2018年のフェラーリエンジン(パワーユニット)は、メルセデスを越えたと言われています。特に予選でのパーティーモードでは無類の強さを見せつける。パーティーモードって誰が言いだしたのか?ちょっと前まではQ3モードとか言われていましたよね。
ま、そこは置いといてw
F1.comが作ったドイツGP予選オンボードによる、ベッテルとボッタスの比較動画ではアクセルオン区間で明確にフェラーリが差を広げているのが模写されてます。
ドイツGP予選ベッテル・ボッタス比較動画

コース図の赤マーカーがベッテルが速かった区間、緑マーカーがボッタスが速かった区間、波線は同等部分だったのを示しているのでしょう。
ストレートと低速コーナーはフェラーリ、中高速コーナー区間はメルセデスといった色分けですね。この二つのマシン特性は昨年と真逆になってしまっている。
一時期噂になっていたDRS時に更にドラッグを減らすストールシステムの仕掛けがあると言われていたが、上の図からも関係のないターン6からターン12までの間のアクセルオン区間で差がある事からも、この理論は薄そうだ。
フェラーリには+38psのジャンプがある
オーストリアでのフェラーリのパフォーマンスにおいて、メルセデスによるGPSデータ解析によるとフェラーリは、メルセデスに対して+38psものパワー差を生み出す何かを行っているらしい。
これは単純に生み出されたタイム差をパワー換算したらという事で、パワーユニットそのものの総パワーが+38psを作り出したという事ではない。
メルセデスはコーナー区間が速いことからもドラッグ&ダウンフォースが多いと推測できる。じゃあやっぱりドラッグに関係のない部分の差はパワーユニットにあると仮定できる。
双子バッテリーの運用
フェラーリのバッテリー(ES)は個体としては1つだがプログラミングにより、容量が可変する2つのバッテリーとなる管理がされていると言う。基本的にESは放出と充電を同時に行う事ができない(負荷が強大なため)と私は勝手に思っていますが、2つにする事でこれをクリアできる。
- 減速時に充電:K⇒ES
- 加速時に放出:ES⇒K(163ps)
- 加速時に充電:H⇒ES
- 加速時に直電:H⇒K
- 加速時に充電:K⇒H⇒ES
- 加速時にEブースト:ES⇒H
2、3や6を同時に行う事が可能となり、KとHを同時に動かすことが出来る。
MGU-Kが120kw⇒150kwに疑惑
メルセデスはこの双子バッテリーを利用して、Kの出力を増加させていると言う疑惑を投げかけている。
しかしFIAの調査でオールクリア、追加のセンサーまで導入して監視を続けているが今のところ違反報告はない。とすればこの線も薄い。
AMuSのマイケル・シュミットさんはこう書いている。
「おそらく、フェラーリは内燃機関の動力損失を減らす方法を見つけました。」
フェラーリパワーユニットレイアウト

2016年のものが今でもほぼ変わらずに運用されていると思う。ホンダばかり気にしていたから最近の画像が無かった、というか海外F1サイトでも最近のPUレイアウトに関する記事はないと思われる。
1:インタークーラー、2:MGU-H、3:MGU-K、4:オイルタンク、5:可変トランペット、6:クラッチ、青:コンプレッサー、赤:ターボチャージャー
私的パワーアップ方法の想像
ターボエンジンである以上、単純に私はブーストアップによるパワーアップだと思う。
ブーストアップにより空燃比がとれないから・・・との事は解決できると仮定した上での話です。まずはレギュレーションを確認します。
- 圧縮器およびタービンが常に共通の軸について、同じ角運動速度で回転することを確実にする
よう設計されていなければならず、MGU-Hはそれに直接連結することができる。 - MGU-Hは、過給システムに機械的にのみ、つなげられなければならない。この機械的連結は、
排気タービンに対しての速度比が固定したものでなければならず、つなげることができる。
MGU-Hの回転速度は、125,000rpmを超えてはならない。
Kを163psで稼働させつつHでタービンを回しブーストアップ
アクセルオン区間ではKのフルパワー稼働は絶対条件、プラスICEの追加パワーを作るのは排気の力だけでなくHでタービンを回すEブーストでタービン回転数を上げる。
二つのバッテリーがあるからこそできるK、Hの同時稼働が可能だと考えてみました。
コンプレッサーとタービンは同じ回転数でなければいけないが、Hは速度比さえ比例していればいい、タービンは毎時20万回転以上回るとして、Hが直接であれば12万回転では意味が無いのでギア比で倍以上回るようにしてやれば排気の力よりもタービン回転数を上げられる。
タービンを回さなくてはならない排気抵抗が減る事で、内燃機関の動力損失を減らせる。
そして突き詰めた希薄燃焼技術により排気ガスが減り、タービンが回らなくなる現象もこれにて解決。
4MJのエネルギーでこれらを補えると仮定した上ですがどうでしょう?
