2021年のF1マシンはフロアのダウンフォースが低下、路面との間に発生するグランドエフェクト効果が低下した。
この事からも今年は少しでも上がったパワーをウィングドラッグとのトレードオフで使ってくると思っていた。
しかし、蓋を開けてみればトップチームにおいて、アルガルヴェ・カタロニア・ポールリカール・レッドブルリンク・シルバーストンなどのパーマネントコースではウィングのダウンフォースとドラッグを減らし、加速と最高速度を高めたマシンが勝っている。
ダウンフォースとドラッグはトレードオフ
コース上に置いてある空気、そのままならエネルギーの変化は起こらない。
そこをマシンが通り抜ける事によって、空気から様々なエネルギーを取り出して走っている、特にF1マシンはその重要性が高い。
ダウンフォースとドラッグの比例関係が崩れるのはグランドエフェクト効果、圧倒的にドラッグが少ない。
その効果を高めるために、フロントウィング・ノーズ・バージボード・フロア・ディフューザーなど、あらゆるところで空気を上下左右に方向付ける事が必要になる。
それらは最終的にマシン後部の負圧の大きさに繋がり、前面にある正圧との差によって加速や最高速度に関係するドラッグが決定する。
上位マシンはウィング以外のドラッグが多いが、その分フロアダウンフォースが高く、特に中高速度域においてその差が大きくなっている。
イギリスGPのリアウィング比較
イギリスGPにおけるメルセデスのリアウィングは、今季最高のロードラッグ仕様、フラップ頂点部分を大胆に低く設定していた。
レッドブルはアゼルバイジャンやポールリカールで使用したものに近い。
常に最高速度の上位に食い込んでくるハースのリアウィングは大きい、他の部分で発生するドラッグ(ダウンフォース)が少ないので、リアウィングのドラッグを物ともしない、フェラーリPUのローパワーも関係ないのです。
まとめ
上位チームはフロアダウンフォースを高めるために、細かいフィンやストレーキで空気の流れを変化させるためドラッグが多くなる。
中高速サーキットでは、失ったフロアダウンフォースを取り戻す為にウィングで稼ぎたいが、ドラッグのためターンゲインよりストレートロスの方が大きくなる。
ダウンフォースを削りすぎれば、タイヤ摩耗が増加したり、硬めのタイヤを機能できなくなる。
昨年より確実に角度の浅いリアウィングが、使われる事が多くなっている現状。
今後もこの状態が続くだろう、全開率が高いサーキットはダウンフォースを1段階減らす事が常用されていくと思う。
スプリント予選が決まったモンツァは、また違った展開になるかなぁ。
リアウィングの角度は今後もポイントとなる。
レッドブルは面白い形をしていて、特に気になる空力パーツの一つです。
リアウィングのドラッグを減らして好調のレッドブル、
これまで弱点だったリアのピーキーさが目立たなくなったのは興味深いですね。
ハイレーキの場合、リアの車高制御が重要なポイント。
約750kgマシンの荷重移動分で下がる+速度増加で増えるリア寄りのダウンフォースで下がる
それを決定するヒーブサスペンションの調整とそれを理解してスロットルを操作できるか?
ここ3戦は、マックスは良くなってるけど、チェコは悪くなっている。
フロントノーズ上部カバーを外せば露出する
フロントサスペンション(プッシュロッド式)に対して、
リヤサスペンション(プルロッド式)は全く見られる機会(画像)が無いですね?
細いプルロッド棒の付け根側(ギヤボックスケース底)のサスペンションユニットが?
フロントサスペンションのストロークは限り無くゼロに近い?ですが
レーキが付いて大きく可変ストロークするリヤサスペンション。
リヤ側はPUからの駆動を効率良く路面に伝える役目もあって重要ですね。
メルセデスが公開した3Dモデルが基本的な形で全チームが採用していますね。
ありがとうございます。
詳しいレイアウト図です。
中央に2本、垂直に並んでいる円柱?はトーションバースプリングですね(上部を固定して下部のロッカーが回転してトーションバー捻る)
リヤにプルロッド式を真っ先に取り入れたのはレッドブルですよね。
整備性悪くなりますが、ユニットが全て低い部分に集約出来るので重心を低く出来る。
フェラーリがフロントにもハイノーズで唯一プルロッド式を使った時もありましたですね?
