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世界的なパンデミックにより、収入が激減したF1やチームは、運営資金面の不安要素を抱えている。そして、この状況は高コスト体質を見直す絶好の機会となっている。

勝つ為に他より優位に立つ為に肥大化してきた結果、トップチームであれば約900人の従業員を雇用しているのが現状、予算制限により主にエンジニアの削減が行なわれていく事になる。

そしてもう一つ、チャンピオンシップ順位に応じて、翌年の空力開発時間を、増減させるハンデキャップ制度も導入される事になった。

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予算制限の段階的な削減

制限金額($) 円(107/$)
2021 1億4,500万 155.1億
2022 1億4,000万 149.8億
2023 1億3,500万 144.4億
2024 1億3,500万 144.4億
2025 1億3,500万 144.4億

上の表のように段階的に削減していく事になる。この予算制限に含まれるものは、主にマシン制作費用や研究開発に携わるエンジニアの給与になる。

とある海外サイトの予測だと、650人程度のエンジニア数になり、その影響を受けるのはフェラーリ、メルセデス、レッドブル、マクラーレン、ルノーの5チームだけだとみられる。

除外される主な経費

  1. マーケティング費用(プロモーション関連)
  2. ドライバーの年棒及び旅費と宿泊費(家族やサードドライバーも含まれる)
  3. チーム首脳陣3名の年棒及び旅費と宿泊費
  4. 従業員のボーナス(報酬総額の20%、1,000万$のいずれか低い方)
  5. パワーユニット供給境界内の商品およびサービスのコスト(上限1,650万$)
  6. 減価償却費、償却費、減損損失(ファクトリーや設備)
  7. 競技・テストに関わる人員の旅費と宿泊費+パワーユニットと燃料・オイル
  8. FIAに支払う登録費用

ドライバー、チーム首脳3名、マーケティングに携わるスタッフの給与は除外となっているし、高コストのPU、遠征に関わる旅費なども全て除外、建物や設備も除外、はっきり言ってぜんぜん削減になって無いんですよねぇ。

空力開発ハンデキャップ制度

コンストラクターズチャンピオンシップ順位を元に、空力テストに関わる制約事項(ATR)を増減させるハンデキャップ制度が導入されます。

順位 2021 2022~25
1 90.0% 70.0%
2 92.5% 75.0%
3 95.0% 80.0%
4 97.5% 85.0%
5 100.0% 90.0%
6 102.5% 95.0%
7 105.0% 100.0%
8 107.5% 105.0%
9 110.0% 110.0%
10&NEW 112.5% 115.0%

ATRは主に週25時間の風洞実験の事を指し、風洞orCFDを選べる規則です。この25時間を100%として考え、チャンピオンシップ順によりその割合を増減させます。

2020年の最終順位を元に、2021年1月1日~6月30日までの使用時間が決められ、2021年6月30日時点の順位により、2021年7月1日~12月31日の使用時間が決められます。

半年ごとのチャンピオンシップ順により割当て時間が変化する事になります。

例、2020年最終5位だと2021年1~6月末までは100%となり、2021年6末時点で3位だと7~12月末は95%になる。

 

1年以上も要するマシンの製造において、空力の凍結は前年の9,10月である事から、このハンデキャップの影響を最も受けるのは翌年のマシンとなります。

まとめ

レースが休みになり、危機感が募る中で色々なコスト削減案がどんどん提案され決まっていく。FOMとチームが本当の意味で歩み寄っている、そんな印象を受けます。

今まで全く進まなかったコスト削減案、お金持ちだったトップチームも自身を守るためにかなり協力的になっています。

 

除外経費が多すぎてはっきり言って予算はまだまだ多いのが現状です。過去の予算を振り返ってみましたが、トップチームで言えば10年前ぐらいの水準になる感じでしょう。あの頃は年間50憶ぐらいで全てを賄っているチームがあったぐらいです。

 

空力開発制限ハンデキャップは、面白い試みだと思う。しかし、トップチームの今までの蓄積データや効率の良い時間の使い方などを考慮すれば、簡単に縮まる差では無い。

今でもトップに君臨するチームが合意したと言う事実が、それを裏付けます。

 

P.S. 5月がやっと終わるあと1か月の辛抱だ。(7月開催されなかったらOTL)