2019年ロシアGP予選で見えたHONDA-RA619H-Spec4パワーユニットと各メーカーの実力に迫る!
フェラーリのスペック3、ホンダのスペック4、メルセデスのフェーズ3、ルノーのスペックCの実力を把握するテレメトリー解析企画です。
ソチ・オートドローム
※ターン10のボトムスピードからターン13のボトムスピードまでのデータになります。(予選Q3ベストラップ時のデータ)
スピード&RPMテレメトリーグラフ
各車が約183km/hに達したところから最高速あたりまでのグラフ
セクタータイムとスピード
POS | ドライバー | F | SPD-F | S1 | S2 | S3 | タイム | Gap |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | LEC | 183 | 325 | 33.333 | 31.319 | 26.976 | 1:31.628 | |
273 | 326 | 166 | ||||||
2 | HAM | 181 | 320 | 33.807 | 31.518 | 26.705 | 1:32.030 | 0.402 |
271 | 324 | 169 | ||||||
4 | VER | 183 | 320 | 33.680 | 31.641 | 26.989 | 1:32.310 | 0.682 |
272 | 325 | 174 | ||||||
7 | HUL | 174 | 319 | 34.122 | 31.984 | 27.183 | 1:33.289 | 1.661 |
269 | 320 | 173 |
※SPD-Fはターン2手前最高速
テレメトリー解析
このストレートスピードだけを見ればレッドブルホンダは速いです。フェラーリの次に速いのがグラフでわかると思います。
基本的にドラッグレベル差が出ていると思います。レッドブルはグリッド降格が決まっていたため、オーバーテイクするためのストレートスピードを重視しているのでしょう。そのためコーナー区間で必要なリアダウンフォースが不足した、セクター3でフェラーリと同等なタイムになったのはこのためかな。
フェルスタッペンはT13,T14のアプローチの違いからブレーキングが極端に早いです。
メルセデスはどうしたんだろうねぇ、240km/hを超えたあたりからレッドブルホンダに引き離されていく、パワーが無いって訳じゃなくドラッグが強大なんだろう。その分コーナーでは速いのですが、タイヤの作動温度を外すとどうにもならなくなってしまう。
気になる部分としては、ホンダとメルセデスの回転数上昇カーブが7,8速で綺麗じゃない点です。F1アプリのテレメトリー表示の不具合は若干あるにしても、フェラーリやルノーとの差が大きいのです。
ホンダとメルセデスは共にセパレートタイプ(コンプレッサー+MGU-H+シャフト+タービン)のレイアウトが関係するのだろうか?
そして、今回のルノーは直線番長にあらず。
フェラーリが何故加速勝負で速いのか?
パワーユニットのパワーが多いのは確実だとしてもそれだけではない。最大ダウンフォース発生に比例して抗力が低下する。
速度の上昇に伴うリアの沈み込みによるドラッグの低減、強力なアウトウォッシュによるドラッグの低減、その他空力的な部分で何か隠されているような気がします。インダクションポッドの小ささによる空気の綺麗な流れ、DRSアクチュエーターの妙な形の造形なども関係するのだろうか?
フェラーリも自ら言っていますが、空力効率を重点において開発されたマシンです。
また、グラフを見るとわかる通り、回転数10,800~11,600rpmでのトルクが強力で安定している事、そしてその回転域を上手に使うギア比であることが表れています。フェラーリのギア比はパワーユニットのための、加速勝負で勝つためのギア比なのです。
フェラーリPUは、デプロイが優れている。そのメカニズムについては全くもって不明、歴戦のジャーナリストですら未だに掴む事が出来ないソリューションを使用している。
レギュレーションを見ても大きな差を付けれるところは、主にMGU-Hの自由度です。MGU-Hの効率が良い=タービンの効率が良いと私は判断しています。
- タービン効率を上げる燃料とエンジン
- MGU-Hの出力
- MGU-Hと(タービン+コンプレッサー)の固定回転比
以上の3つが主な要因だろうと思う、一番はシェルの燃料にあるのは確実でしょう。エンジンパワーを落とさずにタービンを効率よく回せる燃料であるという事。
出力については相場が80kwと言われていますが、これ以上に設定するメリットとデメリットがよくわかりません。単純に出力アップすれば発電エネルギーが増加するのか?
