2020年ホンダとしての2勝目はレッドブルではなく、アルファタウリのガスリーによってもたらされた。ピットストップ、セーフティーカー、赤旗中断、ペナルティストップ、リスタートなど、全ての事柄を味方につけたガスリー。

モンツァの森の悪魔のいたずらと勝利の女神のいざないに、ガスリーが力いっぱい答えた事から得られた初優勝だった。

レッドブルは予選で定位置の3番手を取れず、スタートを失敗してポジションダウンすると中団グループ集団から全く抜け出せない状況となった、これはメルセデスも同じでありモンツァの特殊なコースが影響している。

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予選タイム差+0.893秒

https://www.formula1.com/
POS ドライバー F T1SPD S1 S2 T11SPD S3 タイム Gap Tyre
1 HAM 314 340 26.618 26.180 328 26.089 1:18.887 3 C4
325 329 315
2 BOT 313 337 26.714 26.282 326 25.961 1:18.956 0.069 3 C4
323 328 315
3 SAI 316 341 26.746 26.711 330 26.238 1:19.695 0.808 3 C4
326 331 317
5 VER 314 337 26.750 26.727 328 26.303 1:19.780 0.893 2 C4
323 329 313
7 RIC 315 344 26.615 26.800 332 26.449 1:19.864 0.977 3 C4
328 334 316
10 GAS 309 342 26.901 26.729 328 26.279 1:19.909 1.022 2 C4
319 336 314

※T1,T11SPDはターン手前ストレートのTopSpeed

 

モンツァはトウ(スリップストリーム)を得られるかが鍵になると言われている。しかし、トップタイムを更新していったハミルトンは、ボッタスの後方約9.4秒でコントロールラインを通過していてトウは得られていないと言う。

トウで得られる加速とストレート速度よりも、トウで失う空力性能を生かしたほうが速いタイムを刻めるとの事でした。

1 BOT 0.00
2 HAM 9.41
3 ALB 2.71
4 VER 2.42
5 GAS 2.51
6 PER 2.26
7 RIC 4.16
8 SAI 5.32
9 NOR 4.68
10 STR 2.64

これがQ3-2回目のアタック順とコントロールラインを通過タイム差、緑色がタイム更新したドライバーです。アルボンは1回目タイム抹消ですが、僅かに更新していました。

面白いのはアルボン以下の約2.5秒以内で連なる3台が更新出来ていないところ、乱流の影響でシケインとコーナーで失うタイムの方が大きかったと思われる。

フェルスタッペンが乱流でコーナーが遅いと無線で叫んだらしいです?(川井さん訳)、トウは約4秒後方から効きだす?とか、過去にボッタスは5秒後方から恩恵があると発言しています。

 

レッドブルが遅かった理由は、セクター2タイムを見れば明らかでコーナーが遅い、フェルスタッペンとガスリーがほぼ同タイムっておかしいでしょう。ウィングでダウンフォースを色々調整したが、変わらなかったとフェルスタッペンはコメントしている。

トータルベストタイムでも0.129秒の違いしかないフェルスタッペンとガスリー、ガスリーが失ったのはタイヤが冷えてしまう第1シケインだった。

決勝タイム差▲0.415秒(WIN)

スタート直後は、フェルスタッペンとアルボンがスタート失敗、2台揃って後続に並ばれる。第1シケインではガスリーとアルボンが接触、どちらも行き場無い状況でアルボンがはじき出される。

ガスリーはオコンに抜かれ10位、フェルスタッペンはストロールに一度抜かれ、その後抜き返し7位、序盤戦はフェルスタッペン7位、ガスリー10位、クビアト11位、アルボン14位となっていた。

悪魔のいたずらパート1

ハミルトンがLap19終了直前に、マグヌッセンはピットロード手前で停止、ガスリーはここでハードへ交換する。

これはマシン撤去のためにVSCかと思われたが、SCが宣言される。その11秒後に「ピットレーンエントリークローズド」となったがハミルトンはパラボリカに進入していた。

