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F1-2019 ギアレシオと速度解析!ギア・回転数・速度から各チームの違いを知る。

F1-2019 ギアレシオと速度解析!ギア・回転数・速度から各チームの違いを知る。

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F1のギアボックスは8速シームレスシフトを採用している。ギア比はファイナルに至るまで年間固定であり、シーズン中に変更する事はできない。全サーキットをシミュレートして最適のギア比を選択する必要があり、ギアボックスは土日に限り6戦続けて使用できなければ、5グリッドの降格ペナルティとなる。

現在のF1においてギアボックスはパワーユニットとセットで供給するのがカスタマーの定番となっており、レーシングポイントはメルセデス製、ハースとアルファロメオはフェラーリ製となる。レッドブルとトロロッソはギアボックスカートリッジがRBテクノロジー製でケーシングは各チームで製造している。ルノー、マクラーレン、ウィリアムズは全て自社製という事になっている。

ケーシングを含めギアボックスは、マシン後方の骨格でありホイールベースに影響を与え、強度や柔軟性が非常に重要となる。パワーユニットを製造するワークスが有利な訳は、このような部分でも表れコンマ何秒の差になっていく。

前置きはこのぐらいにしてイタリアGPで記録された回転数と速度を解析していきましょう。

各ギアの最高回転数と速度比較

2019-ITA ギア 1(S) 1 2 3 4 5 6 7 8 8(F)
メルセデス rpm 9605 12049 12000 11894 11797 11666 11910 11871 11887 12538
km/h 0 102 129 162 187 212 252 291 330 348
フェラーリ rpm 8955 12019 11281 11525 11623 11623 11615 11624 11986 13108
km/h 0 100 128 149 180 212 251 284 330 365
レッドブル rpm 11739 11309 12116 11937 11777 11630 11643 11506 11887 12895
km/h 0 101 123 160 181 221 252 283 330 357
ルノー rpm 11195 11090 11828 11532 11621 11561 11893 11778 11569 12233
km/h 0 91 124 157 180 221 269 305 330 350
マクラーレン rpm 10455 10737 11585 11181 11804 11847 11643 11761 11918 12532
km/h 0 92 115 157 189 220 250 287 330 358
トロロッソ rpm 11087 12026 12485 11840 11885 11376 11415 11650 11970 12810
km/h 0 84 123 149 187 219 245 285 330 356
ウィリアムズ rpm 9879 12046 12475 12360 12050 12132 12004 11637 11883 12421
km/h 0 104 133 164 195 231 263 287 330 346

1・2速はイタリアGP決勝スタートのクラッチミート前とギアアップ時、3・4・5・6・7は予選のギアアップ時、8速最高速は決勝ベストスピードトラップ記録時のものです。最高速度はスピードトラップよりも先の位置で記録されるため、スピードトラップを上回ります。

1・2・3速はホイールスピンなどの要素が絡むので正確とは言えません。第1シケインは2速、第2シケインは3速を使っています。(ハミルトンは第1シケインも3速)

これでは非常にわかりにくいので各ギアの回転数を11,500rpm付近に揃えてみました。

2019-ITA ギア 1(S) 1 2 3 4 5 6 7 8 8
メルセデス rpm 9605 12049 12000 11562 11353 11522 11516 11548 11508 12538
km/h 0 102 129 148 180 206 242 282 317 348
フェラーリ rpm 8955 12019 11281 11525 11504 11512 11506 11511 11516 13108
km/h 0 100 128 149 175 204 246 280 316 365
レッドブル rpm 11739 11309 11732 11614 11458 11525 11502 11546 11506 12895
km/h 0 101 109 143 174 216 249 279 319 357
ルノー rpm 11195 11090 11565 11532 11496 11527 11445 11522 11502 12233
km/h 0 91 119 157 186 219 260 299 329 350
マクラーレン rpm 10455 10737 10934 11399 11582 11503 11475 11506 11507 12532
km/h 0 92 111 147 181 212 244 281 320 358
トロロッソ rpm 11087 12026 11434 11397 11571 11458 11539 11502 11523 12810
km/h 0 84 110 147 169 218 250 284 316 356
ウィリアムズ rpm 9879 12046 11435 11596 11517 11553 11524 11446 11516 12421
km/h 0 104 120 154 181 215 251 285 320 346

1・2速は11,500rpm付近の回転数が不明な部分が多いです。特にフェラーリやメルセデスは回転数が一気の飛んでいく、F1アプリテレメトリー表示の限界かな;;

各チームのギア比に対する解析(感覚的にw)