私は今のF1タービンの回転数は知りませんし、それらのサイズによる効果もあまり知らないがコンセプトしては面白いのではないかと思った次第です。
詳しい方がいればコメントよろしくお願いします。
レギュレーション5.1.6により 過給は、エンジンクランクシャフトに平行なシャフトアッセンブリによって、車両中心平面から25mm以内にて、1つのみのシングルステージ排気タービンにつなげられる、唯一のシングルステージ圧縮器の使用によってのみ、発生させることができる。そのシャフトは、シャフトアッセンブリ、圧縮器およびタービンが常に共通の軸について、同じ角運動速度で回転することを確実にするよう設計されていなければならず、モータージェネレーター熱ユニット(MGU-H)はそれに直接連結することができる。シャフトはその他いかなる装置とも機械的につながることはできない。
と、5.2.4により MGU-Hは、過給システムに機械的にのみ、つなげられなければならない。この機械的連結は、排気タービンに対しての速度比が固定したものでなければならず、つなげることができる。
とあるのでギヤなどによる変速はできないのではないのでしょうか?川井ちゃんもターボとモーターの回転数の事には度々触れていますね。
あと、ターボの羽にも形状によって効率が良い回転数があります。電気でアシストするにしても排気の速度に対して羽の回転が速すぎても遅そすぎても排気抵抗になります。イメージとしてはホテルなんかの回転ドアですかね。って書きながらその排気抵抗になってる部分をウエストゲートでバイパスすれば排気抵抗は減るのではないかと気付きました。
ターボの回る理論は簡単に言えば1次排圧と2次排圧の差を利用した物ですよね。ですのでオーバーに言えばアクセルオフ時は2次排圧の方が高くなりタービンの回転を引っ張る方向に作用する気がします。その時にウエストゲートを開放すれば1次と2次がほぼ同じ圧になりターボが滑走するようになります。よってスロットルレスポンスの向上、ターボラグの減少、滑走してる分を回生するなどメリットが発生するのかも知れません。
そうすると当然アクセルオフ時のエンジン音が副産物的には変わりますのであの「ぶろろろろろ」音もその音なのかも?という気がしなくもないです。
すいません、フェラーリPUの話なのにホンダPUに脱線しました・・・・。
フェラーリPUは・・・・分かりません笑
ウォ—ターインジェクションでも搭載したんじゃないですか笑
バッテリー二個でKとHを同時に回すのはなるほどと思いました。もうあとはターボの効率が良いターボの回転数が恐ろしく低く設計してるとかMGU-Hのモーターの性能が段違いに良いということぐらいしか・・・。
バカの頭で考えるにはこれが限界です。。。。。
タービンとHは速度比が固定という事は、たった一つのギアなら良いとなると思います。
タービンは1に対しHは2というような設定なら良いとなる。
Hの軸速度がタービン回転速度を上回ると、排気を強引に抜く事になるけど、機械としてどうなるか?
