2021年アゼルバイジャンGP決勝で起きた、2台のマシンの左リアタイヤが、突然にパンッと言う音と共に一部が破断した事故。
ピレリは、調査結果を発表し、今後の対策をFIAと共に技術指令と言う形で発行した。
サイドウォールの円周方向の破損にまで及ぶ
ピレリはFIAと協力して、最近のアゼルバイジャングランプリでランスストロールとマックスフェルスタッペンに影響を与えた事件に関係した左リアタイヤの分析を完了しました。
この分析では、レースで他の車が使用したタイヤも取り入れました。これらのタイヤは、損傷したタイヤと同じかそれ以上の周回数を持っていました。
このプロセスにより、どのタイヤにも製造上または品質上の欠陥がないことが確認されました。
また、疲労や層間剥離の兆候もありませんでした。アストンマーティンとレッドブルの2台の左リアタイヤの故障の原因は明確に特定されています。
いずれの場合も、これは 、規定の始動パラメーター(最小圧力と最大ブランケット温度)が守られているにもかかわらず、タイヤの走行条件に関連している可能性がある、内側のサイドウォールの円周方向の破損にまで及んでいました。
※ピレリ公式サイトより
2021年タイヤは構造強化
2020年イギリスGP決勝で、左フロントタイヤが終盤、次々と破断した。ピレリはその後、最低空気圧を上げる事で、構造上の軟弱性をカバーした。
2019年型タイヤをそのまま使用していたため、上昇したダウンフォースに耐えられないから起こったと説明していた。
2021年は、その問題を打破するために、構造変更とサイドウォールプロファイルを変更した。サイドウォールは丸みを帯びた部分が、2019年型よりも膨らんだ。重量は4本で+2kg以上重くなっている。
フェラーリは、サイドウォールの形状変更が空力に与える影響をデジタル化するために、2020年のタイヤテストではライトを当てビデオカメラで記録していた。
タイヤ空気圧管理の技術指令(TD003)
ピレリは、空気圧が規定値よりも下がっていたために今回の破断が起こった可能性があると言っている。
現状、各セッション前のタイヤウォーマーに入ってる時点で空気圧チェックを行っているだけらしい。このため、何かしらの理由や行動で空気圧が下がる可能性があると考えられている。
タイヤの空気圧が不足していることが判明したチームは、圧力を上げる必要があり、深刻な場合はスチュワードに報告する必要があります。レース開始前に、3分間の合図が出された後にチェックに失敗した車は、ピットからスタートする必要があります。
コールドプレッシャーチェックは、各ドライバーが到達する予選の最後のセグメントで最速のラップタイムを設定するために使用するタイヤに加えて、レースやスプリント予選セッションで使用されるすべてのタイヤ、および選択された他のセットに対して行われます。
タイヤは、ピレリによって指定された「低温冷却曲線」に照らして判断されます。この曲線には、さまざまな温度でのタイヤの圧力がどの程度あるべきかが詳しく説明されています。
低温チェックの目的で、チームは7月12日までに独自のシール可能なバルブカバーを提供する必要があります。それ以前は、FIAが提供するシールが使用されます。
その日まで、タイヤ空気圧が冷却曲線で指定されたレベルを大幅に下回っていることが判明したチームは、スチュワードに報告されます。7月12日以降、レベルが0.1psi未満のチームが報告されます。
チームはまた、タイヤ内のガスの組成(水分含有量を含む)を変更して、車が軌道に乗っているときに異なる圧力レベルを達成することはできないと言われています。これも冷却曲線を使用して監視されます。
FIAはまた、予選とレース中にガレージのタイヤ温度を測定します。これは、チームが車に取り付けられる前にできるだけ早く行われますが、セーフティカーの期間のためにチームが急にピットストップを実行する必要がある場合、検査官はチームを遅らせないことに注意してください。
熱すぎることが判明したタイヤは、正しい温度に合うようにブランケットで設定を調整するか、交換する必要があります。チームがセッション中にタイヤを繰り返し加熱したが、車でタイヤを走らせなかった場合も、チームはスチュワードに報告されます。
タイヤ空気圧チェックは、FIAによってシールされ、ピレリによって校正されたゲージを使用して実行されます。温度測定は、赤外線ガンを使用して行われます。
※racefans.netより
まとめ
タイヤの空気圧管理が、今までチームまかせ?野放し状態?
