2017年最終戦時点での各メーカーのエンジン(PU)パワーの差がほぼ明確になりました。これにより2018年におけるパワー差も予測がつきやすくなると思います。
2017年F1エンジン(パワーユニット)の馬力!ホンダ881馬力
サーキット毎のパワーエフェクト(パワーによるタイムへの影響度合い)を知っておけば、車体側とPU側どちらの差が出ているのかわかりやすくなるので一覧を作ってみました。
F1サーキット別パワーエフェクト一覧
GP | サーキット | 1周(km) | 全開率(%) | 平均速度 | PE(10kw) | km×% |
---|---|---|---|---|---|---|
MON | モンテカルロ市街地 | 3.337 | 50 | 166.43 | 0.10 | 1.67 |
MEX | エルマノス・ロドリゲス | 4.304 | 47 | 202.57 | 0.14 | 2.02 |
SIN | マリーナベイ | 5.065 | 47 | 183.27 | 0.15 | 2.38 |
HUN | ハンガロリンク | 4.381 | 55 | 206.77 | 0.15 | 2.41 |
BRA | インテルラゴス | 4.309 | 62 | 227.04 | 0.18 | 2.67 |
AUT | レッドブルリンク | 4.326 | 66 | 241.93 | 0.19 | 2.86 |
CAN | ジル・ヴィルヌーブ | 4.361 | 67 | 219.70 | 0.20 | 2.92 |
CHN | 上海 | 5.451 | 55 | 214.04 | 0.20 | 3.00 |
ESP | カタロニア | 4.655 | 65 | 211.72 | 0.20 | 3.03 |
AZE | バクー市街地 | 6.003 | 56 | 214.83 | 0.25 | 3.36 |
BRN | バーレーン | 5.412 | 64 | 219.48 | 0.23 | 3.46 |
USA | COTA | 5.515 | 63 | 213.15 | 0.23 | 3.47 |
UAE | ヤス・マリーナ | 5.554 | 63 | 207.77 | 0.24 | 3.50 |
RUS | ソチ・オートドローム | 5.848 | 60 | 206.85 | 0.25 | 3.51 |
MAS | セパン | 5.543 | 65 | 221.53 | 0.24 | 3.60 |
AUS | アルバート・パーク | 5.303 | 70 | 232.28 | 0.25 | 3.71 |
JPN | 鈴鹿サーキット | 5.807 | 65 | 239.41 | 0.25 | 3.77 |
GBR | シルバーストン | 5.891 | 70 | 244.89 | 0.28 | 4.12 |
ITA | モンツァ | 5.793 | 75 | 253.00 | 0.30 | 4.34 |
BEL | スパ・フランコルシャン | 7.004 | 70 | 245.86 | 0.29 | 4.90 |
PE(10kw)=パワーエフェクト10kwごとの影響タイム(s)
黄色のラインの部分は、日本人F1ジャーナリストの米家さんの情報(https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/motorsports/motorsports/f1/)によるものです。その他は私の完全なる推測数値となっています。
推測するためにアクセル全開時の距離(1周km×全開率%)順に並んでます。ほとんどはこの数値に比例する形でパワーエフェクトが増えていくように設定し、サーキット特性による微調整をしました。
また、全開率を公表しているチームは、2017年マクラーレン・メルセデス・ウィリアムズで2018年はメルセデス・ウィリアムズぐらいです。予想数値を作成する上でマクラーレンの数値に限定しています。
2018年開催順
R | GP | サーキット | 1周(km) | 全開率(%) | 平均速度 | PE(10kw) | km×% |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | AUS | アルバート・パーク | 5.303 | 70 | 232.28 | 0.25 | 3.71 |
2 | BRN | バーレーン | 5.412 | 64 | 219.48 | 0.23 | 3.46 |
3 | CHN | 上海 | 5.451 | 55 | 214.04 | 0.20 | 3.00 |
4 | AZE | バクー市街地 | 6.003 | 56 | 214.83 | 0.25 | 3.36 |
5 | ESP | カタロニア | 4.655 | 65 | 211.72 | 0.20 | 3.03 |
6 | MON | モンテカルロ市街地 | 3.337 | 50 | 166.43 | 0.10 | 1.67 |
7 | CAN | ジル・ヴィルヌーブ | 4.361 | 67 | 219.7 | 0.20 | 2.92 |
