https://scuderiatororosso.redbull.com/

ホンダはスペック3改を金曜日に温存して土曜日のプラクティス3から使用した。田辺さんのコメントではおいしい部分を使いたいからと言っているが、フルパワーで稼働させればエンジン内部が破損するなど耐久性&信頼性に問題があるからだろう。

フロントウィング、バージボード関連のアップデートマシンを2台分用意して、空力とパワーの両面からポジションアップを図った今回のトロロッソホンダ。予選ではガスリーが渾身のアタックラップで見せてくれて10位、決勝ではハートレーが11位となり、惜しくも入賞を逃す結果となってしまった。

Sponsored link

予選タイム差+1.345秒

ガスリーはQ2タイムが最速となっている。Q2時の主なライバルとQ3での比較です。

POS ドライバー Fline SPD T S1 S2 S3 タイム Gap(GAS) Tyre
1 ハミルトン 325 330 17.487 34.122 15.672 1:07.281 -1.345 3 SS
329 273 328
5 フェルスタッペン 316 321 17.639 34.228 15.911 1:07.778 -0.848 3 SS
319 265 316
7 エリクソン 325 325 17.668 34.693 15.935 1:08.296 -0.330 3 SS
326 269 327
7 グロージャン 320 321 17.683 34.603 15.953 1:08.239 -0.377 2 SS
320 265 318
8 ルクレール 328 323 17.817 34.783 15.735 1:08.335 -0.281 2 SS
324 267 329
10 ガスリー 320 324 17.725 34.872 16.019 1:08.616 2 SS
323 261 322
https://www.formula1.com/

ガスリーはQ1を12位で突破すると、Q2では早めのアタックで10位タイムを記録、雨足が多少影響してライバル勢がタイムアップ出来なかった事でQ3進出となった。Q3では1セットしか新品がなかったため、路面変化に対応できずにタイム更新ならず10位となっている。

上記比較表を見てもわかる通り、コーナー区間であるセクター2が遅い。ターン11後にあるセクター2通過地点での速度の遅さからもコーナーからの立ち上がりでのロスが目立つ。何戦か前から言われているトラクションが悪い事が、各セクタータイムに与える影響が大きい事がわかると思う。

予選後ガスリーのコメント

「予選での感触は本当によくて、Q3進出が果たせたのは大きいと思います。今日のパフォーマンスには満足していますし、明日は9番手からスタートできます。セッションの間じゅう、緊張とエキサイティングな気分が入り混じったような心境でした。Q1では雨がだんだんと強まっていきましたが、チームとともにうまく対処できて、Q2、Q3へ進出することができました。

今日のような不安定なコンディションの中では、次のコーナーでグリップがどのくらいあるのか、路面の濡れ具合はどうなのかなど、予測がつかないので大変でしたが、最終的にはすごくいい仕事ができたと思います。今日はトップ10に入ることができましたが、ライバルたちは速いので、明日のレースは簡単にはいかないと思います。全開でプッシュし、いいバトルをしてポイントを積み重ねたいです。」

コメント引用元:https://ja.hondaracingf1.com/

決勝タイム差+1laps

9位スタートのガスリーは10周終了時点で9位キープだが、前のグロージャンとは既に6秒差もあり追いつくのは困難な状況、その後ろは行列のパレードラップ状態となっている。最後尾のバンドーンまで11秒しか差が無い状況でその先頭がガスリーである。

13周目にマグヌッセンにパスされ10位、18周目にはぺレスにパスされ11位その後ろにはルノー勢が迫っている。22周終了時点でMへ交換して16位、ハートレーは唯一のMスタートでこの時点で14位までポジションアップ。

約半分の35周終了時点では12位ハートレー、13位ガスリーとなっていた。

 

ハートレーは49周終了時点でSSへ交換しガスリーの後ろ15秒差の12位、11位ガスリーは前のぺレスから遅れる事19秒となっており、追い上げは不可能な状況。

ハートレーはサインツに迫られて逃げるようにペースアップしてガスリーに追いついたのは60周ぐらいであった、チームからはハートレーを先に行かせるよう指示があったようだが、譲らないガスリー。ハートレーは無理に追い抜こうとはせずにガスリーの後方でサインツを抑える事になった。

