日本GPでのトロロッソホンダは予選にて雨が絡んだことでQ3へ2台共に進出、6,7番手という好位置を獲得した。しかし決勝ではガスリー11位、ハートレー13位となり入賞を逃す悔しい結果となっている。
予選タイム差+2.050秒
今回は小雨が絡んでいるため、ポールタイムとQ2時のベストタイムを比較してみます。
POS | ドライバー | Fline | S1 | S2 | SPD T | S3 | タイム | Gap(GAS) | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | L.ハミルトン | 273 | 30.913 | 39.588 | 304 | 17.259 | 1:27.760 | -2.050 | 3 | SS |
293 | 309 | 270 | ||||||||
6 | E.オコン | 266 | 31.814 | 40.258 | 302 | 17.466 | 1:29.538 | -0.272 | 2 | SS |
286 | 303 | 263 | ||||||||
7 | S.ペレス | 269 | 31.671 | 40.367 | 299 | 17.526 | 1:29.567 | -0.243 | 2 | SS |
285 | 303 | 266 | ||||||||
8 | R.グロージャン | 269 | 31.625 | 40.552 | 297 | 17.501 | 1:29.678 | -0.132 | 2 | S |
283 | 297 | 267 | ||||||||
9 | P.ガスリー | 264 | 31.734 | 40.451 | 294 | 17.625 | 1:29.810 | 2 | SS | |
284 | 294 | 256 | ||||||||
10 | B.ハートレー | 263 | 31.818 | 40.457 | 292 | 17.573 | 1:29.848 | +0.038 | 2 | SS |
284 | 294 | 261 |
ホンダはスペック3を再投入した。ピークパワーでは約40psも向上していると言われている。Q1の1回目のアタックで11,12位、2回目で10,14位となっておりスティントごとに通過ラインをしっかりクリア出来ている。
Q2では1回目で9,10位タイム、後半雨脚が強くなり全員がタイムアップ出来ていない。Q3でも1回目で6,7位タイムを記録して最後は土砂降りの雨で終了。
タイムの出し方がいつもと変わっている、今までは2回目で何とかギリギリラインのタイムをガスリーだけが記録している事が多かったが、2台揃ってとなるとパワーで楽に稼げる部分が増えたと考えていいだろう。
雨が絡んで運でこの順位だったと捉えがちだが、雨がコースに影響を与える前にしっかりタイムを出せる事は、グリップ面よりもパワー面での寄与が高い事が大きく関係する事
そして2台共に同等のタイムであることからも、気温26℃・路面温度28℃がトロロッソにとってタイヤの作動温度とマッチしていたとも考えられる。
コメント引用元:https://ja.hondaracingf1.com/
予選後ガスリーのコメント
「チームとして、今シーズン最高の予選結果になりました。6番手と7番手をこの鈴鹿でHondaと一緒に獲得できたことは、今シーズンどの結果よりもチームにとってうれしいことです。今季最高のグリッド順位となり、それをこの日本GPで成し遂げたことは特別な意味を持っています。鈴鹿はオーバーテイクが難しいサーキットなので、明日の決勝はスタートがとても重要になると思います。
ブレンドンも僕もこのレースウイークのマシンにはいい手応えを感じているので、決勝は周りのマシンといい争いができるようにプッシュしていくだけです。明日の決勝はハードな戦いになりそうですが、まず5番手にいるグロージャン選手をスタートで追い抜けるようないいスタート切りたいです。
今シーズンはチャンスがあるときは確実にそれを逃さず結果を残してきているので、明日の決勝もまた集中して、最高の結果を残せるようにがんばります。」
予選後ハートレーのコメント
「最高の予選結果を出せてとてもうれしいです。このシーズン、チームと共に苦労した事も多く、普段あまり感情的にならないのですが、そんな想いがあり予選を走り始めた時からなぜかとてもエモーショナルになってしまいました。今日はすべてが思ったように運び、僕自身もベストなパフォーマンスが必要な時に出せたのではないかと思います。
予選は天候が安定せず難しいセッションではありましたが、コースに出るタイミングなどチームの作戦がうまくハマったと思います。Hondaのファンの皆さん、日本のファンの皆さんの目の前で6番手グリッドという今季最高位のポジションを獲得することができて、最高にうれしいです。
明日の決勝ではポイントを獲得したいと思いますが、今この瞬間は素直に今日の結果を喜びたいと思います。」
決勝タイム差+1laps
決勝は快晴で気温28℃・路面温度39℃でスタート。現地観戦の私は既に干からびそうな状況だった、これはSSタイヤはやばいなと思っていました。
スタート直後ターン1でベッテルが2台を抜く、ここは仕方ないがハートレーは大きくホイルスピンして出遅れている、アウト側からフォースインディア2台があっさりと前へ。ガスリーはなんとか7位キープしたが、ハートレーはリカルド、サインツにも抜かれ序盤でポイント圏外11位となっている。
ガスリーの第1スティント最速ラップは9周目の1:36.843でその後自己ベストを更新できない、20周を過ぎると37秒台となる。後ろのフォースインディア2台はこの段階で自己ベストを出している。
事前のピレリのストラテジーではSS20でMへが指標だったから、今がピットタイミングだろうと思ったが、中々入らないガスリーとハートレー!
