2018年最終スペックでホンダはルノーを超えたと言われている訳ですけど本当なんだろうか?海外F1サイトでGPSデータを元にしたパワーの記事が出ると思っていたのですが、中々出てこなくてヤキモキ状態です。
とりあえず最終戦アブダビGP予選ベスト時のテレメトリーの速度をプロットしてグラフ化してみました。
ヤス・マリーナ・サーキットのストレート
今回はターン7のボトムスピードからターン8までの速度上昇データです。
スピードデータ
ターン7のボトムスピードから、青字がアクセル全開になったポイント、緑がDRSを作動させたポイント、赤字がブレーキングを始めたポイントになります。
Time | GAS | VER | HUL | VET | HAM |
---|---|---|---|---|---|
0.0 | 65 | 72 | 68 | 68 | 74 |
0.2 | 67 | 78 | 68 | 69 | 75 |
0.4 | 69 | 82 | 71 | 72 | 77 |
0.6 | 73 | 86 | 77 | 77 | 80 |
0.8 | 86 | 90 | 82 | 81 | 83 |
1.0 | 92 | 100 | 88 | 89 | 92 |
1.2 | 97 | 104 | 98 | 92 | 104 |
1.4 | 111 | 109 | 105 | 97 | 109 |
1.6 | 120 | 126 | 119 | 108 | 116 |
1.8 | 132 | 139 | 125 | 115 | 122 |
2.0 | 143 | 146 | 132 | 128 | 136 |
2.2 | 160 | 163 | 146 | 140 | 144 |
2.4 | 166 | 170 | 157 | 150 | 163 |
2.6 | 173 | 177 | 170 | 159 | 170 |
2.8 | 180 | 192 | 175 | 169 | 175 |
3.0 | 191 | 194 | 187 | 175 | 185 |
3.2 | 198 | 203 | 193 | 187 | 193 |
3.4 | 204 | 208 | 198 | 194 | 199 |
3.6 | 215 | 218 | 202 | 201 | 213 |
3.8 | 220 | 224 | 214 | 209 | 216 |
4.0 | 224 | 228 | 221 | 217 | 225 |
4.2 | 232 | 232 | 229 | 225 | 230 |
4.4 | 236 | 236 | 232 | 233 | 233 |
4.6 | 240 | 240 | 237 | 237 | 243 |
4.8 | 243 | 248 | 245 | 243 | 246 |
5.0 | 250 | 250 | 248 | 248 | 249 |
5.2 | 252 | 253 | 253 | 252 | 255 |
5.4 | 255 | 259 | 257 | 258 | 258 |
5.6 | 258 | 262 | 261 | 261 | 264 |
5.8 | 261 | 264 | 263 | 263 | 268 |
6.0 | 266 | 268 | 267 | 267 | 270 |
6.2 | 268 | 271 | 270 | 273 | 271 |
6.4 | 273 | 276 | 273 | 275 | 277 |
6.6 | 275 | 278 | 277 | 281 | 279 |
6.8 | 279 | 281 | 280 | 284 | 282 |
7.0 | 281 | 284 | 284 | 289 | 284 |
7.2 | 283 | 287 | 286 | 291 | 289 |
7.4 | 286 | 289 | 287 | 293 | 290 |
7.6 | 289 | 291 | 291 | 295 | 294 |
7.8 | 292 | 293 | 294 | 299 | 296 |
8.0 | 295 | 295 | 296 | 301 | 299 |
8.2 | 296 | 297 | 299 | 303 | 300 |
8.4 | 300 | 299 | 301 | 307 | 303 |
8.6 | 301 | 300 | 303 | 308 | 306 |
8.8 | 302 | 302 | 304 | 310 | 307 |
9.0 | 303 | 303 | 306 | 312 | 307 |
9.2 | 305 | 305 | 307 | 314 | 310 |
9.4 | 308 | 307 | 309 | 316 | 311 |
9.6 | 310 | 307 | 310 | 317 | 312 |
9.8 | 312 | 308 | 312 | 317 | 313 |
10.0 | 313 | 310 | 314 | 318 | 314 |
10.2 | 314 | 311 | 315 | 320 | 315 |
10.4 | 314 | 311 | 316 | 322 | 317 |
10.6 | 316 | 312 | 316 | 323 | 318 |
10.8 | 317 | 313 | 318 | 324 | 318 |
11.0 | 318 | 313 | 318 | 324 | 318 |
11.2 | 319 | 314 | 319 | 324 | 318 |
11.4 | 319 | 315 | 321 | 326 | 318 |