8 | FRA | ポール・リカール | 5.842 | 70 | 233.6 | 0.28 | 4.08 |
9 | AUT | レッドブルリンク | 4.326 | 66 | 241.93 | 0.19 | 2.86 |
10 | GBR | シルバーストン | 5.891 | 66 | 244.89 | 0.25 | 3.89 |
11 | DEU | ホッケンハイムリンク | 4.574 | 66 | – | 0.20 | 3.01 |
12 | HUN | ハンガロリンク | 4.381 | 55 | 206.77 | 0.15 | 2.41 |
13 | BEL | スパ・フランコルシャン | 7.004 | 70 | 245.86 | 0.29 | 4.90 |
14 | ITA | モンツァ | 5.793 | 75 | 253 | 0.30 | 4.34 |
15 | SIN | マリーナベイ | 5.065 | 47 | 183.27 | 0.15 | 2.38 |
16 | RUS | ソチ・オートドローム | 5.848 | 60 | 206.85 | 0.25 | 3.51 |
17 | JPN | 鈴鹿サーキット | 5.807 | 65 | 239.41 | 0.25 | 3.77 |
18 | USA | COTA | 5.515 | 63 | 213.15 | 0.23 | 3.47 |
19 | MEX | エルマノス・ロドリゲス | 4.304 | 47 | 202.57 | 0.14 | 2.02 |
20 | BRA | インテルラゴス | 4.309 | 62 | 227.04 | 0.18 | 2.67 |
21 | UAE | ヤス・マリーナ | 5.554 | 63 | 207.77 | 0.24 | 3.50 |
まとめ
パワーエフェクト数値は2017年のダウンフォースの増加により、過去に公表されていた数値と大きく変わっています。過去のデータを調べてみたものの納得のいくものが余りにも少なかったので作成しました。
サーキットごとの平均速度やコーナーの速度など色々な要素が絡むのですが、あまりも膨大なデータが必要になりまとめきれなかったので、感の数値も混ざっておりますw
これについては「有力な情報」や「ここは違うんじゃない?」と思う事があればコメントして頂けると助かります。
モタスポ管理人様、年間活用して楽しめる記事を丁寧にご提供いただきありがとうございました。
さて、現時点では期待と少し不安なプレシーズンテストも未だで、シーズン開幕時どうなっているかは詳細不明ですが、おそらくホンダPUにとっては、少なくとも前半はパワーエフェクト(小)コース特性の傾向の方が結果としては期待値高いと思われますが、
開催順では、♯1戦.AUStriaはパワーエフェクト(大)ですね。そして、序盤♯2戦.上海、♯3戦.BRN、♯4戦.AZE、♯5戦.ESPは影響(中)、ようやく影響(小)の期待値(大)が♯6戦.MONaco初ですね。
後半は、♯17戦.母国ホーム鈴鹿が影響(大)傾向ですが何とか決めてくれるでしょう!。そして、他の♯15戦.SIN、♯19戦.MEX,♯20戦.BRAは影響(小)で、後半までにさらに競争力増していただき期待(大)としたいですね!!!。
なお、2017年で終えたマレーシアGPセパンに代わり、♯8戦.F1フランスGP ル・カステレト(ストップ&ゴー≒パワーエフェクト大⁉︎)、♯11.戦 F1ドイツGP ホッケンハイム(中高速コース⁉︎)どうなるのかも楽しみです!
(当方、お願いした件です。重ねて“ありがとうございましたm(. .)m)
いつも熱心なコメントに感服しています。
とりあえずパワーエフェクト一覧を作成しましたが、次回はトロロッソの車体に関して各サーキット毎にデータ化しようと考えております。
モタスポ管理人様 はじめまして。
いつも的確な分析の記事大変参考にさせて頂いております。
最近マクラーレンがルノーPU想定でシミュレートしたらラップタイムが1秒短縮したとの発言がありました。そしてシーズン前半にマクラーレンのエンジニアがパワーエフェクトの指標は10kw辺り0.2秒と話していた記憶もあります。
そうなると計算上ホンダとルノーのPU出力差は50kw≒68ps程度になるかと思います。
ホンダPUの実際の性能を知ってるマクラーレンがルノーから提供されたデータを使って行ったシミュレーションだけにあながち適当な数字では無いとも思えますがいくらなんでも68psは眉唾かと思います。
先日の記事の通り26ps差でしたら0.38秒程になるかと思いますがこの誤差についてはマクラーレンのブラフでしょうか?
しんさん コメントありがとうございます。
パワーだけならどう見積もっても0.3~0.5秒程度なんですよね。単純にブラフ的な発言かもしれません。
あとは、来季のコンセプトやタイヤによる向上分を加えて2017年最終スペックとの差を言っているだけかもしれませんね。
マクラーレンに関してはレッドブルとの差が車体性能の劣る部分になるので、開幕してみれば色々な事が解決されていきます。
マクラーレンの発言関連にはぐっとこらえて待つのが得策かと思いますw