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2019年フェラーリは流量違反していると疑われ、FIAは徹底調査したが証拠は掴めなかった。長く続くであろう法廷闘争を避けるために両者は合意と言う道を選んだ。

明らかにグレーゾーンを超えた技術が合ったように感じるのは、私だけでは無いだろう。

 

2014年から始まったターボエンジンは、常にグレーゾーンを上手く利用したものが勝ってきた事実がある。メルセデスは流量計通過後の燃料を貯め込み数秒間流量を増加させていたし、オイル燃焼技術も真っ先に確立していた。

2020年はやっとかと言いたいぐらい燃料やオイルの制限が厳しくなり、より公平な開発競争の場となると思う。

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燃料流量計の追加

燃料流量は最大で100kg/h(10,500rpm以上)となっている、流量計の数値を超えずに通過後のアキュムレータなどに貯めておいて、数秒間流量を増加させる事は、当たり前の技術になっていた。

そして記憶に新しい未確認技術、流量計にパルス信号を送り、瞬間的な流量オーバーを隠す?記録していない瞬間を狙って増やす?そんな感じのものをフェラーリが使っていたと言う。

 

このような技術は流量計にチームがアクセスできるから起こった事、FIAは暗号化された信号を送信する流量計を追加する事を決定した。この追加の流量計は従来のものの隣に設置されFIAしかアクセスできないものになる。

また、タンク外に許される燃料量は2.0ℓ⇒0.25ℓまで減らされます。

上図は2021年のレギュレーションのものですが、QD以降の燃料が0.25ℓになるという事です。以前私は流量計から高圧ポンプまでは0.2ℓであると記載していましたが、どうやらAMuSの誤情報だったみたいだ。

高圧ポンプ前に許される0.1ℓのアキュムレータは多分今年も使えるだろう。(2021年からはフューエルラインが共通パーツになるので使えないみたいです。)

 

これで当たり前のように行われてきた流量計通過後の燃料を上手にコントロールして、高圧ポンプとインジャクター間で流量100kg/h超える技術を封じ込めます。

実際のところ0.25ℓはまだあるので、ほんの瞬間的にはできるだろうけど・・。

オイル使用制限

エンジンオイルは潤滑剤の概念を超え燃焼の添加剤として使われてきた歴史がある。2017年まではオイルライン規制が無く、フェラーリなどは小型タンクが3つもあり色々な種類のオイルがあったと思われる。

後発だったがホンダもオイルの燃焼をせざるを得ない状況となっていた。

2018年より規則は厳格化され、ある一定の効果はあったが疑念も多く、より厳しい規約へと変化する。

  • レースでの使用制限0.6⇒0.3ℓ/100km
  • マシン搭載総オイル量2.5ℓ
  • AOT(補助オイルタンク)は一つ
  • 予選にてAOTは空、補充の禁止

オイルが燃焼室へ漏れる場所は主にバルブやピストンの隙間となるはず、2018年時点でホンダとルノーはオイル消費量0.1~0.2ℓ/100kmと言われており、潤滑剤として正しく運用されれば2020年規制はなんの問題も無い。

オイル燃焼はある一定の封じ込めに成功していると思う。しかし、エンジンオイルはしっかり消費されなければ潤滑剤としての機能を満たしていない事になる。

 

フェラーリは2018年まで0.5ℓ/100kmの消費量だったとの情報がある(2019年は情報無し)、2020年に向けてはこのオイル消費に適合させるため多くの努力をしたと語っている。

オイル消費量とピストン(オイルリング含め)はマイレージに密接に関係する、オイルに頼っていた何らかの部分でのパワーダウンは否めない。

まとめ

燃料流量とオイル燃焼問題は、年々改変される規制によりやっと公平になると思う。

それこそ市販車に転用できる燃焼技術に近いものになりメーカーとしての本来やらなければならない技術開発となるのです。

 

2020年は、2021年のより厳しい規制への繋ぎであり、4メーカーのパワーユニットは限りなく近いパワーを生み出すと思います。

 

コロナウィルス感染拡大によりヨーロッパは大混乱に陥りそうな中、約2ヵ月(5月下旬開幕の場合)のインターバルを上手に使って開発できる環境を手にしているメーカーは有利になる。

 

その中には日本のホンダが名を連ねているはずなのです。

ただどの分野にも言える事が一つある、開発資金の捻出に苦労するってところかな。