2022年規定より復活したビームウィング、リアウィングと合わせてサイズを変える。
当初、高速サーキットではビームウィングを小さくしてドラッグ低減が流行っていた。
2024年からその傾向は途絶え、ある程度の迎え角と大きさを確保するセットアップが主流となっています。
なぜ、そのようなセットアップとなっているのかを紐解きます。
ビームウィングのセットアップ
ウィングはその迎え角や大きさによってダウンフォースを生成しますが、ドラッグも比例して増加します。
現状は、リアウィングを1段階小さくしてストレートスピードを確保し、ドラッグを低減しています。
必要なダウンフォースはフロア依存度を上げる事で確保します。
ドラッグの少ないフロアを低速域でも機能させるには、ディフューザーの大きさが必要となりますが、現状は小さく丸みを帯びたディフューザーが主流となっています。
そんな小さなディフューザーを低速域でも機能させる為には、ビームウィングが必要不可欠となります。
高速サーキットであるジェッダで使われたビームウィングを確認してみましょう。
マクラーレンMCL39
リアウィングは小さく、ビームウィングは中程度
レッドブルRB21
リアウィングは大きめ、ビームウィングは小さい
メルセデスW16
リアウィングは小さく、ビームウィングは大きめ
フェラーリSF-25
リアウィングは小さく、ビームウィングは大きめ
まとめ
フロアを低速域から機能させるビームウィングは、リアウィングよりドラッグを生み出さないので、大きめを使用する事は賢い選択と言えるでしょう。
また、高速域でのバウンシング問題を起こすほど、フロアの機能を促進するものではないです。
この楕円系の形状は、ディフューザーの中心部を上昇してくる強い気流にのみ働く様になっています。
翼端板側が低く、上面の正圧ゾーンを横に逃がすようになっており、ドラッグを低減しています。
トップ4チームではレッドブルだけが逆の設定になっています。
リアウィングサイズは、これ以上小さいのがありませんので仕方ないセットアップと言えます。
マシンの素性、特にフロアによってビームウィング・リアウィングの組み合わせは異なりますが、マクラーレンがトレンドを作ったV字型リアウィングは、このセットアップに適したものになっています。
番外編レーシングブルズVCARB02
リアウィングは小さめ、ビームウィングは極小
低速トラクションが無いとドライバーが文句を言っていましたね。
グランドエフェクトが復活したばかりの頃はフロアでは無くフロント、リアのウィングでダンフォースを稼ぐ以前の規格と同じ方法でダウンフォースを稼いだ方がバウンシングなどが出なく有利だった
今はフロアとビームウィングで稼いだ方がドラッグが少なく有利だという感じでしょうか?
またマクラーレンはRB18の系統をフロアで稼ぐマシンにしていったという事でしょうか?
RB18、RB19はまさにそれでしたね、バウンシングの原因になるリア側フロアを攻めずリアウィングに頼る。
今では車高はギリギリまで低く、足回りは硬い、そんな中でも許容範囲が多いのがマクラーレンですね。
マフラー周辺の後方を絞ってるのもビームウィングの効率を考えてなのでしょうか?
それともメルセデスエンジンの特性?
ドラック低減のためですね。
昔のウイングカー時代を引き合いに出してしまうのですが、ウイングカーはダウンフォースのほとんどを左右サイドポッド床下のベンチュリー構造部分で稼いでいたのでマシン前後に付いているフロントウイングやリヤウイングはオマケ程度の大きさしか無かったので空気整流だけが目的の空力パーツだと思っていました?
今のグラウンドエフェクトカーは当時のウイングカーとは違いますがリヤウイングは
車体全体のバランスを取るためには欠かせない比重の高いパーツでしょうか?
超高速サーキットのイタリアモンツァでは
リヤウイングのフラップエレメントは1枚の薄く寝かせた真っ直ぐ水平板ですね?
レッドブルRB21のリヤウイングは
グラウンドエフェクトカーにしては全体的に大き過ぎますね?
レッドブルのスタイルはフロアのリア側負圧を妥協、リアウィングで安定したダウンフォースを得るスタイスでした。
リア車高は高めでブレーキングでリア車高上げたり、ロールさせてタイヤを守るマシンだった。(RB19までは)
その代わりフラップ側が大きめでDRSデルタを稼ぐスタイル、それを今も引きづっていてこのような状況になっています。
マクラーレンが昨シーズン途中に
ノリスとビアストリのMCL38で同じレースに細部の違いが見られる場面も有りましたが基本的には同一ですね?
ニューパーツが投入される時に片方のドライバーのみ先行投入される瞬間も有りますが
今シーズンはビアストリの方が優先される可能性を否定出来ません?
予算の関係でアップデートパーツを2台分揃えるのは難しいですからね。
フェラーリに当て嵌めてると
先にルクレールがニューパーツ試してから次にハミルトンの順番になりそうですが?逆バターンも有り得る?
メルセデスはラッセルが先でアントネッリは後ですね。
レッドブルはマックス優先で角田は次に
勝手に二台分作るのが間に合わないからと思ってたのですが、実走テストで思った通りの結果が得られない場合は作らない、または改良版投入ってことなんでしょうか?
各パーツには耐久時間があるんです。耐久時間残があるのに新しいパーツにするのは予算を捨てる事に繋がります。
完全な同じ仕様って結構難しい、特に悩んでいるチームは尚更です。フロアも中間はいじらずフェンスやディフューザーだけを変えてツギハギになっていきます。
良い感じの仕様になってフロアを再製造するのは後半戦になってしまう。
実走で結果がでずにお蔵入りもありますが、現代のやり方ではほぼ無いです。
CAD→CFD→風洞→シミュレーター→実走、風洞で得られた数値をシュミレーターに入力して最終チェックです。