2018年のF1も終わり何だかトーンダウンしてしまった管理人でございます。更新が少なくてごめんなさい。10月に作成したこの記事ですが追記によりVer.1.1となっています。
2019年へ向けてのレギュレーションがようやくまとまったようなので、2018年との違いを再確認しておきます。
フロント・リアウィングの変更
フロントウィング、リアウィングは大きくは拡大する。リアウィング翼端板後方にはLEDライトが追加される。
フロントウィング(mm) | 2018 | 2019 |
ウィング幅 | 1,800 | 2,000 |
フロントアクスル中心線からの始点 | 1,200 | 1,225 |
基準面からの高さ | 75~275 | 75~295 |
エンドプレート(翼端板)の幅 | 50 | 40 |
リアウィング(mm) | 2018 | 2019 |
ウィング幅 | 950 | 1,050 |
基準面からの高さ | 800 | 870 |
メインと上部エレメントの隙間 | 10~15 | 10~15 |
↑DRS時 | 65 | 85 |
リアウィングの高さはバックミラーの視認性を高めるために当初の20mmアップではなく70mmアップとなる。
2019年フロントウィング画像
ハンガロリンクテストにて新規定フロントウィングが登場しています。
フォースインディアとウィリアムズは2,000mm幅とエレメント数5構成でテスト。
リアウィングライト画像
メルセデスが行ったリアウィング翼端板のライト。
バージボードの変更
バージボードの変更は非常にわかりにくい。元々ボディワークの範囲内にあるサイドポンツーン周りは自由だが昨年自由化されたフロントアーム後方からサイドポンツーンまでの間に規制が入る。
高さが150mm低くなるが前方は100mm延長される。
ブレーキダクトの変更
ブレーキダクト周りにあるエアロパーツは禁止され、ブレーキダクトから入った空気をフロントアクスルから真横に排出する事も禁止される。(車輪の回転中心を中心とする、直径105mmの円の内側を通る空気は一切許可しない。)
2018年と2019年のフロントブレーキダクトの比較
2019年よりフロントタイヤ内側に半径180mmの円内に収めなければならない、厚さは120mmとなる。
リアブレーキダクトにあるエアロパーツも禁止だと思っていたのですが、ブレーキダクトの容積規定が2018年度と一緒だと事です。という事で抜け穴的にエアロパーツは残りそうです。
燃料量とドライバー重量固定
決勝における燃料使用量は105⇒110kg(+約4.5%アップ)これにより燃費走法であるリフトアンドコースト(コーナー侵入手前でブレーキとアクセル操作をしない惰性走行、この時リアテールランプが点滅する)が減るとさせる。
最大燃料流量100kg/hだから単純に1.1時間(66分間)は10,500rpm以上の回転数が維持ができることになる。
この燃料量でもV82.4ℓ時代の約半分の使用量となる、熱効率は非常に高い現行パワーユニットだ。
ドライバーの最低重量は80kgに固定され満たないものはシート下にバラストを積む。現状のバラストはモノコックとフロアの間(Tトレイ近く)に多く積まれている。
体重が軽いドライバーは少なくともバラスト位置が多少上方へ移動する。大柄なドライバー達は減量苦から解放される。
マシン最低重量はまた増加し733kg⇒743kgになるがこれをを達成するためにチームは多くの仕事が必要になる。
その他競技規則変更点
2018年PUエレメント規定以上の交換をした場合、ペナルティ15グリッド以上は最後尾。複数いる場合は申請した順(ピットアウトが早かった順)となっていたが、早めにピットレーンに並びポジションアップを図る行為があったため。これを取りやめ予選結果順に変更される。
2021年の大幅なレギュレーション変更のためにCFDの自由化が盛り込まれた。現在、CFDには風洞と共に制限があるが、2021年に向けての研究であれば自由だと言う事。
このCFDの無制限化によって、F1とFIAのレギュレーション策定ワーキンググループは、チームからより正確なフィードバックを得ることができる。そのフィードバックで新たにバトルできるマシンへの回帰を目指す事になるのだろうか。
全体イメージCG画像
※2019年のプレシーズンテストでの画像
まとめ
フロントウィング機能の大幅な改正に伴いマシン全体の空気の流れが変わる。これによりマシンサイドに発生させていたボルテックス(渦流)が減り、後方のマシンに対する影響が減ると言われているが実際どうなるのだろうか?
