
その後、ペースの上がらない角田に追いつき、チームオーダーで順位を入れ替えた後6位入賞。
角田は、ガスリーと順位を入れ替えて2~3秒後方に居る時、乱流で上手く走れないと訴えていた。
終盤にターン3でスピンしたが7位入賞を果たした。
フリーストップを得られたガスリーは、最終周にファーステストラップを成し遂げ、貴重な+1ポイントを手にした。
これはハミルトンから奪う形であり、チャンピオンシップに関わる重要な仕事だった。
まとめ
レッドブルは、予選で1列目を確保出来なかった事がそもそもの敗因の一つである。
得意のフロント寄りなグリップバランスを確立出来なかった。最大ダウンフォースを使う市街地路面であるモナコでは、そんな様子は無かった。
最大ダウンフォースのリアウィングを使う、リアが強くなる、フロントのグリップが足りなくなる。
フロントウィングは、既に3バージョン目ぐらいの改良が施されている。最近では、Y250エリアの付け根部分で路面側に凹みを作る改良をしていた。
ハイレーキの利点のひとつは、ターンイン時にフロントウィングを路面に近づけて、グランドエフェクト効果を発生させる事。
メインプレートを路面から離す方向性が多い改良、路面に近づく面積が減っている事が気がかりではある。
憶測の域を出ないが、フロアを生かすためのY250ボルテックスの強化やアウトウォッシュの増加、それにより本来のフロントウィングの力を失ったとなれば大問題だろう。
単純に熱い路面温度に対して、ソフトタイヤの作動温度を合わせられていないとも思われるが・・。
ホンダパワーが下がったとの噂もある、ハンガロリンクはダウンフォースとドラッグを打ち消すパワーが必要な、ある意味パワーサーキットです。
熱効率が悪くなれば、ERSエネルギーの収穫も悪くなる。気温や熱い路面に左右されやすい空冷インタークーラーの容量を間違ったのかもしれない。
ペレスの2基目はボッタスのサイドからのインパクトで壊れ、冷却系がちゃんと機能していなかったフェルスタッペンのマシンは、新品3基目に損傷を負わせた可能性も浮上。
レッドブル・ホンダに不穏な空気が漂っている。
フェルスタッペンの2基目ICEのクラック、カメラやエコー検査で確認できなかった微細なもの。
4時間ほどの高不可走行で現れた。
エンジンブロックは前2、後4でボルト固定
ヘッドカバーは前4、後2でボルト固定
ヘッドカバーと言うとカムシャフトカバー兼用で見慣れたV字型アームで前方の2点(両バンクで4点)がモノコック結合用マウント、後方の1点(両バンクで2点)がギヤボックスケーシング結合用マウントですね。
エンジンブロックの結合マウント部は見えないですが、一番底のクランクケース部分に設置されていると思いますが?
クラッシュして衝撃した瞬間の物理的力が、車体とPUとギヤボックスケーシングの結合部分に、どんな負荷(捻り剛性)が作用したか?
微細なクラックでも動的過重で傷口が拡大するように成長して怖いですね。
直接PUにモノが当たっていなくてもモノコック側、ギヤボックスケーシング側から振動や衝撃が伝わってマウント部分に過大な負荷が集中してヒビ(クラック)が入った?と考えられる。