2022年から施行されたレギュレーションは様々なデザインを生みだしました。

初年度から答えに辿り着いたチームが上位を独占しています。

 

速いマシンにはその答えが詰まっています。

特にフロントのノーズやウィングはマシンの空力の起点、ここを間違っていたら全てが台無しになってしまう。

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ノーズのトレンド

ノーズの下面は急な上昇曲線を描き、ウィングの下面のように負圧を多く発生させることが必須となりました。

 

2022年このデザインを取り入れていないのを確認できたのは、メルセデス・アストンマーチン・アルファタウリ・ウィルアムズの4チーム。

各チームが戦うべきグループでは下位になっています。

 

メルセデスW13のノーズ下面

ノーズ先端の縦幅が広いデザイン、少しでも路面に近づけようとした結果なのか?

路面に近づけることで発生するグランドエフェクト効果、高い位置になった2022年規定ではその効果は大きく減少していた。

 

フェラーリF1-75のノーズ下面

鋭いターンインを誇ったフェラーリは先端からすぐに上昇カーブを描く。

その上昇する気流を促進するためにノーズ後半の下面の角が斜めにカットされている。

 

 

2023年マシンのノーズ下面を確認できていませんが、横や斜めから撮られた画像からは縦幅が狭くなり、ノーズ後半の下面が斜めになっているのを確認できています。

極端に表現すれば断面が▽になっています。

フロンウィングのトレンド

フロントウィングは最上部フラップの頂点をなるべく平坦にする事を、2023年の新車では全チームが採用してきました。

フロントウィングで上昇する気流をなるべく回転させずに乱さない事が必要となっています。

 

様々なウィングレットやバージボードを失った2022年規定マシンは、乱流を整流する事が出来なくなりました。

なるべく乱さずにサイドポッドまで届ける事で、冷却効果を高めたり、その後ろのボディの気流を整えます。

 

アルファタウリAT03のフロントウィング

https://twitter.com/AlphaTauriF1

フラップの角度が大きくドラッグが強くなる、フラップ上部が丸く飛び出ており上昇気流が回転してしまう。

 

フラップに角度を付けてダウンフォースを稼ぐのはマシン全体の空力に良くない影響を与えます。

そうならないように、ノーズ下面の負圧を大きくしてフロントの中心でダウンフォースを稼ぐ事が必要になっています。

 

この二つのソリューションはセットで効果を発揮します。

(フラップを平坦にすることで失うダウンフォースをノーズ下面で補う事が必要)

 

 

このアルファタウリAT03のようにノーズの上面だけを伸ばし、ウィングフラップを平坦にしても根本的な解決にはなっていません。

https://www.formula1.com/