11.6 | 320 | 316 | 322 | 327 | 321 |
11.8 | 321 | 317 | 323 | 327 | 321 |
12.0 | 322 | 317 | 324 | 329 | 321 |
12.2 | 323 | 318 | 324 | 329 | 321 |
12.4 | 323 | 319 | 323 | 330 | 324 |
12.6 | 323 | 319 | 323 | 330 | 325 |
12.8 | 324 | 319 | 324 | 330 | 325 |
13.0 | 325 | 319 | 324 | 331 | 325 |
13.2 | 325 | 319 | 324 | 331 | 325 |
13.4 | 326 | 319 | 325 | 331 | 325 |
13.6 | 326 | 320 | 325 | 331 | 324 |
13.8 | 326 | 320 | 325 | 332 | 324 |
14.0 | 327 | 320 | 326 | 333 | 324 |
14.2 | 327 | 320 | 326 | 333 | 323 |
14.4 | 328 | 320 | 327 | 333 | 323 |
14.6 | 328 | 320 | 327 | 333 | 323 |
14.8 | 328 | 320 | 327 | 333 | 323 |
15.0 | 328 | 319 | 327 | 332 | 322 |
15.2 | 329 | 318 | 327 | 332 | 322 |
15.4 | 326 | 318 | 325 | 330 | 321 |
15.6 | 297 | 306 | 323 | 323 | 317 |
15.8 | 276 | 289 | 282 | 305 | 300 |
16.0 | 217 | 236 | 260 | 286 | 280 |
16.2 | 199 | 212 | 238 | 231 | 215 |
16.4 | 189 | 180 | 195 | 209 | 186 |
16.6 | 154 | 158 | 172 | 191 | 148 |
スピードテレメトリーグラフ
ボトムスピードからのグラフなのでタイムはちょっと参考になりません、フェラーリはターンインを速めに行いコーナーを鋭角的に立ち上がっている、よってボトムは遅くなりますが、低ドラッグコンセプトで特にDRS作動時からの加速が良く最高速で333km/hを記録します。
驚いたのはメルセデスがあの低速ヘアピンでレッドブルより速いスピードだったと言う事ですね。でもコーナー全体をみれば、アクセル全開までの速さはレッドブルが驚くぐらいに速くて250km/hまでは先行しています。やはり脱出速度とトラクションは天下一品ですね。
トロロッソはボトムスピードは遅い、そして低速ギア比がショートで低速域での加速は良いです。中速域ではルノーに追いつかれ、高速域で若干突き離しています。両マシンのドラッグはさほど差は無いはずなので結果的にこの予選におけるパワーは上回っていたと解釈できると思う。
ホンダのパワーは一体何馬力なのか?
色んな数値が迷走していて、一体どれほどのパワーが出ているのか?はっきりとした数値は超企業秘密になるため絶対に知る事はできない。
ルノーのアビテブールはトップと予選での遅れは40kw(54ps)で、決勝では15~20kwの遅れだと発言している。レッドブルもあと40kwあれば結果は変わっていたと発言している事からも、この差は正しそうな気がします。
今までAMuSが提供してくれ数値と、今年のメルセデス(昨年に比べドラッグ&ダウンフォースの増加)とフェラーリ(低ドラッグ仕様)の状況、3基規制への対応を踏まえパワー予想をしてみました。
メーカー | 2018年9月 | 2018年末 | 仕様 |
---|---|---|---|
フェラーリ | 953 | 955 | スペック3 |
メルセデス | 943 | 955 | スペック3 |
ルノー | 893 | 900 | スペックB |
ホンダ | 878 | 915 | スペック3 |
フェラーリの方がメルセデスよりパワーがあるとの考えは無く、リアウィングの仕様変更により遅くなった例からも単純にドラッグがキーポイントでした。
ホンダ915psとの予想です。これはあくまでピークパワーであり持続性においては他のメーカーより劣っていて、マイレージを無視したエンジンモードによるものです。
メルセデスやフェラーリはピークパワーにおいては現行規定における限界値に達していて、勝負所は限りある燃料で作り出す電気エネルギーにある。決勝において20kwも先行する理由はそこにあり、予選においてもEブーストの接続時間の多さで中速域における加速を手助けしている。
ホンダは国内においてNRE2ℓターボエンジンで、スーパーフォーミュラ・スーパーGTを制した。ホンダのターボ技術は長年NAにこだわっていた経緯からも遅れていた感じていたが、完全制覇したことからもF1参戦から4年経過して社内的にも技術蓄積が充実してきたと感じています。
来年はルノーを上回るって事は当たり前で、メルセデスやフェラーリに追いつく事を願っています。
915psはあってほしいですね。
あと、管理人さんに質問なんですが、来シーズンからレッドブルはホンダPUになることによって、フェラーリ、ルノー方式からスプリットターボ方式?メルセデス方式になると思いますが、それぞれのメリット・デメリットを考察した記事は書かれていますでしょうか?
