2022年は左右リンク式油圧(流体媒体)ヒーブサスペンションが禁止された。
低速域ではハイレーキになり高速域ではローレーキになるリアサスペンションのコントロールが出来なくなりました。
ばねレートは一つのサスペンションに対して一つしか許されなくなり、荷重量(ダウンフォース量)でヒーブサスペンションが伸び縮みする為、車高は一定に変化するはずでした。
しかし、レッドブルは主に低速域だけでレーキが付いた状態(リアが高い)で走行しています。
低中速域ではドラッグを伴ってもダウンフォースが必要なため、小さなレーキ角でも効果は絶大です。
左右リンク式ヒーブサスペンション
ヒーブサスペンションはトーションバーを支点として、左右のロッカーに挟まれる力で縮みます。
この動画が非常にわかりやすいの見て下さい。
ヒーブが無ければトーションバーが荷重とタイヤと路面の振動の全てに対応しなければならない。
ヒーブが荷重の大半を受け持つ事でトーションバーに余力が生まれ、タイヤと路面の振動を吸収する事が出来る。
レッドブルのリアサスペンション
左右のトーションバーの回転を支える位置にあるヒーブサスペンションが小さいです。
(ストロークセンサーが付いている事がばね要素のサスペンションである事の証明になります。)
左右のロッカーに挟まれる位置にはダンパーしか見受けられない。
比較用フェラーリのリアサスペンション
フェラーリのヒーブサスペンションはしっかりと太さもあり大きく、1000kg以上のダウンフォースが発生するリアの荷重に耐えられるものでしょう。
レッドブルの細く小さいのは明らかにおかしいのです。
レッドブルのダブル・ヒーブサスペンション考察
上の画像を見てわかる通り、ロッカーの付き方やその他のパーツの位置などを考慮すれば、①ヒーブサスペンションは低荷重によって縮むものと推測出来ます。
低中速域においてレーキ姿勢を作る為のもので、コーナーを立ち上がって荷重移動によるGとダウンフォースの増加で直ぐに縮んでしまうもの。
それでは、中・高荷重領域ではいったいどうしているのだろうと疑問が湧いてきます。
トーションバーだけに頼っていては、速度の二乗に比例して増加するDF荷重に耐えられないだろうし、何よりもしなやかで路面への追従性のあるサスペンションにはなりえません。
②ヒーブサスペンション?があるんです。
過去のF1カーは、アンチロールバーの連結部分にヒーブサスペンションを組み込んでいるものがあります。
2010年フェラーリのリアサスペンションレイアウト
レッドブルRB18のアンチロールバー付近を拡大してみます。
アンチロールバーを回転させるためのバーが、ただの棒には見えません。
これは、皿ばね(ベルビル)が使われているサスペンションだと思われます。
解像度が低くてはっきりとは見えませんが、十中八区間違いないでしょう。
- ①ヒーブサスペンション:ばねレートが低く、低荷重領域で伸び縮みする(レーキ姿勢用)
- ②ヒーブサスペンション:ばねレートが高く、中・高荷重領域で伸び縮みする
※①と②は逆の可能性もある。
一つのホイールに対して3つのばね要素を持ったサスペンションと言う事です。
これによってレギュレーションで禁止されている、一つのサスペンションに複数のばねレート(非線形レート)を使ってはいけないと言う部分を回避。
荷重による一定の車高変化のみならず、低荷重領域(低速域)においてレーキ姿勢を作り出せると考えられます。
※追記:考察
②ヒーブサスペンションでは無くアンチロールバーのロール調整サスペンション機構だと、とある現役エンジニアに答えて頂きました。
となるとトーションバー自体が第2ヒーブ機能を担っている可能性が高まります。
F1メカに詳しい専門家であるCraig Scarborough氏は、トーション・ヒーブ・スプリング と言う言葉を使っています。
①ヒーブはスロットル荷重移動程度で簡単に縮むもの、その後のダウンフォース増加荷重ではトーションバーが荷重を受け持ちます。
そしてトーションバーが限界荷重で動きを止めても、ロールバーリンクの②サスペンションが機能するみたいな感じになるかもしれません。
ロールバーリンクサスペンションが、どのように動くのかは謎すぎて解明不能です。
このような画像をツイッターで共有してくれるニコラスさんには感謝の言葉しかありません。
いつもありがとうございます。
>一つのサスペンションに複数のばねレートを使ってはいけないと言う部分を回避
これ回避になっているんでしょうか?