1991年の日本GPにおいて鈴鹿ターン1でマンセルがコースアウトしたが、前を走るセナはわざと速度を落とし接近させマンセルのフロントダウンフォースを減らしコースアウトさせたと語っていた。あの当時の空力ですら影響が大きいフロントウィングの効果。
2019年に大きくすることは接近しても最低限のフロントダウンフォースを維持できるのだろうか疑問。
オーバーテイクは基本的にストレートエンドで多く起こるだろう。ドラッグの増えた大きなリアウィングとDRS時の20mm拡大された隙間によるドラッグの減少は非常に大きくなるからだ。
要望が一つ通るとすればノーズデザイン。ノーズ先端がウィング先端よりも後方になった規制なんだから、リアタイヤに乗り上げて飛ぶ事もないだろう。ノーズの高さやデザインに自由度与えて個性あるマシンデザインを少しでも復活させてほしいね。
見慣れてしまった凸ノーズだがカッコ悪い事に変わりはないんだけどなぁ。
ノーズでふと思ったんですけどね、Tトレイって抜け穴があるとはいえ下面の高さを制限出来ているのですから、Tトレイの先からノーズの先までの最高高度を真っ平らに揃えたら、ノーズの出っ張りは無くなる気がするんですが…
あの出っ張りは少しでもノーズを高くするためですけど、最低ラインをつけてやったら出っ張らす必要もなさそうなんですよね。
2014年にハイノーズは危ないからやめなさいで盛大に流行った、ち〇こノーズを無くすために2015年に今の規制が導入された訳ですが、ノーズ先端までフロアがなきゃいけない規制かけるとノーズデザインが1990年まで遡る事になる。空力技術的には大きな後進になってしまう。
2015年よりのノーズデザイン寸法規則
初めまして。Lightningと申します。
エアロ関係に関しては、乱気流の原因となるパーツをどんどん排除する方向になっていますね。これ自体はいいと思うのですが、フロントウィングの幅が広がることはやはり解せません。
2014年に、それまで全幅いっぱいまで許されていたウィングの幅が狭められました。理由はダウンフォースの削減以外に、接触、あるいはそれによるパーツの破損を防ぐためだったと記憶しています。これでは以前の反省が活かされず、同じ失敗をしてしまうのが目に見えているようで…。
ただ、2021年案では幅の狭いフロントウィングが使われているので、数年で見納めになるかもしれませんね。
コメントありがとうございます。
私は2009年から一貫して幅広フロントウィングが大嫌いですよ。
来年はタイヤカット攻撃が慢性化するでしょうし、新人ドライバー絡みの接触も序盤は多くなるのかな。
リアが1050mmだからフロントは1500mmぐらいの方が見た目バランスは良いと思うのですけどね。
同感です。
前ウイングがワイドなのはいいと思うけどなあ。 前走車に近づいてもダウンフォース確保するにはウイングいるし。
それより、幅にくらべてやたら車が長いほうが、好みでないといえば好みでない。そっちの方が性能出るから長いのもわかるんだけど、もうちょっと前後長詰めてくれないと、レーシングカーというよりバスかトラックのシャーシのようだ……って検索してみたら、バスだとMK115Fとかのバスで同じくらいのホイールベースらしい。 思ったよりでかいな
私はやっぱり幅広フロントウィングは嫌ですねぇ。2009年の史上最悪のマシンを思い出してしまいます。あの当時は「走るチリ取り」と揶揄されたものです。
せっかく今年は幅広タイヤになってカッコよくなりかけたのに。やはりトップカテゴリーのマシンはカッコよくなくっちゃ!
やっぱりこう、ウイング以外の空力装置なしくらいにやったほうがいいんじゃないかなって気もするね、理想はウイングもなしだけど広告貼らなきゃいけないからそれも無理そうだし……いやまて迎え角制限つければどうか?
他のカテゴリーや歴代のF1より速くなきゃって気持ちもわかるけど、追い抜きとかなさすぎよね今のF1。 先日のWEC、順位の変わる追い抜きはそれほどなかったけど他カテゴリの車を抜いてくだけでけっこうわくわくしたよ。 やっぱり追い抜きがないと見世物としてのレースはダメだ。
皆さん色々な意見があるようですね。
特にフロントウィングには、多様な意見があって面白い。
近年のフォーミュラカーにおいては2009年のF1規定の影響で、全幅と同等になるデザインが主流ですから最近フォーミュラレースファンになられた方は幅広ウィングに対する嫌悪感はないのでしょう。
1,800mm⇒2,000mmの機能性についてはロス・ブラウンさんのマシン改革の第一歩であるし、来年の走りで確認され評価される。
今までと違いCFDによる追走確認をした上での改革だから期待したいですね。でもマノーのCFDモデルだしなぁ・・。
突起ノーズ,カミソリウイング,異常なまでに複雑化したサイドポッド,リア翼端板の段差も解消してほしいです。
2017年辺りからまたF1が面白くなってきました。
2019年が
2019年のフロントウイングは昨年よりすっきりして好きです。(sf90は前から見ると不格好ですが…)
損傷しやすい幅ですが、車幅=フロントウイング幅でタイヤ同士が接触しないように車幅を意識してドライブするにはいいのかと思います。よく単盤がシンプルで5枚構成もかっこいいです。
リアウイングもかっこいいです。
昨年登場のハロは最悪!と思いましたが見慣れてきました。あちこちにゴミのようについている空力パーツが今年は少しは減りましたが、まだ制限をかけても良いかと思います。スリットはいいが出っ張っているのが嫌です。
空力パーツが減れば開発費も抑えられて、チーム格差も少なくなるのではないかと思います。
エキゾーストノートも今の方がエンジンらしくて好きです。
僕もハロは酷い!と最初は思いました。でも安全性は最高ならば・・・いいかと思いました。トト・ウォルフも「今でも見かけは好きではないけど、安全だ。」認めていますし。他に個人的に僕はエキゾーストノートは今より昔のNAエンジン、中でもV12エンジンのサウンドの方が好きです。初めて聞いたF1のエンジン音は24年前の事ですが未だに凄すぎて頭から離れません。最初聴いたのは確か・・・あれはザウバー・フォードorアロウズ・ハートのどちらかでしたけど。巨大な空気の塊がドーンと体当たりしてくる。という感覚だったのは未だに忘れられないです。まっ、今と当時はエンジンの規格、排気量、気筒数その他諸々と変わりましたから。20年以上前の昔話でした。