夏休み明けの第14戦ベルギーGPでレッドブルは大体にもエンジンカバー形状を大きく変更してきました。
イギリスGPで大きく絞りこんだところをやめて、初期モデルよりもヘイローの付け根辺りから丸く盛り上がるようになっている。
チームのアップデート説明によればクーリングの改善だが、追加の効果としてコクピット乱流を制御してボディ表面の流れを安定化するものと考えられます。
フランスGPから使っているフロアフェンスの形状も明らかになっています。
レッドブルRB18:エンジンカバー(サイドポッド含む)
ヘイローの付け根、コクピットのヘルメットガード部分から表面を盛り上げて、丸い帯状の形状がリアのコークボトルへ繋がっています。
インダクションポッドのデッキ状になったアウトレットは少し小さくなっている、サイドポッドの上面から側面に下る凹みは手前に移動、ミラーを覆うフィンが大きくなっている。
サイドポッドとエンジンカバーの繋がる表面は初期デザインよりも盛り上がっています。
ボディは出来るだけ絞り込むのが昨年までの通例ですが、今年からはボディを使って流れを方向付ける事が必須となっています。
サイドポッド前やフロアエッジに昨年まであったボルテックスジェネレーターは使用出来なくなっており、ボディになだらかな凸凹を付ける事によって代用しています。
ボディの空気の流れ
この動画の14:00からスロー再生すると、コクピット周りで発生する乱流、ミラーの乱流などの流れがわかります。
レッドブルRB18:フロアフェンス
フロアフェンスは第12戦フランスGPで今の形状になっています。
これまでの大きな違いで言えばバージョン4と言ったところです。
前方上部の高さはこれまでで一番高い位置にあり、フロア底面へ導く空気量を増加させています。
エッジウィングのすぐ隣にあったストレートなフェンスは移動、他チームと同様にフロアサイドまで繋がるものになっています。
これによってフェンスと路面の間で発生する負圧が増加するでしょう。
レッドブルの場合フェンスは、フロアエッジをシールするボルテックスを作る為に最大化されています。
フェンス全体(フロアの前部)の収縮角度が浅い、フェンスの曲率が浅いため大幅な負圧の増加は望めないが、フロアエッジボルテックスシールを生かしつつ、フロント寄りのダウンフォースを少しでも増加させるための改善だと思います。
まとめ
レッドブルRB18は、とにかく空力効率の良いマシンです。
ドラッグを増やさない為のデザインがいたるところに存在し、それでいて安定したダウンフォースを作っています。
今回のボディ形状変更によって、ほぼほぼ完成の域に達したと私は思っています。
イギリスGPで急激に絞ったボディ形状に違和感を感じていました。
今年のレッドブルは全体的に急角度になる流れを使っていなかったからです。
急な角度の流れの変更があるとその場所に無用な高圧ゾーンや低圧ゾーンが出来てしまいます。
コクピット周りがその典型的な例になります。
RB18はフロントウィングから始まり、ノーズ、サスペンションアーム、サイドポット形状、アンダーカット形状、どこをとってもなだらかな曲線を描くデザインになっています。
空気の流れに対して「自然な形」と言うのがしっくりくる言葉かと思います。
RB16Bのバージボードで見られた鳥の翼のようなデザイン。
自然界に存在する鳥類・昆虫類・魚類など、何らかの流れの中で生きる生物的なデザインが、最近のレッドブルで多く使われていると感じています。
流れを強制的に変えるボルテックスジェネレーターや整流ウィングの排除が、ここまでの美しさを作りだすとは全く予想できませんでした。
平らな面が少なくてスポンサーロゴ貼りにくいですねw
シーズンが進むにつれてレッドブルRB18とマックスの活躍が際立っている反面、ペレスのパフォーマンスがシーズン最初の頃と比べて下降しているのが気になります。
ベルギーではマックスに圧倒的差を付けれての2位フィニッシュでしたが、シーズン後半から予選でも置いてけぼりが目立ちます。
マックスに差を付けれるのは仕方無いとしてもフェラーリやメルセデスに対して圧倒的有利な状況でも無い?
今のところフェラーリのルクレールとランキング2位争いをしていますがモナコでの優勝に次ぐシーズン2回目の勝利が欲しいですね?
やはり狙いは地元メキシコでの初優勝でしょうか?
レッドブルは誰もが乗りやすいマシンよりも、速く走れるマシンにしていくチームです。
速度域の上下動やロールを使ってメカニカルグリップによる粘りを作るマシンなので、荷重移動による姿勢制御が問われる。
それを直ぐに理解できるマックスとの差が大きくなっていると思います。
なるほど。
よく勘違いしてしまうのですがRBマシンがマックス専用だと言うのは間違いで、マックスとペレス共に与えらるマシンはイコール。
マシンへの順応性理解度が明確な差を生んだと言う事ですね。
年間通じて安定した成績を出すマックスとレース毎に成績にバラツキがあるペレスの違い?
例えメキシコまでにマックスがドライバータイトル2連覇を決めたとしても決して手を緩める事なく残りレースを全勝する意気込みでしょうね?マックス自身の最多優勝記録更新も目指して!
マックスが優勝を譲るとなれば別ですが、ペレス自身がパフォーマンス上げていかないとフェラーリやメルセデスに優勝を奪われる事も?
マックスとペレスで新旧違うフロアを使うと言ってましたね。
これはペレスが少しでも慣れた方をペレスが使うって事でしょう。
コンストラクターでもチャンピオンとる為にはペレスにも頑張って貰わないと行けませんからね。
アップデートされていく中でマックスが2戦使った仕様をペレスが使っています。
フェラーリのようにフロアエッジ後方にカットが入ったものです。
空力的な違いはよくわかりませんが、フロアは密閉してなんぼ、カットがある事は少し負圧が減るかも?
強めの渦流を作るはずなので、車高が上がった時の密閉性は高まる。
ベルギーGPのレッドブルのカウルはルーバーレスですよね?
今年のクルマでルーバーレスなのは初めて見た気がします。
カウル形状の変更によりルーバーレスにできたのであれば、クーリングの改善になり、同時に整流という意味でも改善なんでしょうね。
イタリアGPのドラッグ軽減にも役立ちそうですね
ルーバーはデッキ部分にほんの少しあります。
このデッキはコクピット乱流の上部分をまとめる働きがあり、リア周りの流れに与える影響を固定化する事ができます。