2021年F1スペインGPでのホンダ勢は、フェルスタッペンが2位、ペレスが5位、ガスリーが10位、角田がリタイアとなった。
フェルスタッペンはスタートを決めてホールショットを奪ったが、ハミルトンにピットストップ戦略とタイヤ摩耗差を利用されオーバーテイクされてしまった。
悔しい2位となったが、ファーステストラップを獲得してポイントダメージを最小限に抑えている。
スペインGP予選タイム差+0.036秒
POS | ドライバー | F | T1 | S1 | T9 | S2 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre | T9backoff |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAM | 284 | 316 | 21.798 | 266 | 28.543 | 26.400 | 1:16.741 | 3 | C3 | 0% | |
288 | 305 | 285 | ||||||||||
2 | VER | 285 | 316 | 21.759 | 263 | 28.723 | 26.295 | 1:16.777 | 0.036 | 3 | C3 | 0% |
288 | 305 | 284 | ||||||||||
4 | LEC | 282 | 318 | 21.880 | 261 | 28.822 | 26.808 | 1:17.510 | 0.769 | 3 | C3 | 3% |
287 | 302 | 278 | ||||||||||
5 | OCO | 285 | 320 | 21.861 | 260 | 29.087 | 26.632 | 1:17.580 | 0.839 | 3 | C3 | 10% |
286 | 304 | 286 | ||||||||||
7 | RIC | 286 | 318 | 21.773 | 265 | 29.067 | 26.782 | 1:17.622 | 0.881 | 3 | C3 | 20% |
286 | 303 | 285 | ||||||||||
12 | GAS | 282 | 312 | 22.037 | 262 | 29.002 | 26.943 | 1:17.982 | 1.241 | 2 | C3 | 0% |
287 | 306 | 284 |
Q2でのフェルスタッペンは、ただ一人16秒台に入り、これはぶっちぎりでポールポジションかと思わせたが、Q3のファーストアタックでハミルトンが逆転した。
カタロニアサーキットはラバーグリップの上昇が激しく、徐々にメルセデスに合った路面へ変化していった。レッドブルは100km/h以下の低速コーナーでは、無類の強さを発揮するがターン10の改修によって、得意コーナーが減り、わずか0.036秒差でポールを逃している。
このテレメトリーデータからわかる通り、中高速コーナーの切り替えし、ターン7,8,9が異様に速いハミルトン、フェルスタッペンはセクター3、特に最終シケインの出口が飛びぬけて速い。各マシンの特性が色濃く出た予選となった。
今回はターン9のスロットルを戻す(backoff)の状況を追加欄に%で表してみました。
ハミルトンが266km/hのフルスロットルで曲がっている、フェルスタッペンもフルスロットルだけど手前のターン7,8が遅いためにセクター2タイムが伸びなかった。
ガスリーもフルスロットルだが、最高速の遅さからもダウンフォースが強くドラッグも多い。
驚きなのがルクレール、本当にほんの一瞬だけ戻して抜けている。
スペインGP決勝タイム差+15.841秒
スタートを決めたフェルスタッペンがトップに立つ!