約1秒づつ後方にいたフォースインディア2台が先にピットインしてラップタイム差約2秒となる。
あれ・・まさかやっちゃった?
ハートレーは29周目にSへ、ガスリーは30周目にSへ
ガスリーは簡単にアンダーカットを許してしまい11位へ転落、ルクレールをパスして10位。
ハートレーはピットアウト後ウィリアムズ2台を攻略して13位、前のエリクソンに完全に詰まってしまい万事休す。ガスリーはSでのペースが上がらない、後半雲がかかり始めて路面温度は35℃まで下がった。
後ろからMタイヤを履くサインツが猛追してくる。抑えきれると思っていたらあっさり抜かれて11位転落。
現地でがっくり肩を落としたJinでした。
13位に終わったレース直後、人前では滅多に見せない厳しい表情でエンジニアたちと話し合うハートリー。スタート時のホイールスピン、その後のタイヤのオーバーヒートに、まったく納得行かなかったみたい😤#f1jp pic.twitter.com/zRnPeQgleY
— Kunio Shibata (@monsieurshibata) 2018年10月7日
「何でもっと早くピットに入れてくれなかったのかな〜」と、レース後のガスリー。ミニーちゃんも怒ってる🤬#f1jp pic.twitter.com/7tBRf5AENS
— Kunio Shibata (@monsieurshibata) 2018年10月8日
決勝後ガスリーのコメント
「スタートはうまく決めることができ、ブレンドンをオーバーテイクして順位を上げるなど、最初のスティントは順調だったと思います。マシンの感触もよく、グロージャン選手との差を詰めながら走行していたのですが、ピットでの混雑を避けるためにピットストップを伸ばしたところ、タイミングを誤ったことで何台かに抜かれてしまいました。タイヤをソフトタイヤに交換し、ピットアウト後の数周は周りとのバトルやオーバーテイクも順調だったのですが、リアタイヤにブリスターの症状が出てしまい、その後はレースを最後まで走りきることに必死でした。
今日は本来ならもっといい結果を出せるはずだったので、なにが起こったのかこれから解析する必要があります。今日のレースでは正しい判断をできなかったのかもしれませんが、そういうレースも時にはあるのではないかと思っています。“思い返せば、あのときに違う選択をしていれば…”と言うのは簡単なことかもしれません。Hondaのホームである日本で共にポイントを獲得できれば、チームにもHondaにも大きなプレゼントになっただけに悔しいです。予選結果がよかっただけに今日の決勝が残念でなりません。」
決勝後ハートレーのコメント
「スタートで思い当たるようなミスはしていないはずなのですが、マシンのパワーを路面にうまく伝えることができませんでした。最初のスティントではグリップを感じられず、トラクションのコントロールも効かず、タイムロスに繋がってしまいました。
セカンドスティントでは、トラフィックに悩まされることになってしまいました。ウィリアムズの2台をオーバーテイクできたのですが、その後エリクソン選手に引っかかってしまいました。予選の順位ではポイント獲得が可能だと思っていたので、チームとして両マシンがポイント圏外となってしまい悔しくてなりません。」
まとめ
ホンダよ不完全なスペック3でよくやってくれた!そこは誉めよう。
しかしトロロッソのマネージメントが追いついてこない事が最大の敗因かな。そんな事は去年のパートナーシップ発表からわかっています。ルノーPU用シャシーをホンダ用に改造して、ここまで走るマシン仕上げている事が奇跡に近い。
鈴鹿サーキットではそんなバランスの悪さが決勝で露呈してしまったね、仕方ないね。
多くを語らない今年のホンダの姿勢は、絶対見返してやるとの強い思いを感じています。今後何があっても撤退せずにレッドブルと強固な関係を作り、2019・2020年には4台が好結果を出してくれる事に期待します。
今年のあと4戦、何か光る要素をファンに対して見せてくれ!