やっぱり、さすがに行き過ぎた想像かもしれませんね(笑)
管理人様
シャフトはその他いかなる装置とも機械的につながることはできない。とあったので「ギヤ=機械的に繋がる」かなと解釈しました。
ギヤで変速するにしても管理人様の仰るような1:2だとMGU-Hが増速されレギュレーションの125,000rpmを軽く超えてしまうような気がします。
ん?もしかして逆なのかな?タービンとHが2:1ならタービンが20万回転でもHは10万回転なのでこれなら分からなくはないのかも?
でもこれができるとしてこんな簡単な方法ならF1のエンジニアならとっくに思いついてますよね笑
因みにタービンやコンプレッサーの羽が設定回転数以上になるとサージングが起きて吸う事も吐く事もできなくなり羽が破損します。
早く解明されてなるほど~って思いたいですね。安眠妨害です笑
あ!そうです。私の言い方と表現が悪かったです。すいません。
なるほど、サージンクでブレードが破損かぁ、ルノーがよくなるやつですかねw
電動ターボが市販化されたのもつい最近ですし、排気ターボとの融合になるF1はやっぱり面白いなぁ。
「内燃機関の動力損失を減らす方法」なのでポンプ関係ではないでしょうか。
テクニカルレギュレーションの5.13.1に適合しないように、10barを超えないようにすれば色々出来るんじゃないかと思います。
OTHER ANCILLARIESに対してはUnlimitedなので。
5.13.1 10barを超える供給を行うすべての冷却ポンプ、スカベンジポンプ、オイル/空気分離器、油圧ポ
ンプは、固定された速度レシオで、エンジンおよび/あるいはMGU‐Kに直接機械的に運転され
なければならない。
レギュレーションではこう書かれてますね。これ見るとKでポンプ関連動かしていいみたい。
色々な可能性が出てきていいですねぇ~。
ジャンプアップ自体は冬の間に行われていたものの、信頼性やマージンの問題でパワーを落として運用していた。
しかし、モナコで降ろしたカスタマーチームの1基目のエンジンに余裕があった為、その余裕のあったマージン分だけ単純にパワーを上げたとホンダの田辺TDは見ているようですね。
本文中では、「使い方を変えた」と表現されています。
(ttps://www.as-web.jp/f1/393524)
予選パーティーモードも、予選では燃費を気にする必要が無いため、単純に燃料をフルに使う予選用のリッチなマップで回しているだけとも言われています。
例えば、高回転域では通常(というよりはレース時?)トルクを減らし馬力だけを絞り出すマップにしますが、予選ではトルクもあるマップで走行しているといった感じです。
他にも、コーナリング中の安定域で行っているERS-HによるESへの回生を停止し、より素早く立ち上がることのできるマッピングに切り替えているといった場合も考えられます。
ルノーが諦めたブロウンウィングを利用しているかのようなウエストゲートパイプの配置も見受けられますし、イギリスGPでは車体後半に絞っていたとはいえ、かなり大規模なアップデートも投入されました。
ジャンプアップには車体そのもののアップデートも大きな効果を発揮しているのではと思います。
有益な情報ありがとうございます。
38psはメルセデスいわく通常2年分の開発を要するらしく、フェラーリは凄いですよね。
またこのパワーアップはICEのスペックに左右されないという。ライコネンがスペック1のため。
再度速度と回転数の検証を行いますので、しばしお待ちください
ダイソンの羽なし扇風機のシステムって
F1に応用されてたりしないのかな
ダイソンが応用する前に既にF1空力界では使われている技術かと思います。
狭い隙間より空気を排出する。速い流速の空気が周りの遅い流速の空気を取り込んで増幅する。
調べたら現在の最新の羽はコアンダ効果も使用しているとか?