ちょっと強引なラインだったけど、おかげでペレスが2ポジションアップして6位、ガスリー13位、角田17位でアルファタウリの2台は一つづつポジションダウンしていた。
8周目のターン10、角田に燃圧トラブルが発生してリタイア。
19周目、身動きがとれないため、早めにピットへ入ったガスリーはミディアムへ、5秒ペナルティを消化して19位で復帰。
トップ争い、タイミングを計っていたフェルスタッペンは、25周目にピットへ滑り込む、タイヤが完全に用意されていない状況でストップタイム4秒もかかってしまった。
しかし、ハミルトンを1周半抑えたマゼピンのおかげで、その差21秒に留まることが出来た。
28周目、ペレスはミディアムへ、リカルドとサインツの間8位でコースへ戻った。
29周目、ハミルトンは17秒差まで詰められたところでミディアムへ2位で戻った。5秒差でフェルスタッペンを追うハミルトンは新品タイヤの利点を生かし一気に差を詰めてくる。
フェルスタッペンの前には、バックマーカーマゼピンが出現、32周目に乱流圏内に入るとみるみるとペースダウン、33周目のターン10まで付き合わされた結果、フェルスタッペンとハミルトンの差は1秒になっていた。
34~42周目、1秒以下の差でハミルトンに迫られるが、ターン1で並ばれる事無く抑えるフェルスタッペン、このままなら抑えきれると確信していたが、ハミルトンが43周目にピットへ滑り込んでミディアム(6OLD)へ、新品ミディアムをたった15周で捨てる2ストップ作戦へ。
Neat move from Checo 👏#SpanishGP 🇪🇸 #F1 pic.twitter.com/N7aWk33scb
— Formula 1 (@F1) May 9, 2021
46周目、ペレスはリカルドを捉え5位へ、この時既にフェルスタッペンとハミルトンの差は19秒、ピットへ入ればハミルトンの3秒後方となる、その前にはボッタスも居る事になり、タイヤ交換してハミルトンを追う事に躊躇せざるを得ない状況だった。
49周目、ラップダウンになった11位ガスリーはソフトへ16位で復帰する。
54周目、ガスリーはベッテルをパスして14位
58周目、ペレスはソフトへ5位のポジションを守ったまま復帰する。フェルスタッペンとハミルトンの差は2.2秒となった。
フェルスタッペンがハミルトンに追いつかれるのは時間の問題、ストレートで抑えきれるかどうかかポイント、そしてガスリーの快進撃が始まる。
60周目、ターン1であっさりと抜かれたフェルスタッペンは2位へ後退。ガスリーはラッセルをパスして13位。
61周目、フェルスタッペンはソフトへ2位のまま復帰。ガスリーはライコネンをパスして12位。
62周目、ガスリーはタイヤが終わったアロンソをパスして11位。フェルスタッペンはファーステスト更新。
63周目、ガスリーはストロールをパスして10位。
66周目、ガスリーはタイヤが終わっているオコンに迫るが、0.19秒差で10位のままとなった。
That drag race to the finish between @OconEsteban and @PierreGASLY was 👌👀🤩#SpanishGP 🇪🇸 #F1 pic.twitter.com/TS70ExVVgy
— Formula 1 (@F1) May 9, 2021
追い上げてる時のガスリーは、本当に凄いよね!あのマシンでポイント持ち帰るドライビング、正にエースだ!
まとめ
レッドブルがバルセロナで勝てなかった理由
- ターン10が低速コーナーでは無くなった。
- ストレートスピードを稼ぐためメルセデスより薄いリアウィング
- ミディアムタイヤに合っていないセッティング
- ミディアムタイヤを2セット残さなかった。
- メルセデスがデプロイを完全に取り戻し、総エネルギーでホンダを上回っている。ここ数年リアタイヤ過熱に悩まされていたが、ダウンフォースが減りタイヤに優しいマシンに変わった。
コワいよコワいよハミルトンとメルセデス、接近すればするほど、ひとつひとつの行動が、大きな差に見えてくる。
レッドブルには、例えトップを走っていても、常に挑戦者の心をもって戦ってほしいと願います。それがマックススタイスだろ~っと!
