https://twitter.com/F1

初回投稿日:2019年10月5日

2019年のフェラーリSF90は、今年一番のストレートスピードを誇っている。その大部分は低ドラッグによるものだが、パワーユニットの特にエンジンパワーに熱い視線が注がれている。

ハミルトン曰く「ジェット・モード」が予選で使われていると言うのだ。

V6シングルターボ1,600ccエンジンは、現在ピークパワー値で約840psを発生し、MGU-K(モーター)の163psと合わせて1,000psにもなると言われています。

メルセデスはフェラーリとストレート区間で40kw(55ps)の差があると何度も発言している。しかしこの数値はフルスロットル区間タイム差を単純に馬力換算したものであり、ドラッグは考慮されていない。それでもパワーでフェラーリが勝っているのは紛れもない事実です。

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Ferrari 064 Power Unit

https://www.auto-motor-und-sport.de/

エキゾーストはホンダより確実に太いです。ウェイストゲートパイプは太めの1本出し。

2019年フェラーリPUは大改革、エンジン上部にマウントしていたインタークーラーを前部に搭載してきた。このレイアウトには度肝を抜かれました。インダクションポッドが小さくなりリアウィングへの気流を綺麗に確保、重心の低下に貢献している。

エンジン上部の黄色の蓋がされている部分がエアフィルターで左右にあります。MGU-HはVバンクの間に収まっている。

燃料とオイルのレギュレーション

エネルギー保存の法則の観点から考えれば、エンジンパワーとMGU-Hの発電エネルギーはすべて燃料から得られるものです。フェラーリPUの謎を紐解くためには、燃料とオイルの規制を先ず知っておく必要があります。

ちょっと長くなりますが、わかりやすく解説していくのでお付き合い下さい。

燃料流量計と高圧燃料ポンプ

燃料には単位時間あたりの流量規制があり、エンジン回転数10,500rpm以上では100kg/hです。これはFIA指定の流量計によって測定されリアルタイムに監視されます。

https://www.racecar-engineering.com/(2019年F1燃料流量計)

この流量計を通った燃料は、アキュムレーターを介して高圧ポンプに送られます。この高圧ポンプの先にインジェクターがあります。

https://www.f1technical.net/(HONDA-RA619Hの高圧ポンプ)

2019年、流量計から高圧ポンプまでの間に許される燃料は0.2ℓ(内アキュムレータは0.1ℓ)です。この規制が入る数年前はなんと1ℓも許されていたんです。数年前は予選において、単純に燃料を多く燃やしていたって事です。

現在のこの0.2ℓは約156g、流量100kg/hは約28g/sなので約5.5秒分、仮に+10kg/hを作り出すなら約55秒相当の燃料ですが、パイプ内の燃料を使い切ればエンジンブローの危険性が伴うところ、アキュムレーターは急激な燃圧の上昇に対応するためのものであり、使えるのはアキュムレーター0.1ℓ内のわずかな量となる。

仮に0.05ℓを使ったとして大きな差を作り出すのは困難です。

エンジンオイルとサブタンク(AOT)

  • 100kmあたり0.6ℓの使用制限(決勝)
  • 技術規則第7条 ⇒オイル噴射:PUのいかなる部分とエンジン吸気との間に、アクティブ制御弁を使用することは禁じられている。
  • 予選において補充の禁止、サブタンク(AOT)は空

エンジンオイルは2018年からのアクティブ制御弁の禁止で、吸気行程に流入させる事が困難になった。これによりメルセデスのパワーは減少したと思う。あとはオイルの使用量もサブタンクが空になった事で、使える量が減った事が主な要因になるのかな。

 

オイル噴射:PUのいかなる部分とエンジン吸気との間に、アクティブ制御弁を使用する事は禁止と言う項目がある限り、隙間から流入させるオイル量を調整できません。調整できなければマッピングと同調できずに燃焼制御できない事になります。

 

インタークーラーが油冷でそこから?!

