ホンダは、レッドブルパワートレインズのテクニカルパートナーになった。

レッドブルとアルファタウリのパワーユニットは、2022年のみ日本で製造されたものが供給され、その後はレッドブルパワートレインズで製造する事になると発表されていた。

その計画は変更され、現行レギュレーション終了の2025年までホンダが製造を請け負う事になったようです。

 

※ホンダの撤退とはあくまでもオフィシャルサプライヤーとしてとの意味、PU現物自体が名前を替えて使われる事は2020年10月に決まっていた。

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レッドブルエンジンは2025年まで日本で製造

レッドブルのマルコ氏が語った内容は以下

「今では、当初想定していたものとはまったく異なる解決策も見つかりました。」

「エンジンは2025年まで日本で製造されるので、まったく触れません。つまり、権利とこれらすべてのものは日本人に残ります。これは、私たちを新参者にするため、2026年にとって重要です。」

 

「私たちのこれまで以上の成功の過程で、日本人の間で特定の再考が行われました。そしてもちろん、彼らは彼らの電化段階のためにバッテリーの知識を使うことができるということ。」

 

「当初は、2022年にのみPUを製造することが計画されていました。現在、これは2025年まで続くことが決定されており、これはもちろん私たちにとって大きな利点です。これは、微調整とキャリブレーションを行うだけでよいことを意味します。」

 

レッドブルパワートレインズの状況

「プラントは5月/ 6月に完全に稼働します。自分たちでそれを行う最終決定は、すべてが凍結することを条件としました。そうでなければ、この複雑なことをする機会がなかったでしょう。」

引用元:Honda set to extend direct Red Bull supply to 2025

 


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レッドブルパワートレインズの主な作業

パワーユニットの本体は、日本からミルトンキーンズのレッドブルパワートレインズに送られる。

ホンダF1UKの人員はそのほとんどがRBPTに移籍しているので、今までと変わりなくベンチテストや最終チェックが行われる。

  1. 最終組み立て作業
  2. ベンチテスト
  3. 各サーキットへ向けたキャリブレーション
  4. 各サーキットへの搬送
  5. メンテナンスなど

施設がまだ稼働状態ではないので、2022年前半はホンダF1UKの施設を借りると思われる。

ホンダの山本MGは新コンサル会社設立

https://www.auto-motor-und-sport.de/

ホンダの山本MGは1月でホンダを退社、2月よりコンサルティング会社を設立し、レッドブルとホンダの間を取り持つ事になる。

基本的な立ち位置はレッドブルパワートレインズ側で、彼らを助ける仕事をする事になるようです。

まとめ

レッドブルのホンダ製パワーユニットは、製造の特殊性からも単純な知的財産権の利用では難しいと思っていた。

結局のところ、現行規定最終年までホンダが製造する事で落ち着いた格好。

 

これにより、何年もかかって積み上げてきた製造技術の流失を避ける事が出来ると共に、ホンダとしても高いレベルの製造技術者を継続して育成する事が出来る。

特に新たに導入したカーボンナノチューブを使ったバッテリー技術は、今後のホンダの命運を担うものであり2022年9月までに新たなスペックアップをもたらすだろう。

 

その後のスペックアップは出来ないが信頼性を上げる観点での研究は継続できる。

それらの資金はレッドブルが受け持つ事になり、ホンダのF1ビジネスが成り立っていく。

 

レッドブルパワートレインズは2026年の新規定パワーユニットに向けて、完全な新規メーカー扱いになり開発面において色々な譲歩が得られる利点もある。

レッドブルとしては新たに参戦するであろうVWグループと組むと言う選択肢もある。

 

ホンダはモータースポーツ部門を次々と分社化しており、市販車としてのホンダとモーターレーシングとしてのホンダ(HRC)は違ったものになっていくだろう。

メルセデスHPPのように、親会社の業績とは関係ないところでモータースポーツビジネスを行っていく事で、今後の復帰に少しの可能性が見えているかもしれない。

※ホンダF1のビジネス化

ホンダはF1で必要とされるパフォーマンスレベルに到達した、しかしそれらはほぼ全てが無償供給であり損失の垂れ流しです。

例えPU代金をもらってもホンダと言うロゴをマシンに掲げる為には何十億ものお金が必要になるものです。

 

そこで撤退と言うカードを切った→レッドブルが中心となりF1はPU凍結期限を早めた→レッドブルに有償で製造権を貸し出す事が確定→有償で供給する事が確定。

これにはチームの予算制限で、マシン開発に使っていた予算が余りPUに対して予算を増やせる状況などがある。

 

お金を払ってでも使いたいPUだと思ってもらえるレベルに達した事が一番重要な事ですが、撤退発言からあれよあれよと状況が変化。

ホンダとしてどうしても必要だったビジネス化にやっと到達できたのです。

 

結果的にエンジンネームを掲げないカスタマー供給と同じような立ち位置、違うのは現物を届けるだけと言う事になる。

 

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