2021年のF1は、15戦が終了し残り7戦となった。

熾烈なチャンピオン争い、ハミルトンとフェルスタッペンのドライバー対決、メルセデスとレッドブル・ホンダのコンストラクター対決。

終盤戦に差し掛かるところで、メルセデスパワーユニットに信頼性問題が浮上?!

今後のパワーユニットの運用が、この二つの争いに大きく関わってきそうな予感がしています。

Sponsored link

メルセデスが2戦連続で上限超えPU

メルセデスは、ボッタスにイタリア・ロシアと2戦連続でペナルティを伴うパワーユニットを投入した。

イモラでクラッシュした時のPUはその後も使われていたし、2基目はアゼルバイジャン、3基目はベルギーと通常のルーティーン通り進んでいると思っていた。

2,3基目は目立った不具合情報が無かったが、いつの間に使えなくなったのだろうか?

ハミルトンの1基目が壊れた事からも、マイレージを削ったパワーモードを多用しているのは明らかである。

新マッピングで負担増大か?

ハンガリーGPから使えるようになった新マッピング、ターン立ち上がりにフルパワーを発生させている。

MGU-Hを使ったコンプレッサー稼働、タービンはウェイストゲートを開けて排気抵抗を減らし、エンジンパワーを最大にする。

現状、考えられるパワーアップ方法としては、燃料やオイルを増加出来なくなったため圧縮空気(酸素)を増やす事しか存在しない、ブーストを増加させてパワーを得る。

F1では最大ブースト圧制限がない為、このような事が出来るが、気化熱を利用したシリンダー内を冷やすための燃料が増やせない、熱い空気はノッキングを発生させる危険性が高くなりエンジンを損傷させる。

 

イタリアのボッタスの4基目は確かにパワフルだった。限界領域のモードを試したとも考えれる、そしてロシアではその4基目では走りきれないと考え5基目(ICE,TC,MGU-H)投入となった。

開幕時点からTCに問題あり?!

川井さんの予想ではTC(ターボチャージャー)に問題があるとの事です。

メルセデスはテストから開幕時点において、ERSエネルギー不足によるディレートが起こっていた。

MGU-Hの回生エネルギー不足だと推測され、これはタービンを予定の回転数に出来ない事が原因となるかもしれない。

 

メルセデスは、信頼性に関する何かしらの申請を行った。

ロシアではレッドブルを訪れるフェラーリ代表の姿が目撃されている。

メルセデスの申請どうしましょうか?とりあえず精査してからだな、開幕時点であんな瞬間的なパワー出してたか?

正当に却下できるデータあるのかい?まぁ、なるべくギリギリまで引き延ばすか?

そんな声が聞こえてきそうな会談だ(笑)


Sponsored link


パワーユニットの運用例

No R FP1 FP2 FP3 SP Q RACE 計km
1 BRN 120 120 100 80 305 725
2 ITA 120 120 100 80 305 725
3 POR 120 120 100 80 305 725
4 ESP 120 120 100 80 305 725
5 MON 120 120 100 80 260 680
6 AZE 120 120 100 80 305 725
7 FRA 120 120 100 80 305 725
8 AUT 120 120 100 80 305 725
9 AUT 120 120 100 80 305 725
10 GBR 150 150 100 80 305 785
11 HUN 120 120 100 80 305 725
12 BEL 120 120 100 80 305 725
13 NED 120 120 100 80 305 725
14 ITA 150 150 100 80 305 785
15 RUS 120 120 100 80 305 725
16 TUR 120 120 100 80 305 725
17 USA 120 120 100 80 305 725
18 MEX 120 120 100 80 305 725
19 BRA 150 150 100 80 305 785
20 QAT 120 120 100 80 305 725
21 KSA 120 120 100 80 305 725
22 UAE 120 120 100 80 305 725
16085

1基目(黄色)、2基目(緑色)、3基目(青色)、これは前々から予想されているメルセデスの運用例です。

単純計算で一基あたり約5,400km、安全マージンも含め1基あたり6,000kmが必要なマイレージと言われる。

 

1基目は序盤戦で金曜日も使うため、本戦(土日)で5戦使った後は金曜日用になり、パワー感度の低いハンガロリンクの本戦で使用する。

基本的に2,3基目は、土日専用として使っていくが、今年はスプリント予選があると金曜日から本戦用を使わなければならない。

 

ホンダは、このように金曜日用と本戦用を分ける使い方を嫌う傾向がある。

エンジンメーカー毎固定モード

https://www.auto-motor-und-sport.de/

2020年イタリアGPから導入された、エンジンモードの固定はメーカー毎で同一でなければならない。

個人的な設定は許されず、全てのドライバーがプログラミングされたいくつかのモードの選択権を有する。

 

予選Q1(アタックラップのみ)~決勝レーススタートまでは、選択したモード(最高出力が決定)を使用する。

これで予選Q3のみの出力アップや決勝レースの勝負どころでの出力アップが出来なくなっている。

決勝レース中に、エンジン保護を名目に出力を下げるモードへの切り替えは許される。

 

2020年最終戦アブダビGP決勝、トップを走るフェルスタッペンは無線でモードを下げようかとピットに尋ねる余裕を見せていた。

この事は、モードを下げる事に対する明確な基準は無く、いつでも自由に下げられると解釈できる出来事だった。

 

極端な使い方をすれば、予選開始時には最高パワーモードを使用、レース序盤でモードを下げる事も可能である。

しかし、レース終盤まで続く争いの中、そのような戦略的な運用を行う余裕が無く、先を見越したエンジンモードの設定ではない場合、マイレージを削る事になってしまう。

 

ベルギーGP決勝が無くなりマイレージの余裕は出来たはずだが、スプリント予選による金曜日から本戦用PUを使わなければならない事は、運用に大きな影響を与えているだろう。

 

メルセデスパワーユニットにまさかの事態!

それだけホンダが肉薄しメルセデスの運用目標を壊したとも言えるだろう。