来年グラウンドエフェクトカーで少しでも重心低くするためにフロントにもプルロッド式を使うチームが出てくるのではと思っています。ノーズ高さも低くなるので?
ノーズの上面は下げられたが、下面は空気の流れにおいて最重要なところ。
どれだけ空間を作れるか?
フロントプルロッドを使うと、ロッドが路面とほぼ平行になり、ロッカーの稼働が減る。
バンピーな路面や縁石に対応出来なくなる。
ノーズ下にアームが取り付けられ空力的に良くない。
大失敗の歴史は繰り返さないと思います。
これまで通りフロントにはプッシュロッド式、リヤにはプルロッド式の基本路線を継続ですね。
アーム類も上手く配置しないと空気の流れを邪魔しますからね?
レッドブルホンダやメルセデスは勿論、おそらくマクラーレンもヒーブユニットには皿バネ使っているでしょうが、
まだフェラーリは今でもコイルスプリングを使っていそうですね?
コイルスプリングだと構造状、どうしても太く大きくなってしまう?
ノーズがナロー化出来ないのとは直接関係しないかと思うのですが?
2019年を最後に見ただけなので、もしかしたら皿バネに変更しているかも知れない。
プルロッド式について余談すいません。
プルロッド式のロッド棒は引っ張り方向に力が掛かるので、細くても充分強度は大丈夫ですね。
プッシュロッド式のロッド棒は押し込み方向に力が掛かるので太い。
過去のマクラーレンMP4/4(1988年)、MP4/5(1989年)、MP4/5B(1990年)のフロントサスペンションはプルロッド式だったので、ロッド棒がピアノ線かワイヤー線と思えるくらい大変細く見えて強度大丈夫かなぁ?と当時思いました(知識不足だったので?)
MP4/6(1991年)にはプッシュロッド式に変更になりましたが、コイルスプリングとダンパーのレイアウトが大幅に変わった(垂直→水平)
レッドブルRB16Bのリヤサスペンションのプルロッド棒が大変細い。
私的なフロントプルロッドの成功と思えるのは、アロウズA21ぐらいしかないです。
2012からのフェラーリは制御に苦労しながら3年間も使って結局やめた。
過去のF1マシンとか見ても、圧倒的にフロントはプッシュ式が多く使われてプル式は少ないですね。
マクラーンMP4/4の実質デザイナーであるゴードン・マレー(スティーブ・ニコルズとの共同設計とも言われていましたが)は、
ブラバム時代からフロントに好んでプルロッド式を使っている様な気がします(ウイングカー全盛期に他のチームがロッキングアーム式が主流のマシンにプルロッド式をいち早く導入)
ブラバム時代最後にデザインしたBT55、通称「フラットフィッシュ」と呼ばれるローライン型F1マシンにも、マクラーレンMP4/4と全くソックリのフロントにプルロッド式サスペンションを取り入れた。
まだハイノーズやスラントノーズのマシンが存在していなかった頃でしたですね。
ゴードン・マレーと言えば「ファンカー」が代表作として有名ですが、
私には1981年のブラバムBT49Cに使われた「ハイドロニューマチックサスペンション」が忘れられません。
言って見れば「アクティブサスペンションもどき?」みたいなシステムでした。
電子制御は全く使っていない油圧オンオフだけの操作でしたが。笑
今年は特に上位勢はロードラッグセッティングでとりあえず予選でポールを獲ってトラックポジション重視した方がお得な感じですね。
乱気流の酷い現行マシン、繊細過ぎるピレリタイヤ、オーバーテイクは至難の業になってしまいましたね。今年のフロアカット等も影響してたりして…。
何気に、F1初のプルロッド採用はホンダRA271だったと思います。RA272からは普通のアウトボードになってますが。
メルセデスのロードラッグリヤウイング採用は
内圧を低く出来る新タイヤのお陰もあるのではないでしょうか
新構造リアタイヤの内圧は高いです。(イギリスGPでは、昨年より+2psi)
まだ、使用1戦目だったので今後低くなっていく可能性はあります。