際立っているのがルノーですね、4速以上のギア比が高く、6速以上では明らかに高い設定です。7速11,500rpmで約300km/hの速度に達します。

レッドブルは3速までが低め設定、トロロッソは4速まで低め設定となり同じホンダPU、同じギア製造でも違いがあるのがわかります。トロロッソの1速の回転数に対する速度が異常に低いですが、ホイールスピンかな?ちょっとわからないですがかなり低い設定であるような気がします。

スタートがしっくりこないといつも困っているフェルスタッペンですが、クラッチミートまでの待機回転数が異常に高いんですよね、低回転域のトルクが足り無さそうな予感です。特にスタートは100km/hに達するまではMGU-Kのパワーを使えずエンジントルクを補助する事ができない。

ホンダがスペックアップする度に実用トルクの発生回転数が高まっているような気がする、昔っからホンダは高回転でブン回してパワーを絞り出すようなイメージが強い、結局そういう方向性なのかな?

ドライバーの能力でなんとかなってしまう部分でもあり、ドライバーは高回転域のパワーが無いと納得しない。まぁとにかくパワーを出す事が重要だよね。それで壊れても、壊れない対策をその後講じればいい、出せないよりは出せる技術がある事の方がワクワクします。(そんな時代じゃないって?w)

 

ルノーは逆に低回転域でトルクを出す感じ、ターボエンジンの常套手段的な感じですかね。回転数ではなく過給圧でパワーを出していく感覚。メルセデスやフェラーリはそれを両立している。

メルセデスがフェラーリを抜けななかった理由はこの最高速でわかります、完璧にトウを捉えてDRSを開いていても348km/hしかでないドラッギーなマシンなんです。リアウィングをあれ以上寝かせられない理由はフロントとのバランスが取れないからで、フロントウィングを寝かせるとマシン全体の気流が変わりどうにもならなくなるのだろう。

ホンダスペック4のリミッター制御

ホンダPUはイタリアで回転数リミッターが12,500rpm付近で発生してしまい、その時にスロットルを踏み続けるとリミッター制御をトラクションコントロールと誤認してFIAのシステムがエンジンコントロールを一定時間受け付けない事態が起こった。

決勝においてフェルスタッペンは、Lap22のホームストレートでトウを完璧にとらえて8速12,895rpm(357km/h)を記録している。回転数が12,500rpmを超えたのはこの一度きり、その後は12,300rpmまでしか回さないように走っていた。これはアルボンも同様でクビアトはLap5で8速12,810rpm(356km/h)を記録した後は回転数を抑えている。

 

ただこれをセッティング不良と言っていいのかわからない、一度そう思ったのは確かですが、もしかしてスペック4エンジンのおいしい部分を保護するための策だった可能性も捨てきれない。

スペック4はまだまだマッピングが完璧ではありません、そしてモービルの新燃料は開発が上手くいっていないようだ、鈴鹿までに間に合うのだろうか?期待しよう。

本当のトップパワーを発揮するようになった時こそ、

声高らかに「POWERED by HONDA」と叫びたいです。

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コメント Comments

コメント一覧

  • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

    2019-09-14 14:11

    約2日間テレメトリーと睨めっこして頭の中が数字でいっぱいになり、解析がやっつけになってしまいました。ごめんなさい。
    後はギアマニアの方々、宜しく!(丸投げw)

    過去2年行ってきた「ギア比が変だよマクラーレン」はこの度企画倒れになったようですw

    • Ragdoll がコメント

      2019-09-15 01:02

      解析ご苦労様です

  • Ragdoll がコメント

    2019-09-15 01:02

    以前に12500prm超えていることを指摘しましたが、やはり上限を上げてきてますよね、ホンダのPUは
    あとローンチの回転数も高いので本当にドライバビリティが良いのかも疑問ですよね・・・

  • Map がコメント

    2019-09-15 01:06

    新たな燃焼コンセプトには今後に向けても伸びしろはかなりありそうですね。期待しています。

  • じゅんた がコメント

    2019-09-15 01:46

    スタートや高回転域でのトラブル等は、結局のところホンダがギアボックスを作っていない事で、細かい部分での不具合が生じているように感じます。
    来年は修正されるでしょうけど、今年は完全に不具合を取り除くのは無理なように感じます。

  • CF310 がコメント

    2019-09-15 05:36

    レッドブルは、去年のトロロッソxHONDAのデータを参考に今年のギアボックス作ったと思いますが、慣れ親しんだルノーPUの呪縛から逃れられずギア比ミスったか、HONDAの開発が予想以上に高回転型にしすぎたか・・・でしょうかね?
    (それか、踏めばそのPUは必ず応えてくれるby北見風 の信者がHONDAにいるかw)