アンチロールバーのロッドに弾性を持たせただけだからOK! …なのかな?
1.走っている以上はレギュレーションで合法となり。
2.FIAが求めたものと違っていても、解釈の違いが認められ合法になる事もある。
仰る通り、ただの弾性をもったアンチロールバーだとしてレッドブルは主張しているかもしれませんね。FIA が一度レッドブルのサスペンションにチェックに入ったのはこれのことなのかも。
アンチロールバーとロッカーを繋ぐバーは、金属製しか見た事がありませんでした。
テストでチェックされたのは多分ここでしょうね。
これ直ぐに真似されそうですね
理論的にはわかるがスペースや重量問題で簡単ではない(メルセデスエンジニア談)
フェラーリと見比べてもパーツが多い事から、これを再現するにはギアボックス内部だけではどうしようもないでしょう。
プッシュロッド化が絶対条件です。
レッドブル「これ(皿バネ)はトーションバーです♡」
トーションバー=バネ なので
「これはロッド(棒)です♡」が正しいかと
これは「ありがとうございます♡」
ニューウェイのコンセプトを具現化出来るレッドブルの技術力が凄いですね。
グラウンドエフェクトカー規定の2年目で
来シーズン2023年アルファタウリAT04のリヤサスペンションは、
2022年レッドブルRB18のギヤボックスケーシングを受け継いで
プルロッド式からプッシュロッド式に変わるでしょうね?
あとフロントサスペンションがプッシュロッド式のままかどうか?
フロントとリヤの両方にプッシュロッド式の組み合わせになれば、
アルファロメオと同じになりますね?笑
フロントにプルロッド式を使うレッドブルとマクラーレン以外に新規採用してくるチームマシンが現れるかどうかも?
AT03は今現在RB18と同じギアボックスとリアサスペンションですよ。
問題はフロントのステアリングシステムが2021年製なので、フロントサス周りは完全な独自だってところです。
これをRB18から受け継ぐのでAT04はフロントがプルロッドになるでしょう。
ちぐはぐな足回りなため、不安定になっているとも言えます。
低速域レーキを使ったって生かせない、サイドポッドだって開幕時のままですからね。
今年は早々に諦めているんです。
リヤは同じだったのですね。失礼
アルファタウリAT04のフロントがプル式に変更でモノコック自体も変更になる?
ガスリーがアルファタウリを去って新しいドライバーが加わるので、AT04モノコックも新造される(レッドブルRB18ベース)でしょうね。
フロントとリヤが共にプル式と言う組み合わせのチームマシンは
1つも無いですが、
メルセデスW14が採用してくれると話題性が有って面白いですが、
「ゼロポッド」と組み合わせして?
フェラーリ、フロントのプッシュロッド式は継続するでしょうね?
プルロッド式に路線変更するとは思えないです?
メルセデスが来年も 縦ポッド だったら腹抱えて笑います。
フェラーリのリヤサスペンションは、
トーションバーの頭頂部分を左右でガッチリ連結固定していますね?
でも連結しているブラケット(プレート?)が一体構造では無く左右で分かれていて真ん中中央部分(2枚重なってオーバーラップしている)を2本のピンで止めているみたいなので完全にロックさせてはいない?
フェラーリはプルロッド式なのでトーションバー上側が固定端になっているので分かるのですが各トーションバー独立させて固定では無く左右を連結するとは?
