F1の2022年レギュレーション改革に向けた正式な発表が行われた。

FIAが公表した英語のレギュレーションより現時点でわかっている内容や違いについてまとめておきます。

 

期待していた音を改善するための最大燃料流量アップや最大燃料流量発生回転数の変更は無く、パワーユニット(エンジン)についてはほぼ変更無しです。

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2022年F1コンセプトマシン画像

https://www.formula1.com/
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フロントウィングは翼端板側が低くなるように規制され、2019年フェラーリタイプに似た形になる、プレートは3枚になりノーズに接続されなければならない。リアウィングは基準面から900mmのようだ、幅はかなり大きくなっている。

フロアはステップドボトムからトンネル形状へ変更される。2019年インディカーよりもかなり深い設定が特徴的です。Tトレイが廃止されるためレーキセッティングは各チーム容易に設定できる。

フロントタイヤとサイドポッド間のエリアはボディーワークが禁止されバージボードは姿を消す。また各種フィン状のパーツは規制されボルテックスジェネレーターは極力排除される。

2022F1マシンスペック:数値比較

項目 ~2021 2022~
全高(mm) 950 960
全幅(mm) 2,000 2,000
車体幅(mm) 1,600 1,600
フロントウィング幅(mm) 2,000 2,000
リアウィング幅(mm) 1,050 1,230
リアウィング高(mm) 870 910
最低重量(kg) 752 795
PU最低重量(kg) 150 150
ホイールベース(mm) 無制限 最大3,600
ホイール(inch) 13 18
タイヤ外径(mm) 670 725
ブレーキ幅(mm) 32 32
フロントブレーキ外径(mm) 278 330
リアブレーキ外径(mm) 278 278
エンジン形式 V6直噴ターボ
排気量 1,600cc
エンジン最高回転数 15,000rpm
最大燃料流量 100kg/10,500rpm
タービン最高回転数 120,000rpm
MGU-H(125,000rpmまで) 出力無制限
MGU-K(50,000rpmまで) 120kw(161hp)

エンジンに使用できる材料が規制されるためパワーユニット最低重量は+5kgの増加、ホイールなどの重量増のためマシン最低重量は過去最高の790kgとなる。

燃料ではバイオ成分が現行5.75%⇒エタノール10%に限定される。

ターボチャージャーとバッテリーは共通独占契約が盛り込まれているが、各メーカーの反発により撤廃になる可能性が残されている。

新たにエキゾーストシステムの年間8基規制が導入される。

まとめ

まだまだレギュレーションを完全に読解していないためわからない事が多いですが、マシンについてはコンセプトカーに似たものになるでしょう。各種寸法やボディラインに対しての細かい規制が盛り込まれて、デザイン自由度が無くなっているようです。

パワーユニットについては完全に拍子抜け、現状のレギュレーションを継続した方が開発費用が抑えられるとのメーカー主張が重要視された。これにより実用回転数を上昇させて音量を上げる事が出来なくなってしまった。

年間使用基数規制がありマイレージを考えたら実用回転数を上げる事は出来ないですよね。

 

パジェットキャップ(予算制限17,500万$)が導入されるので、開発余地の少ないレギュレーションになる事は当然と言えば当然の進むべき道なのでしょう。

マシン開発面の差は減少し、ドライバーズチャンピオンシップを前面に押し出したいFOMの意向が反映されたレギュレーションです。

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