12月に入り2023年が終わろうとしています。
F1は全22戦行われ、レッドブル・Honda-RBPTが21勝もしてしまいました。
昨年に引き続き強すぎるレッドブルでしたが、裏を返せばライバル達の不甲斐なさが目立ったシーズンだったと思います。
簡単に確認しておきましょう。
メルセデスとフェラーリの失敗
昨年のW13に引き続きこんなマシンを開幕に持ち込んだメルセデス。
またしても横幅が無いサイドポッドだったW14に唖然としました。
これを主導していた眼鏡君は事実上更迭されました。
しかし、元が失敗してもチーム力は凄まじく、出来る限りの改善をしたW14はハミルトンをランキング3位に押し上げた。
サイドポッドはトレンドに乗っ取ったデザインへ、フロントウィングは左右フラップ中心が膨らんだ形状でしたが、ノーズから翼端板に向かって下がっていくデザインへ変更されている。
ノーズ、モノコック、ギアボックスなどの基本ベースが2022規定に対して全くと言っていいほどに用意されていなかった。
ある意味捨てた2022・2023年シーズン、ベースを変更する2024年は古豪復活の初年度となるだろう。
フェラーリは2022年前半戦をレッドブルに迫る活躍をした。
その為、マシンの空力概念の方向性は変わらず、リアが不安定な状態で開幕戦を迎えてしまった。
フェラーリは2022年よりもサイドポッド後方のコークボトルラインを増加させていた。
RB18の何を見てきたのだろう?と言う印象のSF-23だった。
その後の改善でリアの不安定さを取り除く事に成功した。
コークボトルラインは弱まり、サイドポッドは控えめなダウンウォッシュ型へ変更されました。
メルセデスとフェラーリが共に間違っていた。
サイドポッド側面の流れをリアディフューザー上に引き込んでしまうデザイン。
これによってフロアエッジからボトムに入り込む空気量が増えてしまう。
2023年から15mm上がったエッジの高さが、これらのデザインを完全なる失敗に変えてしまった。
(2022年まではそれなりに機能していた。)
マクラーレンとアルファタウリの猛追
マクラーレンは夏頃からの改善がタイムに繋がっていき、レッドブルに迫る事が出来た。
フロアを大幅に改良してサイドポッドは開幕時よりも横幅を増加させている。
アルファタウリはトップチームに必ずあるデザインを導入していったら速くなった。
フロアエッジウィングを大型化したアメリカGPから中団の上位で勝負できるようになり。
最後はトップ4チームに次ぐ速さを見せてくれた。
この2チームにおいては、レッドブルの空力概念を再現している事に尽きるだろう。
特にフェンスからフロアの途中までは似たものになっています。
マクラーレンは代表がオープンな姿勢でマシンの改善度合いを語り、その通りに速くなっていった。
アルファタウリはアメリカGPから激変して驚きました。(ちょっとセット当たっただけだろうと思っていたら普通に速かった。)
2024年に期待できるチームとして、メルセデス、フェラーリ、マクラーレン。
そしてアルファタウリ(レーシングブルズ?)はトップ4の後ろを争う位置だろうと思っています。
結局の所、レッドブルが正解を出しまくっているという事ですので、どのチームも似たようなデザインになってくるのでしょうか?
なりますねー。
ただし、マクラーレンの開幕時の失敗例もあり、理解して機能する真似ができなけばなりません。
RBは空力も良くなりましたが、単純に軽くなったのもタイムに直結してそうだなって思いました。
それよりもATですね。
誰もがたまたまハマったと思った結果が、その後続くことになるサプライズ。
ATに関してはリアサスを入手したことがいちばんの収穫でしょうね。
それに合わせたアップデート。
理解するのが早かったのはATらしくないですが。笑
多分RBの予算であぶれた人材が投入されているでしょうから、半年かかった事は1からやり直したと判断できる期間です。
2024年は、フロントサスペンションもレッドブルの使うとエギントンが発言しましたね。
そうですか、2023開幕してすぐにトスト怒り事件発生した時点で決まっていたので、、
使わない理由が無いのです。
アルファタウリ、角田くんのコメントが本当なら人材がかなり増強されてもはやミナルディの影もなくなるのかなぁ。
レッドブルが唯一落としたシンガポール。
最高速300km/h超のストレートが2本(来年は1本?)あり、最大ダウンフォース仕様のリアウイングが上手く機能しにくいとの事でしたが、このあたりもRB20では改善されますかね?