    あと気になったのは、11,500rpm付近のレッドブルの表の1-2速が101-109、で3速が143・・2速で120ぐらいまで引っ張れないと変なんでホイルスピンあったかな?
    でもよく考えたら(考えなくても)1速で100km/hって頭オカシイ世界ですよねw

    いやほんと解析ご苦労さまでした (-人-;)アリガタヤ~

  • utchy がコメント

    2019-09-15 10:36

    utchyです。
    今年のレッドブルリンク時の管理人さんのデータです。
    エンジンモード変えてもギヤ比は変わらないはずです。が、差がでますね。
    私はコーナーの効率や高速域のドラッグの推定に使わせてもらってます。
    ※回転数、ギヤ、速度がリニアでないのが判ってきた
    また昨シーズンのデータも違い含め活用させていただいております。

    フェラーリがレッドブルと比べワイドになっているのは間違いなさそうです。
    ギヤ比は結局効率のハナシ(パワーアップでない)なので、考察は各々で楽しめればまあ良いかと....妄想の世界へGO....(笑)

    • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

      2019-09-15 11:15

      ダウンフォースによるドラッグの差が出ると思います。
      モンツァは一番ダウンフォースが少なくドラッグも小さいので、ギアに対する速度はより正確になるはずです。

    • がコメント

      2019-09-17 15:22

      utchyさん!面白いですね!全くリニアじゃないですね。
      Position5、5速でトルク(パワー)改善してますね。
      最後はPosition7だったそうですから、LECの7速の伸びに対応したんでしょうか?

      • utchy がコメント

        2019-09-17 10:08

        匿名さん、するどい!
        Position7はデータ見たときがないので何とも言えませんが、ギヤレシオとともに相対的な改善の効果やコースのどこが得意,不得意なんかが見えてきたりします。

      • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

        2019-09-17 11:38

        なるほど、ポジションはギアと言う事ですね。
        各ギアでのマッピングを変化させる。
        となると、オーストリアでのLap61のデータってすでに7速まで改善されてるんじゃないかな。
        Lap45と比べても6,7速の高回転域が増加してますよね。

      • utchy がコメント

        2019-09-17 12:25

        いや、Position5ですが、4速、5速で傾きが小さくなっているんです。
        つまりエンジン回転数に車速が追従しやすくなっています。

        また、フェラーリの4速は回転数は上がっても車速が伸びてないです。
        コーナー(の立ち上がり)が苦手なんでしょうね。
        一方で6速領域ではレッドブルより傾きが小さくなってます。
        ここが有利なところなんでしょう。トルク&ドラッグレスでしょうか?

        以前から管理人さんのデータ使わせてもらってますが、最初はこの傾きの差が何かわからなかったです。
        ただデータ見てるうちに相対的に得意なところの傾き小さく、不得意なところが傾きが大きくなることが判ってきたしだいです。

        データ提供していただける管理人さまさまです。またデータよろしくお願いします。

      • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

        2019-09-18 22:55

        なるほど!そういう事か。
        燃料重量の差があるけど、気にするレベルではないかな。時間軸にとらわれない考察良いですね。

      • マスダンパー がコメント

        2019-09-18 23:41

        F1の場合、バルブタイミングは固定ですのでエンジンの出力特性というのをマッピングだけで大きく変える事は困難です。
        で、ターボの場合パワーを上げていくマッピングがどんな出力特性になるかと言うと、中間加速域が非常に変化が出ます。グラフを見ると分かりますが、ポジション5は緩やかな中間が膨らんだお山になっています。対してノーマル?は比較的真っ直ぐなラインになっています。ですから一見上が伸びてないように見えるグラフになりますが、実際は中間加速域が増えているので見かけ上そういうグラフになります。
        文字で説明するの難しい・・・
        因みに市販チューニングカーでブースト1.0でピークが500㎰のエンジンとしてこれをブースト1.2にすると中間加速域は50㎰ぐらい増えますがレブリミット近くでは15㎰程度しか変わりません。
        ギヤ補正というのもありますが、特に7速や8速でICEのマッピングで変化を付けるのは難しい気がするのでディプロイの仕方に変化を付けている気がします。

      • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

        2019-09-19 15:02

        デプロイの放出領域の変更も考えられますね。
        そういえば8速の回転数データがガタガタになっていますもんね。
        あれはデプロイ切れが関係しそう、下のギアでデプロイを先に使って、8速トップエンドのデプロイ切れが早かったとも考えられます。