そんなところを是正するきっかけにはなったけど、少しの空気圧低下で、破断してしまうようなタイヤに問題はないのか。
バクー市街地サーキットのターン18は約280km/hで右リアに負荷がかかり、直後のターン19は約290km/hで左リアに負荷がかかる。
一旦に右に行った荷重が、一気に左に移動する場所です。
サイドウォールの円周部分にまで破損がみられたと言う事は、ショルダー部分の強度が足りないんじゃないかな?
なんにしても本当の事は言えないピレリ、F1、FIAの関係と言えるだろう。
問題があります。レースできません、なんて言えやしないからね。
今後は、最低空気圧の引き上げ、最高ネガティブキャンバー設定の引き下げ、などが考えられます。
鈴鹿のデグナーを約255km/hで通過するトロロッソ・ホンダ(2018年)
凄い潰れ方とずれ方、設置面積増えまくりですね。
最低空気圧の引き上げがあった場合レッドブルに有利に動きますかね
今回の一件でレッドブル、メルセデスにどのような影響があるのか気になります
予想していましたが結局良くわからないままですね・・・
アゼルバイジャンGP
2019 F21.5 R20.5 F-3.5 R-2.0
2021 F20.0 R20.0 F-3.5 R-2.0
空気圧上げます。
設置面積減ります。
グリップ低下します。
これで解決できちゃうからなぁ~。
アゼルバイジャンは今までも不可解なタイヤバーストが多かった。
延々とデブリだけのせいになっていて、実は瞬間的な横方向への負荷に対する対策を見誤っていただけと思う。
シルバーストンやスパ並みの空気圧設定をする必要がある、って事なんじゃないでしょうか。
画像レッドブルのホイール、OZレーシング社製使っているのですね(今まで知りませんでした)
来シーズン18インチのホイールをBBS製に全チーム統一(ワンメイク)するのは本当なのでしょうか?
10.7.4 ホイールリムの供給
第17.4条の規定に従い、FIAはホイールリムの標準サプライヤーを任命し、競技者はこれらのリムを使用する必要があります。
マジです!!
そういえばフェラーリはOZ製ではなくどこの使っているのでしょうね?
フェラーリはBBSかと思っていたけど、いつの間にかOZになっていて、今は無印かな?
トロロッソが内製つかってたので、スポンサーつかないなら作った方が安いのか?
2019年まではフェラーリはOZ、アルファタウリは内製でそれ以降は全く分からないですよね
フェラーリにスポンサーがつかないって事あるんでしょうかね?
タイヤウォーマーを早めに外してタイヤを冷やす事が今後禁止されますが、タイヤウォーマーを一晩中つけておく事も禁止みたいですね
メルセデスは熱入れが遅いので打撃になるのかな?
スタート前の内圧指定だけで、走行中の想定内圧を説明してないのがおかしいと思うのだが。
内圧が低いとタイヤが壊れ、ドライバーを危険に晒す事は何度も目の当たりにしてるのだから、それ以下にしたりはしないと思うんだけど。
日本政府ならやりかねないけどね。
もともと土曜に急に内圧変えてるくらいなんでピレリ側も持たない可能性をわかってたはずなんですけどタイヤは問題ないってスタンスなんですね。。。
内圧守って製造品質に問題ないのにバーストしてしまうのは設計段階で強度が足りてないのでは?
この技術指令自体は、チームの監視というより今後のピレリの言い訳防止策ですね…。
昨年のメルセデスといいい、今回のレッドブル/アストンマーチンといい、レギュレーションの中で最もハイ・ダウンフォースを達成したり、最もデグラデーションをよく仕上げた車がリタイア等の憂き目に合うのではレースにならない。ピレリとしても宣伝にならないでしょうに、1メイクで何で設計安全マージンをギリギリで作っちゃうのか…。