バランスとれるなら改善するでしょうけど、他でスポイルされてしまうなら、シンガポール捨ててでも他を勝ちに行きますかね。
ライバルがレッドブルに近づく程に、ライバルもシンガポールでは上手く行かない可能性が上がりそう。
最大ダウンフォースのビームウィングの方が問題ですね。
レッドブルはフロントサスの動きが悪く縁石を使いこなせない。
フェラーリが市街地で速い理由にフロントサスのしなやかさがあります。
モナコやシンガポールは捨てレースでいい。
グラウンドエフェクトカーがスタートした初年度2022年から2年目の2023年途中まで「ゼロポッド」こだわり続けたメルセデスですが、
2021年までのステップボトムだったマシンW12(ロングホイールベース+フラットレーキ)に「ゼロポッド」を取り入れていれば違う結果に?
すいません。
メルセデスのファンでも無く贔屓にしている訳では有りません。
レギュレーションが完全に変わったから「ゼロポッド」と言うコンセプトを使って
アドバンテージを得ようとチャレンジしたのか?
1992年フェラーリF92Aが「ツインフロアパネル」を採用して結果的に失敗したけれども後にトロロッソが違う形で取り入れて採用したみたいに「ゼロポッド」も
再び現れる時が(未来のF1マシンからサイドポッド無くなる?)
厳しいレギュレーションの下、画一化したF1マシンに少しでも違い個性的な所が見たいF1メカニズムファンです。
2021年までは全てのチームがほぼゼロポッドでした。
なぜ、思ったように空気が流れないのか?
バージボードとポッドウィングを失ったからです。
ディフューザー上面へ大量の空気を流せばダウンフォース数値が最大化されるのはW13が示しています。
これを主導した方も代表もダウンフォースが高いとコメントしています。
但し扱いきれるものでは無いのです。
レッドブルの課題は、何と言ってもペレスですね。
マックスに太刀打ち出来ないのは仕方無いにしても、せめて2番少なくとも表彰台3番以内に毎回顔を出すだけの継続一貫性が必要なのは明らかですね。
これはレッドブル首脳陣もペレス本人もよく承知している事ですが、こればかりはペレス自身が解決克服しないといけない問題。
来年このまま状態が続けば他チーム(特にライバルのメルセデス、フェラーリ、マクラーレン)に突け入る隙を与えて狙われる(マックスだけをマークする?)
レッドブルと違って2人のドライバーの粒が揃って実力差が少ないのがメルセデスとフェラーリとマクラーレンですね。
それでも今シーズンのメルセデスはラッセル元気無かったですね。
ハミルトンの方が安定していた。
それにマクラーレンも新人ビアストリが先輩格ノリスを上回る場面多かったですね(エースNo.1ノリスも安泰では無い)
フェラーリのルクレールとサインツとは、ほぼ互角。
マックスだけに独占集中した勝利が分散すればチーム戦略次第でコンストラクタータイトルだけでもレッドブルから奪い取れるチャンス有りますね。
メルセデスW14の2枚目画像を見まして新ためてロールの激しさ感じました。
左側が沈み下がって路面スレスレ、右側が浮き上がって路面から離れる?
左右がアンバランスでも瞬間的な状態だとグラウンドフェクトカーは何事も無くクリアするのですね。
以前のフラットレーキマシンW12とは見違える光景です(レギュレーションが違うマシンなので当然と言えば当然ですが、あまりの違いに驚きを隠せません)
完全にロールロック機構は切り離して解除しているのは一目瞭然ですね。