その昔F1のエキゾーストで使っていましたね。
「圧縮器およびタービンが常に共通の軸について、同じ角運動速度で回転することを確実にするよう設計されていなければならず・・・」
やはりこの辺にキーポイントが有るような気がします
共通の軸=1つのパーツと解釈するのか、共通の軸を持つ2つ以上の構成パーツも可なのか
もし2つ以上の構成パーツがOKなのであれば機械的に連結した同じ角運動速度で回転する軸の接続面積をこれも機械的、自律的に可変出来れば回転差を作り出せそうに思います
軸の遠心力かトルクバックのようなトルク差が生まれた時に連結部分の面積が可変するような・・
機械的には可能だと思いますが恐ろしく繊細で強靭な部品になりそうですね
角速度が同一と言う事は、羽が同一回転である。
タービンと圧縮器は同一の軸回転数でなくてはならない。
しかしHに関しては速度比が固定されていればいい、という事で回転数は125000の最高回転数規制があるが、軸回転数はタービンに合わせて規制回転数を上回るはずです。
とは書いてみたものの、やはりすべての回転数が規制で125,000rpmが正解のようです。
F1のタービンの回転数を最近色々と調べていたのですが、こんなものを見つけました。
https://www.f1technical.net/news/21434
Youtubeでこんな動画見つけました。フェラーリだけ高速コーナーの出口付近で「ガシャーーーーーッ」みたいな乾いた異音を発生させています。
これはこの度のパワーアップに関係していますか。
(2018 F1 Ferrari’s EXTREME Wastegate Sound Hungaroring)
https://www.youtube.com/watch?v=T7qxqcuodio
トロロッソ含め全車種の音はこちらで聞けます。
https://www.youtube.com/watch?v=O-TkmNhxODk
面白い動画ありがとうございます。(コメント投稿時点で再生回数13回、希少価値の高い動画ですw)
ターン11のベッテルは6速で進入してボトムスピード238km/hぐらいですぐに7速に上げる。
ターン12進入時点では280km/h越えです。そんなのをイメージしつつ音に注目してみると・・。
明らかにエキゾーストから何か抜けてるようなサウンドですね。
これは凄いわかりやすい。
コレコレ!
ミンナキヅクノオソイヨ!
ボクハスウセンマエカラキヅイテイタYO!
でも、ザウバーやハースはそんな音して無さそうですね。
気体であろうとういう前提で言いますが、音の感じからすると何かのバルブがじわじわ開くのではなく、「パン」と開く音に聞こえますね。
しかも聞けば聞くほど排気じゃない気もしてきた・・・
ホンダも「ぶろろろろ。。。。。」って同じコーナーでも鳴ってる時も鳴ってない時もあるんですね。例のアレですかね。
いや~やっぱF1って速いんですね笑
ターボでも良い音だ!
(^_^)
ESに関しては、バッテリーセルのパーテーションの斬り方次第なので
放充電は任意でできるでしょう。
ただ発熱量は高くなりますが。
これが冷却問題。エアインテイク設計の良悪に左右されると思います。
排熱に難があれば、そこは制限されるものですし。
現在意外と語られていないのが
MGU-Kとクランクシャフトを繋ぐギア比についてです
規定では「機械的に繋ぐ」とあるだけで
ギア比については任意のようです
とうぜん1:1より1:1.2の方が速度を稼げます
但し低速ではアシストできるトルクが減りますが
ここらへんのスペックはよくわかりませんね。
ルノーのエンジニアが曰く
パワーマネージメントの最適化がフェラーリが最も進んでいると
私は考えています
クランクとKを繋ぐ減速比の違いによるエネルギーマネージメントも重要ですね。
クランクが10,000rpmの時Kは何rpmなのか?
回転数・電流・電圧の違いによってその時の出力はどうなっているのか?
この辺りのハイブリット技術に関する知識を私はほとんど知らないです。勉強しようと調べると途方もない公式が出現してきて心折れます。
モーターって難しいです;;
ガシャーンとなる音、火花散らしているプレートが路面を擦る音では?
ダウンフォース+タイヤグリップ+スキッドプレートグリップ?
という効果を生み出しているとか?
音が鳴るタイミングがそんな感じがしました。
素人意見です!