2019年第7戦カナダGPは、フェルスッタッペン5位、ガスリー8位、クビアト10位と言う結果に終わった。
ホンダ勢としては、フェルスタッペンがQ2で敗退したことにより決勝では表彰台争いに絡む事も無く、惜敗と言っていいだろう。本当のパワーとグリップがあるマシンは楽にタイムが出ている事からも、フェラーリやメルセデスにはまだまだ及ばない事と、予選でルノー勢にすら負けてしまった事が気がかりである。
予選タイム+0.839秒差
POS | ドライバー | F | S1 | S2 | SPD-F | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
1 | VET | 305 | 19.357 | 22.427 | 334 | 28.456 | 1:10.240 | 3 | C5 | |
268 | 291 | 305 | ||||||||
2 | HAM | 298 | 19.323 | 22.369 | 327 | 28.754 | 1:10.446 | 0.206 | 3 | C5 |
266 | 287 | 299 | ||||||||
4 | RIC | 301 | 19.692 | 22.613 | 331 | 28.766 | 1:11.071 | 0.831 | 3 | C5 |
267 | 289 | 302 | ||||||||
5 | GAS | 297 | 19.537 | 22.569 | 323 | 28.973 | 1:11.079 | 0.839 | 3 | C5 |
263 | 283 | 294 | ||||||||
10 | MAG | 294 | 19.842 | 22.990 | 327 | 28.954 | 1:11.786 | 1.546 | 2 | C5 |
262 | 285 | 295 | ||||||||
12 | KVY | 292 | 19.954 | 22.903 | 324 | 29.064 | 1:11.921 | 1.681 | 2 | C5 |
261 | 280 | 293 |
※SPD-Fはシケイン(ターン13)手前の最高速度
決勝タイム差+57.655秒
スタートではアルボンがフロントウィングを飛ばしてしまった。ここで彼のレースは終わる。
Too close for comfort for @alex_albon on the opening lap in Montreal 😣 🇨🇦#F1 #CanadianGP pic.twitter.com/3Dtvi54hpT
— Formula 1 (@F1) 2019年6月10日
挟まれて行き場がない、仕方ないね。
ガスリーは5位、フェルスタッペンは9位、クビアトは10位でスタート順をキープしている。
先ずはガスリーがリカルドを早めにパスする事に期待したが出来なかった。序盤の数周DRSを使う事ができたが、リカルドが302km/hぐらい、後ろのガスリーはトウとDRSがあるのに324km/hであった、これでは横に並ぶ事すらできない。
6周目のDRSとノリスのトウをとらえたフェルスタッペンは332km/hまで加速して、303km/hのノリスをパスする。
トップ3より約1秒遅いペースのリカルドに阻まれていたガスリーは、7周終了後にピットへアンダーカット狙いだが、翌周にリカルドがカバーに入り逆転できず。Hスタートのストロールをパスしていったリカルド、対してガスリーはストロールをパス出来ず45周まで延々と後ろを走る事になった。ストロールがピットインした後8位単独走行でフィニッシュしている。
前が開けたフェルスタッペンはボッタスに迫る、ボッタスは前のヒュルケンベルグがいなくなった17周からペースアップ、それに2秒以内でついていくフェルスタッペン、ボッタスは30周終了時点でHへ、リカルドの後となる。
リカルドに捕まっている間に逃げたいフェルスタッペンだったがペースは上がらない。約14秒後方だったリカルドとボッタス、ボッタスがリカルドをパスして約1.5秒速いペースで迫ってくる、この時点でボッタスには勝てない事がわかった。ルノー勢の前でなんとか戻りたいが、ピットインロスタイム約18秒差を付けられない。
48周終了時点でMへ、ルノー2台の後ろとなる、あっさりと2台をパスしてボッタス追撃を試みるが、逆にどんどん差を付けられ約22秒差となっていた、そのためボッタスはファーステスト狙いでピットインする事ができている。
クビアトは12周終了時点でHへ、14位までダウンしたがサインツを追いかけるように、マグヌッセン・グロージャン・ジョビナッツィをパスしていき11位となっていた。46周目にストロールがクビアトの前で戦線復帰、終盤にペースアップしてストロールを追いかけると、サインツをストロールがパスした直後のターン1でサインツのインに飛び込んだ。
Skills!
👏 @kvyatofficial #CanadianGP 🇨🇦 #F1 pic.twitter.com/Euv9Irl1gn
— Formula 1 (@F1) 2019年6月11日
最後に魅せてくれたクビアト!グッジョブ!!
5位フェルスタッペン、8位ガスリー、10位クビアトとなったホンダ勢であった。
まとめ
プラクティスからかなりタイム差があったレッドブル、予選でまさかの事態が起こってしまった。Q2落ちフェルスタッペン、リカルドのスーパーラップで逆転されたガスリー、タイムが伸び悩んだトロロッソ2台。
ホンダパワーが足りないのかな?スペック2を投入してから4戦目でありヤレが出てきた可能性もある。
レースでDRS無し、リフト&コーストしていないであろうファーステスト記録時の最高速をサンプリングしてみました。
N-DRS | VET | RIC | HAM | VER |
SPD | 314 | 314 | 307 | 304 |
ドラッグ&パワーの差が現れた最高速となるのですが、ホンダがルノーに劣っているのではなく、大きくはドラッグの差である。
ターン2を通過している時のほぼ同角度の画像比較です。
ルノーのリアウィングが薄いため、フェラーリと同等レベルのスピードを記録。レッドブルは角度は浅いが前面投影面積は広めとなる。メルセデスは角度がきついのかな?毎度毎度変わる今のリアウィングは正直何がなんだかわかりませんね(笑)
2016年まであったリアウィングのRは真円で無ければならない規定の方がわかりやすかったです。
何にしてもレッドブルホンダはパワーサーキットであるモントリオールで大敗が事実です。
次戦フランスでスペック3投入、イタリアでペナルティを受けるスペック4の噂まで現実味を帯びてきています。
今年中にパワーで追いつく事ができるのか?そんなホンダに期待です。
浅木さんの言っていた、まずパワー、次に信頼性の順でいくと、スペック3はパワーを増したエンジンでしょう。ポールリカールで投入という情報も出てきました。
車体の面から見ると、低速コーナーのスピードが遅い、ヘアピンでボッタスに引き離されるフェルスタッペンはちょっと気の毒でした。やはりアウトウォッシュを失ったマシンではハイレーキコンセプトは実現出来ないのかもしれません。
今後ホンダがさらにハイパワーを実現した時、レッドブルの空力コンセプトに大きな変化を起こさなければ万年3位チームとなるかもしれません。
田辺さんのコメントを見ると、思いのほか前車の影響で空力・ブレーキだけでなく吸気温度も影響を受けてなかなか抜けなかったみたいです。
フェルスタッペンがMに交換してルノーの後ろに戻った時にはさすがにヤバイと思いましたが、中古とは言えあっさり2台抜いたのはさすがでした、悪いけどガスリーではこうはいかなかった気がします。
ガスリー頑張って改善してきていると思うんですが、やはり予選にしても決勝にしても今のレッドブルホンダはチームで戦う事が必要で、孤立無援のフェルスタッペンは苦しいですね。メルセデス+ハミルトン位でしょうか、一人でも関係無しで勝ってしまうのは。
次戦でのパッケージでのアップグレードとガスリーの更なる進歩を期待します。