MGU-Hには最高回転数125,000rpmが適用されますが、タービン&コンプレッサーと同回転で有る必要はありません。ただ同軸上のシャフトにはこれら3つのものしか固定できない規則。F1のMGUはギアードモーターが許されているのか不明。
ギア内蔵モーターだとしても125,000rpmも回るもので信頼性を確保するのはおそらく困難だと思う、ただこれが許されるもしくは出来るとしたら、セパレート方式のホンダやメルセデスには無理になってしまうだろう。(フェラーリとルノーは MGU-H+コンプレッサー+タービン)
回転数を変えられるとしたら、MGU-Hよりも低いor高い回転数でタービンを回す事で有利な状況が作り出せるのかはわからないけど・・。
今の私ではこれが限界、圧倒的に電気モーター知識が不足しています。(あぁ昨年もこんな事言ってたかもw)
今回のデータはCSVファイルにしてあります。どうぞご自由にお使い下さい。
流石のテレメトリ分析です!スペック4に少し希望が持てました
しかし、テレメトリとはあまり関係ないところで勝負が決まるというのはいかにもF1らしいですね
jinさん天才!毎度の解析見ると私のおバカ頭も、なるほどと瞬間頭が良くなった気がするも…一晩たったて朝食食べた瞬間、頭が卵焼き一色で綺麗に忘れる自信があります!
ハミルトン曰く、ジェットモードは凄いらしい。
決勝レースではさほどでもないのに、明確なチャージラップを入れた予選アタックの直線はとても早い。
しかしそのパワーは、その1周で萎えてしまう。
…、チャージラップで何らかの方法で他より多くの回生エネルギーをチャージし、アタックラップの直線でより多くのエネルギーを解放してアシストを行なっているとしか…ww
追記
かなり乱暴な妄想だけど、
今のレギュレーションではキャパシタ使用は禁止?
例えば、回路保護用のコンデンサーだと称して小型高性能キャパシタをHにシステム的に隣接させて、チャージラップ中にそれなりに負荷をかけてHを回し、ES分と分けてエネルギーをチャージしておき、アタックラップの最も効果的な直線部分のアシストにH経由で放出する…
なんてのは可能かな?
アタックラップ前のESは4MJが限度
実際には最終コーナーからの加速で使っているので、それ以下です。
燃料から得られるエネルギーをどう使うのか?流量は完全に監視されている。
燃料がもつエネルギーを増やす必要がある、予選で主に増やせるのはやっぱりオイルかなぁ。サブタンクを空にする規則しかないから、エンジン内のオイルを何処かに貯めてる?可変吸気トランペットで上手いこと流出させる?
謎謎謎謎謎謎謎謎謎謎
フェラーリのグラフ、シフト範囲も安定しててとても綺麗ですね。
MAXの7速、3.4″~3.7″小さな棚がありますね、前回(ハンガリー?)のテレメトリー解析にもあったと思います。何かセーフティーなものが介入するのでしょうか?これではリズミカルにシフトアップ出来ませんね。7速の山が低くなっています。MAXが時々不満を訴えるのはこの辺じゃないかと思いますが?
乱れた上昇カーブ、デプロイが関係しているのでしょうか?
フェラーリは回転数に応じた安定した過給圧を得ているのでしょう。グラフに大きな変化が無いので、案外デプロイを小さく小出しに長く使っているのではないでしょうか?(何も知らないので教えてください)並走する自転車でサドルを押すようにね…
塵も積もれば0.3″になりますよ!
ストレートのフェラーリはKの163psをフルパワーで使っていると思います。
フルブーストになるエンジン回転数が低いのは確実でしょう、早めにHのフル回生を行えます。それを直接Kに流す事でESの使用量を減らす。
Eブーストで使用するけど微々たるものです。
パワーを出せる回転域が安定している事、それをきっちり使えるギア比である事が強さ一つ。
エネルギー保存の法則から考えれば、燃料のエネルギー密度が高くないといけない。
これだけ開発が進んだ段階で3〜4%も上だとなれば、オイルの燃焼を疑う必要がある。
シェルの燃料とオイルが混ざった時、化学変化を利用した何かが存在する。そう考えるのは自然な流れかな。
燃料とOILの組合せと言うのが現実的な回答かも知れませんね
レギュレーションに抵触しない機械的、電子的制御を持たない
ある油温や油圧を作動条件とした燃料添加剤的な性格のOIL
2つで1つの燃料
燃料とエンジンオイル、化学の組合せですか❗うーん
オートバイの世界GP500の頃、2ストロークエンジンが、今でも走っていたら同じ事やっていますかね?
って、そもそもレース用2ストロークエンジンは最初から燃料とエンジンオイル混合して走るものでしたね❗失礼
MGU-Hの美味しい効率の良い使い方、奥が深く難しいですね❗