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2022年日本GPが行われた鈴鹿サーキット、誤魔化せないマシンの総合力が問われます。

レッドブルとフェラーリは僅差のタイム差でしたが、メルセデスを打ち破ったアルピーヌが凄かったですね。

 

アルピーヌのテストからのアップデート経緯を辿ると、レッドブルと非常に似た進行過程だと思っています。

ボディ形状などオーソドックスなものを用意、そこから細々と変更を繰り返していく、コンセプト自体がレッドブルに似ていたため参考にしたものが多い。

真似と言えば真似だけど、それを受け止める下地がある強さだと思っています。

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鈴鹿サーキットの予選ラップセクター比較

Q3 ドライバー S/F T1 T4B S1 T13 T14B S2 T15 S3 タイム Gap
1 フェルスタッペン 268 331 220 31.116 292 158 40.406 310 17.782 1:29.304
283 304 267
2 ルクレール 267 326 226 31.149 290 167 40.166 305 17.999 1:29.314 0.010
281 300 262
5 オコン 265 326 213 31.333 289 160 40.786 305 18.046 1:30.165 0.861
279 300 265
6 ハミルトン 262 321 223 31.321 283 164 40.766 298 18.174 1:30.261 0.957
275 294 263

※最速はパープル・最遅(サイチ)はレッド

 

上の表はセクタータイムと各ポイントの通過速度になります。(Bはボトムスピード)

フルスロットル区間のエンド速度はレッドブルがトップ、次にフェラーリとアルピーヌは同等、メルセデスはなぜかシンガポールと同じウィングレベルで遅すぎた。

フェルスタッペンとルクレールのテレメトリー

セクター2はフェラーリの方が速いのが意外だった、デグナー・ヘアピン・スプーンでフェルスタッペンを突き放す。

DRSの無い西ストレート、280km/hぐらいからのレッドブルの伸びが異常、フロアの広いセンターフラットエリアがストールすると言うのは本当らしい。

オコンとハミルトンのテレメトリー

メルセデスは雨狙いウィングセッティングだったのか?

シンガポールと同じリアウィングが無ければダウンフォースが足りないって事は無いと思うのだけど・・・ヘアピン以後の遅れが酷いです。

トップ4マシンの分析

フェルスタッペンは最終アタックのターン2で少し縁石をはみ出し、リアドラムの空力パーツが外れてしまった。

他マシンのトラックエボリューションによる短縮タイムを換算するとこれは約0.2秒に値する。

フェルスタッペンが完璧なアタックをしていればルクレールに対して0.2秒差付けれたと思います。

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レッドブルはフェラーリのような突出したターンスピードは無いけれど、ターン全体でタイヤへ与える荷重が綺麗な曲線を描くような感じです。

フェラーリはフロントが入る、意図的にリアのダウンフォースを少し落としてフロント寄りのバランスになっている事もそれを助長しています。

中速ターンである逆バンク、デグナー2、スプーンのボトムスピードが高くフルスロットルポイントが早い、レッドブルはリア寄りなバランスによってプッシュアンダー気味になっていてワンテンポ遅れています。

 

レッドブルはシケインの縁石をカット出来る為フルスロットルが早い、最後の加速ではフィニッシュラインまで続くデプロイが強み。

フェラーリがフィニッシュライン手前でデプロイ不足になっているのはテレメトリーにより明らかです。

 

 

いい勝負になったアルピーヌとメルセデス、対照的なセッティングでした。

アルピーヌはミディアム・ローと言っていいぐらいウィングレベルを選択、これはPUのパワー不足を補うために仕方が無い措置でしょう。

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これでやっとフェラーリと同等なストレートスピードであり、ターンで遅れてしまいます。

ウィングダウンフォースを少し増やせればもっとトップ2に近づいたはず、来年のPUがまともになっている事を願おう。

 

メルセデスは本当に謎です。

スムーズな路面の鈴鹿では車高を限界まで落とせたはずなのに、ウィングに頼ったダウンフォースはドラッグが強すぎました。

レースではそれが足枷になりハミルトンはオコンを攻略出来なかった。

 

 

決勝レースはいつもの展開、タイヤに優しいレッドブルが完全勝利しています。

フェラーリはフロントを使う事で速く走れるマシンのためフロントの摩耗が激しかった。その遅れをリアで取り返そうとする事でリアの摩耗も多かった。

 

根本的なマシンバランスによって付いている差、4戦残してチャンピオンが決まってしまう信頼性の欠如、絶対に勝てるレースを勝ちきれない戦略など、フェラーリの課題が多いです。

 

メルセデスは原因がわかり「空力」だとコメント、アメリカからは来年を見据えたテストをしていくらしい。