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F1メカ好きの皆さん、こんにちばんわ!

2022年謎に包まれたフェラーリエンジン(パワーユニット)ですが、徐々に画像が集まり始めました。

 

排気タービンとコンプレッサーが隣り合わせの従来型なのか?コンプレッサーを前に持ってきたスプリット式なのか?

そこについてはまだ不明ですが、インタークーラーが丸型に進化していた。

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フェラーリのインタークーラー(CAC)

@AlbeltFabrega

丸い物体からプレナムチャンバーに繋がるパイプラインが伸びています。

この丸い物体が、インタークーラー(チャージエアクーラー)でしょう。

 

2020&2021年型インタークーラー

昨年までは、結構大きな四角いインタークーラーでした。

後ろのコンプレッサーから、エンジン上部を越えるようにパイプラインが繋がって高圧高温空気を冷やしています。

 

この丸型インタークーラーですが、最近噂される航空宇宙技術に関係する可能性が非常に高いです。

Reaction Engines Pre-coolerのイメージ

Reaction Enginesの科学者によって作成された新技術は、氷のような詰まりを発生させることなく、エンジンに入る空気を100分の1秒で1,000℃から-150℃に冷却することができます。

これにより、ジェットエンジンは、過熱することなく現在可能であるよりもはるかに高い出力で安全に動作できるようになります。

SABREエンジンの性能にとって重要なのは、エンジン吸気用の空気を冷却する先駆的な熱交換システムです。

https://reactionengines.co.uk/

SABREエンジンとは?

SABRE(Synergetic Air-Breathing Rocket Engine)は、欧州宇宙機関(ESA)と英国宇宙局(UKSA)が共同で開発しているエアブレシング推進型ロケットエンジンです。

ユニークな設計で、大気を吸い込みながら、最大マッハ5程度で宇宙空間へ上昇するロケットエンジン。高度約25 kmでは、軌道上への最終的な上昇に向けてロケットモードに切り替わる。

将来的には、航空機のように再利用可能な打ち上げロケットのベースとなりうるものだという。

ロケット内への酸素供給量はそれほど多くなく、同じペイロードを軌道上に運ぶのでも現行の発射装置の規模の半分でよく、大幅なコスト削減やより高い発射速度が実現できる可能性があるとしている。

 

 

このプロジェクトは2010年から始まり、2019年にはエンジンテストが成功している。

欧州宇宙機関(ESA)が1,000万ポンド、英国宇宙局(UKSA)が5,000万ポンドを投資している。

 

 

フェラーリの新インタークーラーは、この丸型2つをサンドイッチしたような形に見えます。

コンプレッサーからの流路はまだ不明ですが、十中八九この技術が使われているでしょう。

まとめ

航空宇宙技術を使った熱交換器、噂ではメルセデスが使っているとの話でしたが、フェラーリも使っているようです。

 

コンプレッサーで圧縮された高温空気を冷やす事は、空気の酸素密度が増加する為パワーアップに繋がります。

その空気を冷却出来る温度は、レギュレーションで気温+10℃までしか許されません。

 

冷やしすぎても燃焼に問題が出る為、インテーク時点では約55℃と言われています。

 

この技術によってパワー差がつくのではなく、吸気温度の安定化やインタークーラーの小型化軽量化、それに付随するラジエーターの小型化軽量化など、スペースや重量面でアドバンテージが見込めると言う事になります。

 

Reaction Enginesにより技術供給が開始されたという事は、SABREエンジンの開発が順調で実用化段階へ進んだと考えていいでしょう。

開発によって得られた技術を供給する事で、投資の回収段階に入ったとみられます。

 

空対空インタークーラー勢は、来年以降この技術を取り入れてくるのか? 注目される部分となるでしょう。

 

※インタークーラーには、PU開発凍結が関係ありません。