フェラーリPUの新たに噂になっている油冷インタークーラーを使ったオイルの流入について。

ラジエーター用に使っているオイルには使用量制限が無い!目からウロコが出たよ(笑)

まず、油の熱伝導率が水より悪い事が気がかりである。油冷だけでは加圧された空気は冷やせない。よってこの場合、水冷+補助油冷システムである事が条件となります。しかしですよ大問題がひとつ!

 

オイル噴射:PUのいかなる部分とエンジン吸気との間に、アクティブ制御弁を使用する事は禁止!!

これがある限り、緻密な制御弁が無い状態なのです。さてどうするか、リークさせる隙間があって油冷用の油圧ポンプで高圧力をかけて流失させる?こんな事しか思いつかなかった。そんな方法で必要な量をしっかり調整できるのか謎だなぁ。

 

昨年、噂に上がった可変吸気エアファンネルの動きを利用してエンジンオイルを流入させる方が合理的です。

使用量制限の無い冷却用オイルに着目したのは良い考えだと思うが、利用できる可動させていいパーツが見当たらないんですよねぇ。

2020年からの燃料・オイル追加規則

2020年からはオイルと燃料には新たな規制が加わる。

  • サバイバルセル外に存在が許される燃料が2リットルから0.25リットル
  • 補助オイルタンクは一つ、エンジンオイルはすべての容量が2.5ℓを超えてはならない

燃料はタンクからインジェクターまで0.25ℓとなる、今年の規制をを加味すれば流量計までは約0.05ℓになるという事です。

エンジンオイルは現在の0.6ℓ/100km⇒0.3ℓ/100kmになるとの噂があります。

今回のソースは以下です。

https://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/fia-schliesst-schlupfloecher-motoren-trickser-ohne-chance/

https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-2020-clutch-changes-to-make-starts-more-driver-dependent/4379683/

https://f1i.auto-moto.com/magazine/magazine-technique/technique-f1-secrets-reservoir-dessence/4/

追記19.10.6:違反じゃなく発明だ!

フェラーリPUのパワーは謎であり発明である。燃料を増加させる方法・オイルを燃焼に使う方法はあるが、規則はどんどん洗練されつつある。違反を疑う事はやめた方がいい、これはあくまで規定の範囲内で行われている発明の対決なのです。それがたとえグレーゾーンで有ったとしても。

もっとも優れていると思われるデプロイの増加に関しては、大型なバッテリー、大型なMGU-Kなどから察すれば冷却に優れているとも思います。ボディカウル内でもフェラーリはボルテックスを利用するようなフィンが多く取り付けられており、バーレーンで冷却しすぎてトラブルを引き起こしている事でもそれは証明されています。

電気エネルギーの大敵は熱です。発熱を抑えれば電気エネルギーロスは減る。決して小さく作れない訳でも無いに大型なバッテリーを使用している訳、バッテリー内セルの使い方、HとKの入出力など、エネルギーロスを減らす方法はまだまだ存在するのでしょう。

私のような電気音痴には解明できる謎ではないかもしれない、それでも考えずにはいられない素晴らしい技術開発の世界である。

色々な意見を取り入れ、個体概念を捨て、より柔軟な発想や考えを導き出す事が求められる。規則に縛られない子供的な発想が案外正解だったりするものです。

フェラーリPUは素晴らしい、素直にそう思う事が一番大切な事だと思います。

追記19.10.28:フェラーリ謎のスロットルオン

フェラーリはデプロイ(電気エネルギー)が優れているよって、MGU-HによるEブーストが長い、MGU-Kによるアシストが長い、これによってホイールスピンする速度を超えた途端に一気にフルパワーを展開して、中速度域の加速力を生み出している。

どうやってデプロイを増やすのか?エンジンを他より稼働させればデプロイは増やせます。

鈴鹿のコースレコードのベッテルのテレメトリーを見て下さった方には説明しましたが、フェラーリはスロットルオフ(0%)が異様に少ないのです。他のドライバーがブレーキング中、オフなのに微妙に5%以下のスロットルオープンを維持しているのがわかっています。