管理人さんがおっしゃる通り、今年のトロロッソはルノーPU用のシャシーを改修して、ここまで持たせてるのはある意味立派ですよね。
マクラーレンも元々のシャシーが自分達が言うほどの出来ではなかったにしろ、ホンダPU用のシャシーにルノーを載せている影響も少なくないでしょうから。
そうなると、ホンダPUに特化したニューウェイ渾身のRB15と、その恩恵を最大限に受けるであろうSTR14の2019年は本当に楽しみです。
でも、その前に今年の残りはQ3常連となって、来年に繋げる走りを見せて欲しいです。
特にハートレーには、頑張って欲しい。
ガスリーはプラクティスでの走り込みが足りていないにも関わらず予選で好結果を出して夢を見させてもらいました。
その影響かレース終盤はラップタイムが全車中最遅となっていたけどマシンもPUもセッティングを見直せば伸びる余地は多いとも言えますよね。
ホントにギリギリのタイミングでスペック3を投入したホンダの努力に今度はトロロッソが応えてくれるのを期待したいです。
>ホンダはスペック3を再投入した。ピークパワーでは約40psも向上していると言われている
マルコ爺は40kW追加と言ってますね。
http://www.autobild.de/artikel/formel-1-ricciardo-flucht-ueber-renault-14140081.html
まぁ話半分としてもシーズン中のアプデでこれって凄い話です
またまたマルコさん冗談きついねぇw
40kw=約50psなんだけど、約1000psとも言われる現行PUにおいて5%upは正気の沙汰じゃないでしょう。
だかこれはMGU-Hブースト全開時には可能な数字かもしれない。
問題点はESのエネルギーでMGU-KとMGU-Hを同時に動かせるかどうかと言う点だけかな。
マルコ 40KW向上
、スペック1から3までの向上じゃないかな
スペック2
マルコ 0.3秒向上(15KW 20馬力)
米家?ホンダ関係者情報で 20KWには届かないが 近い向上 22から25馬力
スペック3
田辺さん 0.5秒向上(25KW 35馬力)
35から40馬力向上? に対して近い向上です。ホンダ関係者団 30馬力から35馬力
合計で
ラップタイム情報だと0.8秒向上(40KW)
馬力情報だと52馬力から60馬力向上
メルセデスが4年で80KW(109馬力)=1年20KWなのでものすごい!
元ネタは不明でしたけど浅木さんの目標8%(60馬力、45KW)向上は昨年末から考えると達成しているかも
トロロッソは同じくエンジンを変更したマクラーレン、シャーシを大幅改良?したウィリアムズと比較するとより低予算ですし評価できますよね
新人ドライバーですから同じようなグリットのアロンソに比べるとスタートの失敗、スタートのインシデントに巻き込まれることが多くてポイントに反映されにくいですけど何よりホンダを元気にのびのびさせてくれたのがホンダファンとして
は大祝勲!
来年RBホンダになってもトロホン応援しちゃいますので、トロホン記事も充実お願いします。
あえて反論です
これまでトロロッソは毎年PUが変わってもそれなりの成績を残してきたチームですよ
どっちかっていうと急激なPU進化とF1新人ドライバー2人ってのが原因だと思いたい
トロロッソは確かにPUをころころ変えていますから対応力は高い方です。
しかもカスタマーでシーズン中のパワーアップは20~30ps程度。
そこにワークスホンダPUの急激な進化(開幕からでは+50ps以上)への対応は難しいのは私も感じています。
あえてシャシー面に言える事はPUレイアウトに関係しており、フェラーリやルノーがほぼ同一なのに対して、ホンダは明らかに違うコンプレッサー前置きで(モノコックとエンジンの間の幅が変わる)重心バランスが変わってしまう事。
それを指揮したJKももういない、そしてシーズン後半は常に入賞圏外の争いをしている。
と考えていけば今のトロロッソの状態は奇跡と言ってもいいかと思ってしまいました。
ピークパワーを求めればドライバビリティが悪くなる。チューンドターボでは良くある事ですね。
ここは「ジェッティングの鬼 富永」さんに登場してもらおうか(笑)
“SF”Q3の結果などHONDAの競争力にも楽しめたホームレース。
SFは、雨が降ったり止んだりの中Q1→Q2と順当に進出し→さらにQ3へ2台共に進出、しかも何とP6・P7という結果で終えた。ここ数年鈴鹿で観てきた思い出もあり、本当嬉しい結果でした。
さて、今年の「“SF” ‘130R通過時の目視印象!」ですが、
130R進入速度:Mercedes ≒ Ferrari ≧ HONDA > Renault
130R出口速度:Mercedes ≒ Ferrari ≧ Red Bull > HONDA > Renaultという印象です。17年は130R手前で既にホンダとルノー製PUs搭載車は速度差を感じました。18年、130R進入(通過)時はトップ2との差が極わずかか特に判らない印象。また、Red Bull除くルノー勢よりは明らかに速い印象でした。なお、130R出口から立ち上っていく速度は極わずかにトップ2やRed Bullの方が速い印象でした?。
今シーズンプレテストで鉄壁の信頼性を示し続けた時の様に、今戦でまだ余力残すも飛躍的な競争性(パワー)を示唆した事は良い驚きでした。
ただ、我々の持つHONDAに求められるレベルとしては、漸くスタートラインに並びつつあるという印象です。
ホンダのF1再参戦から3年半、ようやくスタートラインに立つことができたと感じる今回のスペック3です。
F1社会は一度歩みを止めたら追いつくのは容易ではない。わかってはいたが、正直つらい年月でした。
来年と再来年は表彰台や優勝に絡む最大のチャンスがやってきますので本当に楽しみです。
現行パワーユニット規程は変更になるのか?
直噴ターボエンジンの技術開発は今後も車社会にとって必要な事でしょう。それに加えてタービンの電動化は進んでいく。
MGU-Hは残してほしいと思うのが私の思いです。ただ規則でMGU-H周りが無制限になっているのが良くないかな?
出力制限を加えてエネルギーフローに制限を加えれば、もっとメーカー間の差がなくなるはず。
2021年以降の規則にはそんなところを期待したいです。