ルノーF1チームのオフィシャルスポンサーMicrosoft は、2020年10月1日にダニエル・リカルドが出演する動画を公開。
Microsoft Surfaceをアピールするためのものだが、その動画の中にモノコックとパワーユニットの接合部分が映っており、F1メカ好きの海外ファンやジャーナリストによって解析された。
2019年のものとは言え、ここまで公開されることは滅多にない。
ルノーRS19のモノコック
冒頭の数秒間にモノコック後部が映し出されている。

海外ジャーナリストで最もF1マシンに詳しいスカボロー氏による解説。
Where the Power Unit and its components are positioned pic.twitter.com/r0GOozryuW
— Craig Scarborough (@ScarbsTech) October 9, 2020
後部にあるタービンで圧縮された空気は、左側サイドポッド内にあるインタークーラーを通り、モノコック内部を通り、可変吸気トランペット付きプレナムチャンバーへ導かれる。
かなり前にプレナムチャンバー部分の画像はネット上に公開されていたが、可変吸気トランペットを動かすアーム類などが見えます。エンジンの稼働パーツ類は全て油圧制御になっています。
ルノーRS20の進化
ルノーのRS20はナローノーズ化、ケープの大型化など、メルセデスに追従するようなマシンデザインを進めてきました。
低ダウンフォースサーキットでは速く、高ダウンフォースサーキットでは遅いと言った印象でしたが、ここ2戦続いた高ダウンフォースサーキットで明らかに速くなっています。
ルノーチームがナローノーズに対する理解が進み、様々なソリューションが噛み合い出したと考えられます。

トスカーナGP(ムジェロ)に投入したフロントブレーキダクトを利用したホイールからの空気吹き出し。
それまで無かったと言う驚きもありますが、フロントウィング、ケープ、ダクトそしてバージボードを変更しレーシングポイントに迫るスピードを手に入れています。
高ダウンフォースサーキットでは速度の上昇に伴いフロントウィングのダウンフォースが増加、フロントのボトミングを微妙に抑えきれていなかったと思う。(フロントサスペンションアームやバージボードではわざとリフトを作る)
フロントウィングの位置を路面に対して一定に保つ事が出来るようになってきた。レッドブルにも言える事ですが、フロントウィングの上下動と左右の傾きを抑えるロール制御が、空力パーツだらけになったフロントから始まるマシンの最適解であるはず。
メルセデスが常に示したきたロールロックやフロントの硬さに、ようやく気付いたと言う事なのだろう。

成る程
ただ私はRBのフロントウイング翼端板の孔も良いアイデアになるのかな?と思う
今シーズンのルノーPU、最新型E-Tech20の詳細は知らないのですが、
他3メーカーと違ってプレナムチャンバーが左右バンク一体型と思うのですが(メルセデス、フェラーリ、ホンダは左右バンク独立型)
Vバンク内吸気の場合に左右バンクを別々に制御するのが一般的と言われますが、一体型を採用する事で全て同調させていると考えられる(現在の技術では一体型でも個別制御出来るかも知れない?)
1980年代初期のルノーV6ターボや、後期に登場したTAGポルシェV6ターボは、サージタンク(現在のプレナムチャンバー)が左右独立型で、ホンダV6ターボやフェラーリV6ターボのサージタンクが左右一体型が特徴だったのをよく覚えています。
余談なのですが
フェラーリが初めて採用したバンク角120度V6ターボでは、
バンク外側が吸気なので必然的にサージタンクは左右で別れますが(^.^)
インタークーラーの配管がモノコック内を通っているというのが目からうろこです。
車体とPUを総合的に開発する必要がある、という意味の一旦を見た気がします。
メルセデスはモノコック内部にインタークーラーがあります。
PU本体ではない補器類のパッケージングは、ワークス系が有利ですね。
ルノーRS20も、どちらかと言えばハイーレーキ型に属するマシンと思っています(チーム側はハイレーキ型からの脱却を目指しているようですが)
リカルドも、レッドブル時代から、
このタイプのマシンを操るのが上手いドライバーに思います。
2019年レッドブルがホンダPUに変更したので、ルノーワークスに移籍したが、
今でもフェルスタッペンのチームメイトに相応しいのは、やはりリカルドしかいないと思っています。
チーム全体のレベル底上げのためにも?
来シーズンから、いよいよアロンソがドライブしますが、
どのような手綱さばきをするか?興味深々です。