残り2周でガスリーは燃料が足りずにクルージングしたため、ハートレーとサインツにパスされた。

最終結果は11位ハートレー、13位ガスリーとなっている。

 

一言で言えば「防戦一方」なブラジルGP決勝だったと言える。

決勝後ガスリーのコメント

「レース中にいいバトルもできましたが、全体としてはタフなレースになりました。スタートはうまくいき8番手までポジションアップすることができましたが、そのあとはライバルのマシンと比べてペースが上がらない展開となりました。できる限りの力で戦ったものの、ポイント獲得に至るほどのペースはありませんでした。

ブラジルGPは難しい一戦になると覚悟していましたが、メキシコGPで見せていたパフォーマンスからもう少し期待を持って臨んだので、レース結果については残念に思っています。残すところ今シーズンもあと一戦なので、最後はもっといい結果でシーズンを締めくくれるようにしたいと思います!」

決勝後ハートレーのコメント

「今日のレースは僕にとってはいいレースになっただけに、ポイントに届かなかったことが残念です。ただ、前方のマシンのリタイアなどもなかったので仕方ないかなとは思います。固めのコンパウンドのタイヤでスタートしたので、レース序盤は少し難しい数周となりましたが、スタート自体はうまく決まりオーバーテイクもすることができました。

レース戦略を成功させるために、最初のスティントでできるだけ長くタイヤを保たせることが重要と分かっていました。ピットから途中いいフィードバックがあり、戦略通りにレースが運べていると確信しました。僕のF1のキャリアの中でもベストレースの一つだったと感じていますが、結果としてポイント獲得に至らなかったことはとても悔しいです。チームと共にメキシコGPで手応えを感じていたペースが、なぜ今週末のブラジルGPでは感じられなかったのかを解明し、最終戦に挑みたいと思います。」

まとめ

予選での結果からもいやーな感じはしていた、セクター2で遅い事からもコーナー区間でのグリップ不足からくるタイヤ保ちの悪さが決勝でも出てしまった。レッドブルのフェルスタッペンが見せたように、このインテルラゴスの攻略ポイントはセクター2をいかにロス無く走れるかと言うところだろう。

この終盤戦ではマシンポテンシャルは各チーム引き出しが終わっている。トロロッソは素性の悪さからもポテンシャルが低くホンダがパワーを上げようにもそれを生かす事が出来ないのである。逆に言えば開幕時のホンダパワーに合わせたマシンのために苦戦しているとも言える。

マシンの重量バランス、空力バランス、ギア比なども影響するだろう。ジェームス・キーを失い、中盤戦全くアップデートを機能出来なかった事が延々と尾を引き、ライバル勢に大きく遅れてしまった。

そんな中で速く走ろうとすれば今回のようにタイヤを労わる事が出来なくなってしまう。

 

日本GPの終盤10位をキープ出来なかった時点からおかしいなと感じていた私、今思えばであるがホンダスペック3がもたらす恩恵は予選だけである。決勝レースでは諸刃の剣となってしまったのか?

最終戦アブダビGPで苦戦するのが見えているが、トロロッソホンダ1年目のパートナーシップを笑顔で終えられるように頑張ってもらいたい。

ホンダ:IHIとのテクニカルパートナーシップの締結

そして今日、大きなニュースが飛び込んできた、IHIとのテクニカルパートナーシップ締結である。オートスポーツによれば2015年の復帰当初からIHI勢タービンを使用してきたホンダだが、来年に向けて両者の関係を強化するとなっている。

今まではホンダが設計や開発を行い製造を委託してきたのか?真相はわからないが専門分野のエンジニアによる交流や開発に携わる事の利点はかなり大きい事だろう。

燃料流量が絞られたターボエンジンはタービンが担う仕事は非常に大きい。はっきり言えばタービンありきなエンジン開発が必要と言える。IHIとの強大な協力体制を得られた事はホンダにとって非常に有意義な事だと思う。

オールジャパンエンジンの本当の復活に向けて来季の更なるパワーアップに期待したい。