支配的なレッドブル、それを追わなければならないトップチームであるフェラーリとメルセデス。

フェラーリは3戦目で1,2フィニッシュを遂げ、メルセデスは対照的にダブルリタイアになってしまった。

 

フェルスタッペンが居なくなった時に、しっかりと優勝できたフェラーリSF-24は良いマシンです。

未だに2022年からの問題を克服できないメルセデスW15、根本的に何かが違うのです。

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フェラーリSF-24&メルセデスW15

フェラーリは全体的にふっくらとしたフォルムで尖った所が無い。

メルセデスはフロントウィングからギザギザと角ばった所が多い、ボディの表面的な部分には直線が多く見られる。

フロントウィング

フェラーリは2023年から1枚目を独立させた、2024年ではノーズの横幅を広げ縦幅を短く、ノーズ下の空間を広く確保している。

 

ウィングフラップは綺麗な曲線を描き、中央が高くサイドに向かって下がっていく。

中央エリアのフラップは迎え角を確保してダウンフォースを作っている。

 

 

様々な流れの方向性があるメルセデスのフロントウィング。

 

2枚目のノーズ接続は長い、フラップのノーズ接続を細くしている。

ノーズ周辺で上昇気流を作りダウンフォースを稼ぐのがトレンドだけど、その効果を半減させるようなフラップカット、そしてタイヤより内側のフラップが立っている。

 

上位チームのほとんどが素直なウィングの並びを形成しているのに、このちぐはぐなデザインに優位性は無い。

サイドポッドとフロアエッジ

フェラーリはクラッシュブルストラクチャーを移動させてアンダーカットが広くなだらかになり、フロアエッジ後方に向けて流れを導く事に成功している。

 

アンダーカットとサイドポッド全体のダウンウォッシュは、周辺の大気を下げる事が出来る。

 

ドラッグの元となるフロントで発生した上昇乱流を抑え、フロアエッジ後方スリットからの吹き出しを強化、トンネルとディフューザーのキックポイントで作られる速い流れ(負圧)に引き込まれる空気を制限する。

フェラーリとレッドブルは、サイドポッド側面の面積やフロアエッジまでの距離など似ているところが多い。

 

メルセデスはアンダーカットの下げが弱く、その後方も広すぎる。

車高が高くなればフロアに入り込む空気が増加、トンネルまで浸食して速い流れを乱してしまう。

 

未だにバウンシングするのは、フロアの特にリア周辺の負圧が安定しないからです。シミュレートできない数値が多くセッティングがシビアになっている。

エンジンカウル

2022年から排出ルーバーに頼っていたフェラーリ、今年はトレンドのデッキ型エンジンカウルを採用している。

少しだけあるルーバーは排出ではなく、ボディの流れによって内部気流を引き抜くものです。サイドポッド内部の停滞する流れを上方へ導き、内部気流を正常化している。

 

メルセデスのエンジンカバーは低く、デッキ型とは言えない。後方のアウトレットが小さく絞り込まれており、数の多いルーバーで排出している。

ボディ表面で速度の違う流れが合流、乱れるのは必然です。

 

支配的なレッドブルがルーバーを頑なに最小限にしている理由は明確です。

まとめ

見た目には、幅が広い、太く丸っこい、大柄に見えるフェラーリSF-24ですが、空力は安定し開幕から好位置につけている。

対照的にトレンドデザイン風で、部分的にシェイプアップして直線ラインが多いメルセデスW15は安定していない。

 

フロアデザインは完全な形でお披露目されていないが、ラッセルのクラッュで見た感じではW14からほぼ変わっていなかった。

フェラーリも大きく変えた感じでは無いが、SF-23後期型の改善を進めている。

 

最重要なのはフロアではあるが、フロア機能を生かすボディ形状は、ほぼほぼ明確になっている3年目です。

もっと細かい部分に着目すると、メルセデスだけが違う事をやっている部分が多いのですが、今回は見た目に拘っています。

 

 

昨年までの失敗を経てメルセデスの復活を期待していたがこれでは難しい。

素直にトレンドを取り入れたフェラーリが結果を出している事が正解なのは言うまでもないでしょう。

 

基本的な空力とバランスを理解して、そこから発展させていく。

どんな物事も基本が大事ですよね。