何か意図的な狙いがあるのでしょうか?
リアトーションバーを支えている部分はフリー回転です、これは常識だと考えてください。
二つのロッカーに荷重が加わりヒーブ縮んで車高が下がる⇒その状態を保ったまま左右をシーソーのように動かします。
車体はブレずに足回りだけがパタパタと動いで片側バンプをクリア出来ます。
車体が傾こうとするとアンチロール機構が動作します。
ありがとうございます。
トーションバーがフリー回転するのは理解出来るのですが、
その回転方向ですが左右が同一方向に回転するとロールしてしまいますね?
左右が互いに逆向き回転だとロールしない?
同一方向の回転を規制するためにトーションバーの先端部分を連結したのかとも思いました?
昨年までのメルセデスがフロントサスペンションに使っていたロールロック機構をリヤサスペンションにも応用したような?
アンチロールバーがありますのでロールしません。
ロールとは?
車体が回転しようとする事です。横方向の荷重移動と言う考え方が正しいでしょう。
瞬間的にタイヤの片側が上がり反対は下がる、これは荷重移動では無く、路面側からの衝撃を逃がすものです。
F1サスペンションを考える時は、マシン側からの力(荷重の増減)、路面側からの衝撃を分けて考える、それぞれに対するサスペンション機構になっているのです。
RB18がW13、F1-75に比べ低速コーナーでレーキ角を保持してる様子が分かる比較画像を送ります。
(※ものさしはすべてRB18の長さです)
メキシコGPのターン2の出口で速度は100km前後だと思います。
RB18だけレーキ角がきついです。2,3cmくらいリアが高い感じですかね。
https://i.imgur.com/Nmq4rf8.jpeg
これは日本GPの写真ですがピット出口で待機中の画像です。
RB18とW13はほぼ同じレーキ角でF1-75はやや緩いです。
また、RB18はコックピットが最も後方に位置してるのが分かります。理由は何でしょうか?
https://i.imgur.com/1QWkgXZ.jpeg
ロードラッグで直線スピード重視の車体は低速が遅くなりがちですがそこを低速時のみレーキを保持することで補うという弱点のないクルマを設計したニューウェイさんやばいです。
サバイバルセルの寸法は全車共通ですが、フロントアクスルはサバイバルセル先端から10cm後方までの間との規定があります。
3.4.3 フロントホイール位置
平面XF=0は、XA=100より後方であってはならない。
F1マシンは基本的にフロントタイヤを出来るだけ前方にして乱流を遠ざけるのが普通ですが、ホイールベース規制によってフロアを長くするためにコクピット寄りにしたのがメルセデスです。
これによって荷重移動の観点から、メルセデスやフェラーリはターンインが得意になります。
但しフロント周りの空力がタイトになり、エアロアームなどで制御する必要があります。それはドラッグを伴うものです。
レーキ状態を確認するにはターンイン時がベスト。
画像になる事はほとんどありません。
シケインなどで横から撮っている動画の比較がいいのですが、いい角度に出会う事は難しい。
改めて見ると、このサイドビュー比較画像は素晴らしいです。
色々な事がわかりますね。
スレ違いですみません。
既にご存知かもしれませんが、ホンダのPUは昨年の時点で既にカーボンニュートラル燃料(100%では無いでしょうけど今年からのE10どころでは無い)だったようです。
浅木さんが先取りしたかった。と言ってますが、先取りとかってレベルでは無いような(笑)
凄過ぎるんですけど!
https://news.yahoo.co.jp/articles/1fc47a9d7ddaad219fe9dbd394c14949a8dbf71f
ホンダF1のテクノロジーの中で58.5%だと記されています。
ホンダがどのような事をしたのかわかりませんが、基本的に天然由来との合成でしょう。
合成する時の電力は再生可能なものを使用すれば排出量は増えません。
やり方によっては、完全な石油由来なのにお金で排出量を買うなどの裏技が存在する。