メキシコGP予選のルクレールとフェルスタッペンのテレメトリー比較を入手したので、ご覧ください。

わかりますか?フェルスタッペンのスロットルが0%のところでルクレールはスロットルグラフは下に張り付いていません。

しかも微妙なスロットルオープン状態なのに、速度はフェルスタッペンより確実に遅いのです。

これが意味するものとは、クランクシャフトに発生するトルクは微々たるものでMGU-Kによって回生できる程度、燃料供給により排気ガスが発生しているのでタービンが回りMGU-Hで回生できるという事になります。

スロットルはドライバーが操作しなければならないし、微妙なオープン位置に固定する事もできません。ブレーキング時にそんなアクセルワークをしているフェラーリのドライバーは大変です。そういう微妙なドライビングによりデプロイを他より作り出していると考えられるのです。

追記19.11.5:燃料流量計測定時間外での流量増加疑惑

フォーミュラ1の公認燃料流量計「Sentronics FlowSonic Elite」は毎秒2200個のデータを取得している。0.00045秒毎に測定できるということです。

レッドブルはこの流量測定毎の時間で意図的に流量を増加させる、もしくは妨害電波のようなのもので測定を妨げるシステムを考案しFIAに提出した。そしてFIAの見解はレギュレーション通り最大100kg/hしか許しませんとの回答だった。

実際にはこんなに少ない時間間隔しかないんですよね。(ただ私たちが知りえない流量測定サンプルの時間間隔に問題があるのは確かでしょう。)

このFlowSonicの機能を最大限に使えば秒間2200データです。

100kg/h=0.0277kg/s

0.0277kg/2200回=12.59mg

12.59mg(0.00045秒毎)⇐この数値を上回れば違反です。仮に1%のパワーアップ実現するとして、測定回数間においては2%アップさせなければならない。

たったの0.00045秒間の時間で果たしてそんなことが可能なんだろうか?F1マシンは走る事の振動やGなど色々な要素が流体に影響を与えます。

そんな極微妙な数値を追い求めシーズンから除外される危険を伴う技術を投入するだろうか?疑問すぎるんだよなぁ。

このテレメトリー解析を見ればフェラーリの加速優位性は変わっていない事を示しています。(メルセデスやレッドブルはデルタが半分になったと言っているようです。)

レギュレーション文書
  • 5.10.3 すべての車両には単一の燃料流センサーが、燃料タンクにその全体的が配置される状態で取り付けられなければならない。そのセンサーはFIAが決定する仕様通りにFIAの指定した供給業者によって製造され、FIAにより規定されているようにのみ使用することができる。さらに、パワーユニットに供給されたすべての燃料は、この公認されたセンサーを通過しなければならず、第5条10.2に記載された燃料インジェクターによってすべて燃焼室に供給されなければならない。
  • 5.14.2 第5条10.3に規定される通り、燃料以外の物質の燃焼用空気への追加は禁止される。排気ガスの再循環は禁止される。

レギュレーションにはここまではっきりと書かれている。流量計をFIAの指定以外の方法で使っていれば違反、空気に何か混ぜると違反となる。

追記19.11.16:油冷インタークーラーの正体はFlexeGRAPHか?

海外サイトのフォーラムで発見した新しい技術、FlexeGRAPHと言うものがある。ナノテクノロジーを使った新しいクーラントでその説明によれば。

「市場をリードする材料と比較して最大60%の熱交換が可能になり、高熱負荷の管理と管理が重要な用途で使用される液体に前例のない性能を提供します。」

60%も向上って冷却関連が根本的に変化するって事じゃないか!!

会社の歴史を見てもここ最近の事で、一早くF1に持ち込んだのがフェラーリではないかと言う説があるようです。

 

※こんなに頑張って考察しましたが、残念ながら単純な規定以上の燃料流量アップ。センサーを妨害する周波数を使用していたとの見解が示されました。そこまでやるのかよ!!(怒)