メルセデスチームとハミルトンはクローズドサインを見落としピットインしてタイヤ交換してしまう。ハミルトンはレース中もっとも重い10秒のストップ&ゴーペナルティとなってしまった。

SC先導でLap21,22のまるまる2周分走った事で14位ガスリーは集団に追いついた。

Lap23にピットレーンオープン、ほとんどのドライバーがピットインしてタイヤ交換、1位ハミルトン、2位ストロール、3位ガスリーとなった。

SC終了直前の順位とタイヤ、ハミルトンはペナルティストップで後退確定、ストロールはもう終わってるソフト、後ろには脅威となるマシンがいない、これはチャンスだ。

悪魔のいたずらパート2

Lap24レース再開、4位まで上がっていたルクレールがパラボリカでクラッシュ、すぐにSCが宣言されLap26途中で赤旗中断となった。

赤旗中断はタイヤ交換が可能となる、これでストロールが全くロスタイム無しにミディアムへ、その他のドライバーも全員タイヤ交換する。

勝利の女神のいざない

Lap27は2回目のフォーメンションラップ、Lap28より2回目のスタンディングスタート、ガスリーはこのリスタートを完璧に決める。後方はソフトのグリップ力を生かしたアルファロメオの2台が上がってくる。

このLap28の終わりにハミルトンはペナルティピットイン、ガスリーは難無くトップとなった。

 

ソフトのアルファロメオ2台編隊の壁は、ジョビナッツィがペナルティピットインするLap30終わりまでガスリーの壁となった。ライコネンに至ってはLap34のターン1でサインツに抜かれるまで壁となり、ガスリーに4秒差をプレゼントする。

Lap34終了時点の差

ここからは、後ろサインツとの差をかたずをのんで見守る。

ゆっくりと差が詰まっていく、本当にゆっくりと、ドキドキドキドキ

Lap52のパラボリカ手前DRS検知ポイントでとうとう1秒以内となってしまった。勝負のラストラップへと入っていく二人のドライバー。

 

ターン1手前、最高速度差約30km/hだったが並ばれる事無くシケインをクリア、よしよしいいぞいける!次のDRSゾーン後のアスカリシケインも並ばれる事無くクリア、よっしゃあ~、いけいけいけーーーーー!!

パラボリカに先頭で入るガスリー、頼む滑るなよ・・・。

トップでチェッカーを受けるガスリー、うおおおおおおおおおお、やったよ~~V

まぁそんな感じで夜中に雄叫びを上げた、おっさんJinでした(笑)

次の日の朝、嫁さんに言われた、私が叫んでたから気になってスマホみたってhhh

 

あぁもう、この祝福のハグに参加したいぜwww

 

 

モンツァの森に住むと言われる悪魔

昔は良くエンジンブローやパワートレイン系が壊れたり、ちょっとのミスでグラベルにはまったり、優勝目前や良いポジションを走っているドライバーに起こる確率が高った事から、そう呼ばれるようになった。

近年は信頼性が上がり、グラベルがアスファルトになり完走率が増加して、悪魔と言う迷信はついえていたが、今年は完全な復活を遂げた印象を受けた。

そんな悪魔のいたずらをことごとく跳ねのけたガスリーは、勝利の女神の手をがっちりと握り初勝利を呼び込んだ。

 

「自分の力を信じて全力を尽くす。」

簡単に言える事でありますが、実現するのは並大抵の努力ではなしえない。

 

妬むドライバーのコメントやゴシップ系記事では、このガスリーの快挙を、俺でもできたとか、あの時こうだったら勝っていたのは違うドライバーだとか、バカみたいな話がウジみたいに沸いてますが、本当に馬鹿らしい。

 

苦難を乗り越え、居るべき場所に居た、居るべき場所に行くために努力した彼だからできた事。

 

 

心からおめでとうと言いたい!そして、ありがとうピエール!!!

https://twitter.com/F1