      • がコメント

        2019-09-18 13:45

        管理人様へ
        Position7無線はLap61-3コーナー過ぎです。
        オーストリアは6、7コーナーが5速。RBが得意なコーナーですね。
        Position7=7速は単なる推定ですよ!以後、最高速は確実に上がっていますが、
        DRSや燃料重量などでハッキリしたことは言えません。
        Lap68-3、LECを抜きましたがかわされました。1、2速のギヤ比の違いでしょうか?
        Lap69-3、強硬策!MAXは何もかも判っている凄いドライバーです。

      • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

        2019-09-18 14:55

        確か何処かにマックスの全無線を解読された方がいましたねぇ。
        海外のF1TVPROを見れる方で、動画の場所も忘れてしまったけど・・
        Position=Gear
        いいんじゃないですかね!面白い考察好きですよ。

  • ようすけ がコメント

    2019-09-15 11:32

    いやーさすが、きっとこの企画やってくれると思ってました!
    数字だけみると、レッドブルはメルセデスやフェラーリに比べて1速のギヤが高い、ルノーやマクラーレンに近いですね。ルノーエンジンに合わせたセッティングを残した結果、蹴り出しの悪さにつながっているのでしょうか?フェルスタッペンは「スタートの手順は去年までと同じだよ」とコメントしてますから、スタート時回転数やクラッチのバイトポイントも同じなのかもしれません。

    • Ragdoll がコメント

      2019-09-15 12:49

      去年トロロッソで試したはずなんですけどね・・・
      それ以上にホンダPUの伸びしろがあったということでしょうか
      浅木氏のインタビュー読むとマジで勝ちに来ているなと思えますわ

  • マスダンパー がコメント

    2019-09-16 18:32

    解析ご苦労様です。
    今回の数値を見て何もひらめかないのはそれだけ他と差が無くなった証拠なのかも知れません。
    レブリミットはエンジンの根本的な設計に対し大きく影響されます。マッピングは勿論のことバルブタイミングなども影響してきます。12800rpmは思いがけず「まわっちゃった」感がありありですね。
    11000rpmでクラッチミートはレブリミットも考えると凄く難しそうですね。特にカーボンクラッチは温度で滑り方が全然変わるので、半クラで動き出して温度が上がり更に食いつきが上がってストールするもしくは「ガン」と繋がってホイールスピンする。回転の幅の少なさが難しくさせている気もします。要は管理人様も仰る通り低い回転域でのトルクが少ないのかも知れません。
    ギヤがワイドな場合はトルクがあるエンジンで、クロスしているのは馬力重視であることが一般的です。そう考えるとフェラーリはトルクが他よりあるのかなぁって思えます。

    ところで昨年あったフェラーリの「ブシャー」音が聞こえませんね。ホンダの「ぶろろろろ」音も随分と小さくなりましたが。
    ターボでもメーカーそれぞれに音色がちゃんとあるので面白いです。

    • utchy がコメント

      2019-09-16 01:39

      PUの差がなくなるとともにギヤレシオの差がなくなってきているのは間違いないです。
      フェラーリのギヤレシオは昨シーズンとほぼ同じす。
      変更したのはレッドブルのほうで5~8速が今シーズンからフェラーリに近づいた感じです。
      そういう意味では今シーズンはほぼ差がない誤差範囲と思ってます。
      レッドブル(トロロッソも)の昨シーズンはファイナルがハイギヤで全体でワイド設定でした。
      ホンダ、ルノーの非力PUの高速域の対策だったのかなと思ってます。トルクは小さそうですが(汗

      あと昨シーズンからフェラーリPUの性能が飛び抜けてますが、私もトルクがずば抜けていると考えてます。ドラッグへの対抗もPU側では結局最後はトルクですし。

  • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

    2019-09-16 02:23

    トルクをどの回転域でどれだけ発生させているのか?の結果が出力(馬力)ですからねぇ。
    最大燃料流量10,500rpm以下のトルクが、フェラーリとメルセデスは安定しているのは確かです。

  • Ragdoll がコメント

    2019-09-16 04:34

    その昔、ヤマハのフェーザーっていうバイクがありましね、18000rpm位楽勝で回るエンジンだったんですわ
    けど、トルク無くてね・・・・
    今のホンダPUってこんな感じになっていませんか?
    パワーバンドも狭域で巨摩郡スタイルじゃないと乗りこなせない感じ・・・

    • Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント

      2019-09-16 09:10

      Gun Boy Special なんですw

      冗談は置いておいて、スタートギアは苦しそうな感じですね。鈴鹿までには良いセッティング見つかると願いましょう。

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