例えば、ゴスはルノーPUに変えたときにスプリットターボ方式と違って前に吸気パイプがないので、その分フロントに寄せれると言ってました。しかし、他の記事ではスプリットターボ方式は吸気パイプの分オイルタンクを削らなければならないという様な記事がありました。でも、オイルタンクをレギュレーション状削れるならエンジンブロックをリアに下げなくていいので、重心は変わらなくね?と思いました。
スプリットターボ方式はインタークーラーを小さくできたりというような記事がたくさん見るのですが、結局、重心的にはどちらの方が有利なんでしょう?
にわかなんで教えていただきたいです笑笑
オイルタンクじゃなくて燃料タンクですねすみません。
2017年のマクラーレンでさえ対応できていたスプリット方式なので、レッドブルなら問題なく融合できると思っています。
モノコック後端の長さと形状により調整は可能です。重量的なメリットとデメリットを比べるとほぼないでしょう。
ルノーとフェラーリは(Vバンク内後ろにMGU-H+排気タービン+コンプレッサー)
メルセデスとホンダは(コンプレッサー+Vバンク内前寄りなMGH-H+排気タービン)となっており重いMGU-Hを前寄りにしてあります。
スプリット最大の利点はコンプレッサーを排気タービンの熱から遠ざける事です。これによりインタークーラーを小型化できると各国ジャーナリストが書いてると思われます。
デメリットは個々のエレメントが一体となっているために一つトラブルが出ると同時に交換必要になる事です。
あと一つ違いがあるとすればインタークーラーの取付位置ですね。
ワークスメルセデスはモノコック内部インダクションポッドの下辺りに設置されていてパイピングの距離を短くしています。フェラーリPUはエンジン本体上部辺りです。
カスタマーメルセデス・ルノー・ホンダはサイドポンツーン内部となっていて、パイピングが長い事とポンツーン内部抵抗が大きいと思われます。(アクセルレスポンスに影響がある)
トロロッソを見る限りホンダ用の冷却パーツは後づけ感が否めない非常にごちゃごちゃした印象があります。そしてインダクションポッドの背中の高い位置に多く配置されでいます。
これは重心の面では良くない方式でしょう。メルセデスPUを見るとその辺りがしっかり低重心化されています。
マシンの長さ自体も影響するので、レッドブルがどのような回答を導き出しているか興味深い点です。
詳しく教えていただきありがとうございます
前から2番目のエキゾーストパイプがえらいこと短いですねえ。
通常一番前のシリンダーが一番エキゾーストハウジングから遠い訳ですから等長の場合一番前のエキゾーストパイプが一番ストレートな形状になるんですけどね。
旧モデルですが、メルセデスPUのエキゾーストパイプは3本をスパイラル状に捻りながら等長にしてた気がしますね。
ターボの搭載位置に関しては、スプリットターボはフェラーリ、ルノータイプの配置に比べると若干重心高が上がるようですね。ただ、重心の前後配分と考えるとスプリットは車体の中心に集まっているとも言えます。フェラーリタイプは重量物であるターボチャージャーが後方に搭載されますからね。
冷却器の重量って単体では軽いですが、そこに液体を入れるとかなりの重量になりますので、PUだけの搭載位置からの重心位置だけではスプリットターボのメリットデメリットは見えにくいですね。
さすがマスダンパーさんそこがわかるとは!
やはりエキゾーストが等長ではないのですね、例のパンパンパンの音の正体となるのかな。
ICEのパワーや信頼性に関しては、エンジン屋さんのホンダがやるでしょう、タービン技術に関してはIHIを引き込んだ、残る鍵は回生技術ですが、こちらはホンダ単独でやるのか、どこかと提携するのか。電動化で合弁している日立製作所が乗り出してくる可能性はあるでしょうか?やっぱり、レッドブルホンダが勝つには、回生が重要ですよ…ね?
レーシング回生は、何処も持ち合わせていない技術なので自己開発するしかないのです。
ハートレーをポルシェから引き込んだ理由とホンダが異例とも言える感謝の意を表したことは、ホンダが何かしらのヒントを掴んだ事を意味すると思う。
バッテリーはホンダUKミルトンケインズで開発しています。そこで回生シミュレーションなどの研究も進められています。
ここは多国籍な人種が揃っていて最先端な技術開発をしていますよ。
いつも更新を楽しみにして読ませてもらっています。15.6secから16.2secまで、何故GASのスピードが他の車よりも急に落ちるんでしょうか?アクセルオフで落ちるのはマシンのドラッグのせいでしょうか?
ごめんないさい、説明不足でしたね。
15.4sあたりからターン8へアプローチでのブレーキングしているからです。
1秒間で約140km/hも速度落とすF1のブレーキ性能はとんでもない!
その減速Gに耐えるドライバーもとんでない!
なるほど。赤字がブレーキし始めたポイントという事ですね。有難うございます。確かに凄まじいGなんでしょうね。全く想像できませんが、想像しようとすると吐きそうな気分になるのが不思議です。。ブレーキングで他とこんなにも違うもんなんですね。随分タイムに影響しそうです。