2024年のプレシーズンテストはバーレーンの3日間が終了しました。
コースの縁石が剥がれる以外は非常に安定したテストだったと言えるでしょう。
大改造されたレッドブルが最速、同じく大改造されたメルセデスもそこそこの速さを見せています。
フェラーリも安定したタイムを刻んでいました。
ドライバー別ベストラップ
予選ペースシミュレーション分析(F1公式)
レースペースシミュレーション分析(F1公式)
まとめ
F1公式の分析通りのマシン差で間違いないでしょう。
C3タイヤの予選シミュレーションでは、レッドブルの二人が同等のタイムで最速でした。
他のチームは高速ターンにおけるリアのグリップ不足が顕著に現れていました。
セクター2のターン5,6,7,9で大きな差が付く、車高が低くなっている状態の安定性がずば抜けているレッドブルです。
昨年とても速くなったマクラーレンはリアのスタビリティが不足、攻めれば攻めるほどにスロットルオープンが少し遅れます。
メルセデスは追い込んだ時のリアの不安定さが再見した。
リアサスペンションのプッシュロッドの角度が浅い、セッティングは凄く難しそうだ。
リアエンジンカウルは無いに等しく、ルーバーで排出している。
ほとんどのチームがデッキ型で流路をつくり、後方を鋭く下げてダウンウォッシュを作っているのだけど・・・速度上昇に伴う不安定な空気の流れが増加しそうなデザインです。
メルセデスのフロントサスペンションは、側面のパネルごと交換出来るようですね。
簡単にモノコック側の付け根を変更でき、ジオメトリーを変えられるようです。
リアはイマイチですが、フロントはピカイチかもしれません。
レッドブルは別格ですが、RBも中団で戦えそうで安心しました。
RBは昨年の最終戦同様の速さがあります。
そこにレッドブルのパーツを多用して軽量化、やっと規定重量まで下がった事が大きいでしょう。
5kg違えば0.15秒速くなっているはずです。
問題はフロントウィングの上がりすぎによるターンイン速度の欠如、でもおかげでフロアには安定した空気量が約束されています。
全てを上手くやれない中堅チーム、うまい事構築されたマシンです。
メルセデスのサイドポンツーンは、空気を整流しようとする意図を感じます。
が、リアサスあたりからリアエンドに向けては、ボディを絞り込んで、空気を遮蔽物なく成り行きで流してしまえって感じ。整流する気が薄く、まるでゼロポッド思想な感じがします。
ちょっとちぐはぐで不可思議。
メルセデスのリアサスに同意、ストロークが取れないしロッカーのレバー比も小さそうなのでまたガチガチサスになりそう。フロントの写真も見ましたが相変わらずロッカー同士をつなぐロールダメ絶対タイプ、このチームのサス軽視は変わらないですね。
これは自分達の弱点が正確に分析できていないとも言えることで、メルセデスの低迷は続きそうと感じます。
データ見る限りではレッドブルが露骨にセーブして走ってるのが分かるし、開幕して無いですが、今年(来年も)はもう終戦ですかね。これに関しては圧勝した次の年に大胆にデザイン変更してきたレッドブルに脱帽するしか無いのかな。フェルスタッペン除けばすごく接近してて面白そう。フェルスタッペン優勝で良いので毎回最後尾スタートしてくんねーかな(それでも勝ちそう)
メルセデスのエンジンカウルを見ていると、去年までのゼロポッドもそうですが、2021年までのアウトウォッシュとバージボードによる強力な整流効果による空力理論のようなものから離れられていないような感じがします。
2022年からフロントウィングのアウトウォッシュも弱くなり、バージボードの持つ機能も最低限のものになってしまったのに、
なぜかそれまでのレギュレーション下のようにカウルを絞れる所をとことこん絞ってしまう。 空間が広ければダウンフォースが増えるだろうみたいな。
今のメルセデスの空力部門に何が原因でアベコベなマシンデザインになっているのか、予算なのか、人員のもんだいなのか謎ですね。
ぺったんこカウルはアリソンの趣味なんでしょうかね?
初年度のw13の頃から内部エアロを度外視した極限までぺたぺたにしたボディデザインが好きですよね。まあ、あれはマイク・エリオットの方の趣味かもしれませんが。
どちらにせよ内部エアロが重要と言ってる(らしい)ニューウェイ先生の方向性とは真逆ですね。
見た目のスリムさはなんだか速そうですが気流のコントロールは難しそうです。
メルセデスは3年連続で継続性がない(作り直し)ことになってしまいましたね。
さらにフロントのジオメトリまで変えられるようにして、まだまだセッティングを超えた試行錯誤を続ける気なのか。
これだとコースごとに良くなったり悪くなったりというシーソーゲームが続きそうな予感がしますね。
フェラーリはバスタブこそ無くしましたが、フィロソフィーは守っているので継続性は確保していると思います。ポーパシングは相変わらずいちばん激しめなので、もう諦めたんでしょうかね?
でもおそらくレッドブル対抗の大本命ですね。
レッドブルは暑い季節や標高の高いコースでどうなるのかホンダPUの腕の見せどころというところでしょうか
一度に何もかも全て変えると訳分からなくなるのか?
メルセデスがフロントサスペンションのプルロッド化は見送ったものの、
リヤサスペンションはプッシュロッドに変更(アストンマーチンも)した。
これが吉と出るか?凶と出るか?
ウィリアムズがメルセデスに追従して同じプッシュロッド式リヤサスペンションに変更しなかったのも様子見かも知れないですね。
既にプルロッド式フロントサスペンションとプッシュロッド式リヤサスペンションの組み合わせで3シーズン目のマクラーレンが、虎視眈々とメルセデスからランキングポジションの座(レッドブルに次ぐ?)を奪い取る日は遠く無いと見ます。