2018年に向けてホンダF1レーシングの体制面変更の報道がありました。2016年より2年間、総責任者をしていた長谷川さんが退き、新たに田辺さんが現場のテクニカルディレクターとして指揮をとるようです。
このホンダの発表をもって改めて知った事ですが、長谷川さんって現場で指揮取りながら開発面での責任者だったんですね。これってかなり効率悪い事だと私は率直に思いました。
SAKURAには新たに開発責任者としてホンダの執行役員がなるそうです。今まで決済権のなかった長谷川さんではスピーディーな対応ができないと思っていたのでこれはこれで良い流れになる事が期待できそうです。
引用元:2018年シーズンの新たなスタートに向け、F1運営体制を変更
田辺豊治:ホンダR&DヨーロッパU.K. F1テクニカル・ディレクター
「たなべ とよはる」さんの肩書は上記になります。直近まではアメリカでHPD シニア・マネージャー 兼 レースチーム チーフエンジニアをしていた方です。
インディ500優勝記念撮影で琢磨選手の右隣りにいるのが田辺さん
田辺豊治さんの経歴
- 1984年 本田技研工業(株)入社
- 1990~92年 McLaren Hondaチーム ゲルハルト・ベルガー担当エンジニア
- 1993~03年 IndyCar エンジン研究、レースエンジニア
- 2003年B・A・R Hondaチーム ジェンソン・バトン担当チーフエンジニア
- 2004~05年 B・A・R Hondaチーム ジェンソン・バトン担当チーフエンジニア兼Hondaレース・テストマネージャー
- 2006~07年 Honda Racing F1 Team ジェンソン・バトン担当チーフエンジニア兼Hondaレース・テストマネージャー
- 2008年 (株)本田技術研究所 F1開発責任者
- 2009~13年 (株)本田技術研究所 量産エンジン開発
- 2013~17年 HPD シニア・マネージャー 兼 レースチーム チーフエンジニア
経歴からはホンダの全盛期時代を知り、ホンダのインディ初参戦から関わっていて、F1第3期参戦時にバトンの担当エンジニアを長らく務めていた方という事ですね。
技術開発とレース現場指揮を分離しスピーディーな対応を
本田技研工業株式会社 執行役員 森山 克英さんは次のようなコメントをしています。
「これまで、F1プロジェクト総責任者が担っていた技術開発とレース現場指揮監督の責任範囲を分離し、開発とレース・テスト現場それぞれが、よりスピーディーに業務を遂行できる体制へと進化させます。開発現場とレース現場が各々の役割をしっかり果たすことで、Toro Rosso Hondaが上位争いをする姿を一日でも早くお見せできるよう挑戦を続けてまいります。引き続き皆さまの応援をよろしくお願いします」
まとめ
今までは長谷川さんは、開発現場を離れてレース現場指揮に来ていて年間日数にして約1/3はSAKURAを離れていた事になります。これは効率が良いとは言えない。確かに現場で得られる情報は重要だけどね。
ホンダは今のPUにおいては開発現場の方が重要と判断したんでしょう。開発する人とそれを使いこなす人を分ける理にかなった体制変更ではある。
決済権のある執行役員がSAKURAの指揮をするとの事なので、これはこれでいい方向だと思います。本来なら分社化してホンダの本部は資金を出すだけの方がよりいい方向なんだけど。
せっかくのコンセプト維持の方向なのに長谷川さんがいなくなって果たして大丈夫だろうか?現場からの情報がSAKURAにしっかり届くのだろうが?このあたりは田辺さんの手腕に期待したい。
とりあえず長谷川さんお疲れ様でした。いつも誠実な対応や発言はとても好印象だったと思っています。レース指揮に行っている間に技術開発現場は行き詰っていて右往左往した事でしょう。今後はF1に関わるのかどうかわかりませんが、できればSAKURAで開発に携わってほしいです。
「HRD新体制の活躍に期待!」
Honda F1 元Boss 長谷川さんのコメントが見れなくなりそうなのは寂しいですが、HRDさくらに戻られる事は朗報ですが、もしF1開発から外れてしまうとしたら惜しいですね!
トップとの競争力得る為にサイズZero構想のICEのピークパワー不足に“最速”で見切りをつけ、’17年からのPU新仕様導入の決断は、大変でしたが第3期F1レース現場経験者ならではと強く支持しますね。また、このほぼ全新Spec導入としては短期間にトラブルを補っていくHRDの開発力は悪くないとは思います。(もし、ピークパワーに限界説抱え?’17年もZero構想継続していたらと思うと…)。
また、HONDAレーシングDNAは他のカテゴリー結果から十二分に知れますが、超日進月歩といわれるF1の世界でホンダは休戦期間のギャップがあり、またこれまでの市販部門とレース部門を行き来する人事は現代F1でも対応可能なのかは不明です。決して、誰か一個人的な責任では無く、事F1に関しては親ホンダ企業の計画見通し以上に現代F1のハイパーハイブリッドの競争力が熾烈であった事が、今の所尾を引いている印象です。でも、チャレンジしている事自体がすでに夢あるホンダらしくて好きですけど!(また生意気スミマセン)
テクニカルディレクター就任、田辺豊治さんのコメント記事の写真が笑顔になれる様な活躍を期待します。
ミスを許さないなど「不寛容」感が蔓延した特に現代の日本社会、消えつつある古き良き時代の和気藹々さや、「チャレンジスピリット!(失敗をおそれない)」ホンダには、F1だけでなく凡ゆる面で、「自由といわれる社風」企業理念を守ってほしい!
参考動画(ホンダ35周年):http://youtu.be/4yGvnTc7lug
最近、モリゾウ社長も何かイイ感じの雰囲気出しておられるし…
市販車EV化の波には、サムライジャパン的に日本企業プロジェクトで対応してほしい!
「HONDA、世界的レジェンドレーサーアドバイザー今後の就任予定は?」
新体制ついでに、
以前から気になっていたのですが、メルセデスの不死鳥N.ラウダ氏・ルノーのプロフェッサーA.プロスト氏の様な優れたレーサー視点からのプロジェクトへのスペシャルアドバイザーのホンダの導入予定は今後あるのでしょうか? フルワークスの違いはあるけど…
夢の様だけど生きていたら黄色チームカラー時の天真爛漫 da Silva氏こと音速の貴公子A.セナ氏、現実的には琢磨氏やJ.バトン氏の引退待ちとか…?。皆さんいかがですか?
ラウダやプロストがいてチームが強くなるという事ではないと思います。
彼らがいる意味は政治的圧力のためでしょう。各チーム代表やFOMやFIAに物申せる人物と言う事です。
ちょっとしたレギュレーションの解釈やペナルティなどを有利に解決するためにいる。私はそう思っています。
上の付き合い、上の一声だけをする会社にもよくいるポジションです。