2019年第5戦スペインGPはフェルスタッペンが開幕戦以来の3位表彰台、ガスリーは最近の安定的ポジションである6位、クビアトは予選順位を守る9位、アルボンは惜しくも2戦連続の11位となっている。
予選タイム差+0.951秒
ベストラップ時の主なデータは以下です。
POS | ドライバー | F | SPD-F | S1 | S2 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | BOT | 288 | 319 | 21.488 | 28.040 | 25.878 | 1:15.406 | 3 | C3 | |
283 | 303 | 288 | ||||||||
3 | VET | 292 | 326 | 21.284 | 28.377 | 26.611 | 1:16.272 | 0.866 | 3 | C3 |
294 | 294 | 286 | ||||||||
4 | VER | 287 | 316 | 21.761 | 28.274 | 26.322 | 1:16.357 | 0.951 | 3 | C3 |
290 | 300 | 283 | ||||||||
6 | GAS | 285 | 315 | 21.921 | 28.429 | 26.358 | 1:16.708 | 1.302 | 3 | C3 |
286 | 297 | 284 | ||||||||
9 | KVY | 286 | 324 | 21.802 | 28.739 | 26.702 | 1:17.243 | 1.837 | 2 | C3 |
287 | 302 | 285 | ||||||||
12 | ALB | 285 | 324 | 21.796 | 28.801 | 26.848 | 1:17.445 | 2.039 | 2 | C3 |
288 | 304 | 285 |
決勝タイム+7.679差
フェルスタッペンはスタートでタイヤをロックしたベッテルを早々にパスして3位にポジションを上げた、アルボンはスタートで10位へポジションアップ、ホンダPU勢4台が序盤早々に入賞圏内での走行へ。
序盤はボッタスから付かず離れずのペースで走ってたフェルスタッペン、Lap5あたりからトップハミルトンが逃げに入ると、ボッタスもペースアップして一気に突き放されてしまった。後ろにはベッテルとポジションを入れ替えたルクレールが迫りつつある状況。
Lap20終了直前
プラクティス2で大きなデグラがあったS(C3)、この決勝では問題無く走れてピレリが示した20周超えが容易であった。ハミルトンはLap20でファーステスト更新している。
フェルスタッペンはここでピットイン新品Sへ交換する。クビアトはLap21終了時点でMへ、ガスリーはLap22終了時点でMへ、アルボンはLap25終了時点でMへ
フェルスタッペンの相手はHに交換して最後まで走るであろうルクレールだった、Lap43終了時点でMへ交換して追撃態勢となり、さぁオーバーテイクしようぜと思っていた矢先ストロールとノリスがターン2で絡んでコースアウト、セーフティーカー出動となってしまった。
SC直前Lap45終了時点(ガスリーまで)
ボッタスはハミルトンを追うのを諦めファーステスト狙いのSへ交換している。フェルスタッペンはルクレールの後方1.3秒まで迫っている。ラップタイム差は1.8秒もあり、何周か攻めればオーバーテイクは可能だろう。
ハースとトロロッソは硬直状態でラップタイム通りな順位、アルボンはサインツに13秒差をつけており10位は確定的という状況だったのだが、トロロッソはセーフティカー中のピットインでミスがあり2台ともポジションダウンしてしまう。
Lap53からレース再開して、クビアトはサインツにパスされ10位、その後ろにアルボンとなっている。
ガスリーはマグヌッセンに並ばれたがなんとか抑えきった。
Safety car in – and the battle is on ⚔️#SpanishGP 🇪🇸 #F1 pic.twitter.com/bLjoL5G3Ba
— Formula 1 (@F1) 2019年5月12日
7位だったグロージャンがマグヌッセンにパスされ8位、しかしアップデートマシンであるグロージャンのペースは速い、チームメイトに対して全くラインを譲らないマグヌッセン、グロージャンは3度のターン2カットラインを走行して、タイヤを痛めたのかマシンを痛めたのかわからないペースダウン。
サインツにパスされたグロージャンをLap61のターン1でクビアトがパスして9位へ復帰、その後アルボンもグロージャンを攻めるが決め手を欠き11位でチェッカーを受けた。
フェルスタッペンはレース再開後ボッタスに突き離されたが、ベッテルを見事に抑えきり3位表彰台。この終盤のMではフェルスタッペンの方がベッテルより若干速いペースだった。
クビアトは3度のオーバーテイクを決めている。
We saw some mega moves from @kvyatofficial on Sunday
Here are three of the best 👏 👊#F1 🇪🇸 #SpanishGP pic.twitter.com/7Y7qNMgMx5
— Formula 1 (@F1) 2019年5月12日
まとめ
今回レッドブルはダウンフォースを多く発生するフロントウィングに合わせてリアウィングは大きめなものを採用している。ダウンフォースのバランスを最適化するのが狙い、しかしドラッグは大幅に増加してストレートスピードは遅い。
ドラッグレべルは今回メルセデスと同等だったと思う、若干足りないパワー、そして大幅に足りないフロアダウンフォースによりコーナーの特にボトムからターンアウトにかけて離されてしまう。
レッドブルのフロントウィング翼端板付近フラップは。メルセデスのように空気を抜く処理がされていない。これはアウトウォッシュの発生量が少ない事を意味します。高レーキ角マシンはアウトウォッシュやY250ボルテックスでフロアの負圧漏れを守らねばならないため、このような差が出来ていると推測できます。
バルセロナテスト初日のガスリー車
翼端板後方をカットしてます。フラップが飛び出してしまっていますので、これでは本戦は走れません。
ニューウェイ先生は何が足りないか気づいてはいるんです、しかしデザイン変更には各部の調整が必要になりますので、おいそれと投入できない現状、スペインではダウンフォースの前後バランスの最適化が終わったと言うところでしょう。
完全Bスペックとなると夏休み明けとなるのだろうか?
次戦得意とされるモナコ、低速域ダウンフォース総量で負けている現状、メルセデスより若干短いホイールベースで最小回転半径は上回る、総合的に見ても勝てる要素がないんですよねぇ・・。
戦前の予想では、レッドブルはイタリアタイプのフロントウイングを採用すると見られていました。アウトウォッシュが足りないのは誰の目にも明らかです。焼き付け刀だとしても試す価値はあると思いましたが実際は、やってこなかった。イタリアタイプを採用するメリットよりデメリットのほうが大きいと考えたのでしょうか?それとも、イタリアタイプより良い答えが見つかりそうなのでしょうか?
この5戦を見る限りトップチーム間の争いでは、フェラーリのドラッグ削減高効率型は弱い。
レッドブルやメルセデスのダウンフォース強化の方がレースペースでも良い兆候です。
実はこの現象はミッドフィールドでも再現されていて、ダウンフォース型のハースが速かった、効率型のトロロッソやマクラーレン(サインツのみフェラーリ型FW)は負けた。
ザウバーは勝負にもならなかった。レーシングポイントやルノーは未だに迷走中。
モナコはタイヤが違う事が唯一の期待出来るところ。
あとはサーマルデグラデーションがC4、C5に出るのかどうか。
バクーではC4で出たんで戦略的にはC5→C3が安全?
バクーはローダウンフォースですから、モナコを当てはめる事はできないでしょう。
最大値のダウンフォースで路面にタイヤを押し付ける事でホイールスピンを減らします。
無用な熱の発生は抑えられるはずですけど、今年のタイヤは全くわからないですね。
ストップ・ザ・メルセデス!
レッドブル・ホンダ・フェルスタッペンがここで止めたら1992年のマクラーレン・ホンダ・セナを思わせるなぁ。