まぁ、レッドブルは今回こんなもんで、アルファタウリの迷走について分析していきます。
バルセロナではストレートが遅く、アンダーで曲がらないマシンとなったAT02、なんだどうした?と心配しています。角田はともかくガスリーまでグリップ不足でスライドすると言ってしまうほどです。
ここ数戦、エアロアップデートを次々と投入しているのですが、今回はマシンの素性に大きく関わる新フロントウィングを投入してきました。比較画像を見てみてみましょう。
メインプレートが厚くなる、エンドプレート側のウィングが高くなる、ストレーキの方向を変える、Y250ボルテックス切り欠き位置下げる。
メインプレートを厚くするのは、下面の湾曲率を大きくしダウンフォースを増加させたい、そしてターンイン速度を上げたい、そんな方向性を感じているのですが、ドラッグも増加する、バランスをとるためにリアのダウンフォースも増やす、そしてリアドラッグも増加する。
予選時最高速312km/sは酷い、あのクラスのマシンで、ターン9をフルスロットルで走れるほどのダウンフォースとドラッグがあった。
ここまでやるかってぐらい変更しているんですよね、空気の流れが大幅に変わってしまう。しかも、風洞はレッドブルと同じなんですよねぇ・・・相関問題は大丈夫なんだろうか?
何となくヤバさを感じるアップデートだったのです。
ダウンフォースバランスの変化にサスペンションセッティングを合わせこめていないのは確実かなぁ? トロロッソ時代からフロントウィングのシーズン中アップデートが、上手くいった試しがないじゃないか!
直線番長アルファタウリの復活を願いたいです。
アルピーヌがレースでは今ひとつですが予選では強くなってるので、開発を止めてしまうと更に置いていかれそうな気もしますが、アルファタウリはほぼ開幕仕様に戻した方が戦闘力が戻りそうですか?
アルピーヌは中団の中で、劣化レッドブルみたいなマシンに仕上がっています。
ハイレーキなのにストレートが速く、セクター3が速い。
ディフューザーストレーキの使い方が、規程いっぱいまで下げずに後ろに行くほど上がっていく。/
発生するボルテックスをなるべく、上に向けるような思想。
メルセデスもそういう風な使い方をしていて、これはこれで正解な可能性が高いですね。
アルファタウリは、多分アウトウォッシュやY250ボルテックスのフロントタイヤ乱流の弾きが崩れたような気がする。(過去のレッドブルと同様)
フロアダウンフォースが減ってしまう。
イモラ仕様のがいいかも、レッドブルもね。
やはり風洞が今ひとつなのですかね
レッドブルは相関をどうにかしたけど少し扱いづらそうになりましたし、アルファタウリは60%スケールになったけど今回のは微妙になってしまったので
忘れてました
予算制限あるので2チームとも更にアップデートが持ち込めるか分からないですね
フェラーリは新型フロアが思ったような結果にならなかったようなので、今年の開発はもう中止するそうです
なんでもそうですけど、楽に勝てる勝負はないですね、と。
レース終わった直後は絶望感しかなかったですが、シーズンは5分の1もおわってないわけで諦めるには早すぎました。
角田選手もまだまだこれからですよ
角田君は、言いたい事言わなきゃ伝わらない風潮に感化されすぎてるだけだと思う。
後は、英語のニュアンス違いか?
エンジニアとの意思疎通がマシンに反映しないので、そこんとこ要改善かな。
メディアでは、もうタイトルは決まったような事を言っている人もいますが、まだまだこれからですね
今年はずっと楽しめそうです
今年はMAXとルイスのタイトル争いが更に激しくなれば、もっと面白くなるのですがね?僕がF1を見ていていつも思うことは、メルセデスのレースエンジニアやボッタスのNO2としての強さはすごいですね、常にルイスから離される事無く2~3番手を走り、しっかりNO2の役目を果たしている。それに比較してRBはいつもMAXが孤軍奮闘、いつもメルセデスの戦略に負けてます。リカルドもマクラーレンで苦労しているようだしRBに戻ってくれば嬉しいが???
ここ2戦はタイヤが固めでしたからね。次の2戦はいよいよc5が出るみたいなんで、ここは要注目ですね。思い返せば角田も、開幕戦いきなりq1は2位スタートだったのに、q2のミディアムではタイムが伸びなかった。今年はチームもドライバーも、タイヤに一喜一憂する年になりそうです。全てのタイヤを使いこなせるチームは、果たして出るのでしょうか?