角田が移籍した事でレッドブルの注目度は増すばかりですが、昨年後半から開発遅れを引きずったRB21は安定したパフォーマンスを発揮できないマシンになっています。

先ず一つ言える事は、真っすぐの状態以外で空力の安定性に欠ける点です。

 

極端に直線的に走らせる必要があり、フェルスタッペンは鈴鹿のS字をジグザクに走っていました。

開幕から5戦が終了、高速寄りのサーキットではそれなりに走れるが中速ターンが増えると途端に戦闘力を失う傾向にあるようです。

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レッドブルRB21のフロアフェンス比較

マクラーレンMCL39との比較です。

フェンスの路面側屋根の曲線が逆になっています。フェンスの先端も丸いマクラーレンが印象的ですね。

フロア中央部分やトンネルへ導く前面投影面積はMCL39の方が広いです。

 

フロアフェンスはフロア前方のDFを作る上で重要なポイント、フェンスの曲線が下向きの方が流れを加速させるのが早くなります。

また、路面側に丸い方が車高変化による影響度合いが減少します。元々レッドブルはRB18からこの様な設定だったのですがRB21で変えてしまった、マクラーレンがそれを進化させています。

 

フロア中央やトンネルへ導く空気量を決める赤いゾーン面積がマクラーレンの方が広い、マクラーレンのリア側フロアDFが多い事を示しています。

レッドブルRB21のディフューザー比較

先ずはレッドブルのディフューザー変化を確認します。

ディフューザー中央部分の丸みが無くなり角ばった形状になっています。

路面に近い部分が多くなりますが、車高変化による影響度合いが増加します。

 

マクレーレンMCL39のディフューザーはどことなくRB19に似ていると思いませんか?

 

成長著しいメルセデスW16のディフューザーです。

センターフラットフロアからの繋ぎが綺麗に流線形を描いています。

あのバウンシングマシンW13に比べるとディフューザー全体が随分と小さく丸くなっています、そして成績は上向きです。

 

メルセデスW16のフェンスも見ておきましょう。

ここもマクラーレンを意識したものになっていますね、下向き曲線を使っています。

まとめ

現行レギュレーションで最も重要なフロア、その入口(フェンス)と出口(ディフューザー)を間違うととんでもない事になる。

レッドブルはRB18から続いていた丸みを帯びた流線形デザインを捨てて、刺々しい形状が多くなり、空力感度が上昇、それを抑えるために硬い足回りで車高変化とロール変化を無くさなければならない。

サーキットによってはハマれば速いけど・・・。

 

RB18コンセプト(ニューウェイコンセプト)をしっかりと理解して、開発を推し進めてきたマクラーレンが現在のトップマシンです。

感度が低くなるように作られたフロアに、空気量を増加させてダウンフォースを増やす。

 

空気量を増やせば感度が上がるのですけどね、その分車高は少し高く設定できるはずです。

ターン中の空力が素晴らしく機能しており、丸みを帯びたデザインの有用性を示しています。

 

どの時代のレギュレーションでも刺々しいデザインになると空力感度は上昇します。

グラウンドエフェクト(空力効果が倍増する)のあるフロアにそれを増やせばこうなるのは必然かと思います。

 

 

レッドブルがこれを元に戻すのはもう不可能でしょう。

RB20からニューウェイの助言を無視した開発を推し進め、今のRB21があるのです。

 

どのマシンもセッティングはシビアです。

その中でもマクラーレンは許容範囲が広く、どのサーキットでも速く5戦中4勝を挙げています。