2022年のデザイン規制は抜け道がほとんど無いが、アストンマーチンはリアウィングエンドプレートのメインプレート延長部分を復活させました。
メルセデスのミラーステイウィングに次ぐグレーゾーンデザインが生まれた事になり、FIAとしては頭の痛いところでしょう。
規制を守る為の形状が凄く格好悪く、進行方向に対してドラッグを無視した垂直面がある。
高さは従来の半分ほどですが、確かな効果があるでしょう。
AMR22のリアウィング
エンドプレート上部には丸い棒状のデザイン、メインプレートとの接続面には三角状のデザインがある。
どちらも進行方向に対して面を形成しドラッグになる、それでも投入したという事はトータルのL/D(揚抗比)の値が良いと言う事になる。
レギュレーションの解釈
リアウィングメインプレートとリアウィングエンドプレートを繋ぐ部分を、リアウィングチップと言います。
リアウィングチップの目的は、リア ウィング プロファイルとリア ウィング エンドプレート ボディの間に不連続のないスムーズな移行を作成することです。
- その完全なサーフェスは接線連続である必要があり、凹状の曲率半径は 20 mm を超えている必要があります。
- 側面または上から見える表面には、50mm 未満の曲率半径を凹状に含めてはなりません。
丸い棒状の上部は直径40mmの円と言う事になります。
リアウィングエンドプレートの効果
メインプレートより突き出たエンドプレートは、その表面をこぼれる流れを受け止める事ができます。
結果として表面圧力は増加する。
表面圧力の増加はドラッグの増加とイコールですが、後ろに形成される渦が小さくなる事によって後方に発生する乱流(負圧)が減少します。
トータルで考えるとドラッグは減少する。
2018年前部スリット入りエンドプレートのCFD
2022年マシンのCFD
メインプレートとフラップ部分にエンドプレートが無いと大きな渦状の乱流が発生します。
この乱流によって後方の負圧体積が拡大しドラッグが増加する。
アストンのものは2021年に比べたら半分の高さのエンドプレートですが、渦を小さくする効果があります。
ハンガロリンクはドラッグを無視したダウンフォースが必要だったため使われました。
L/Dの数値的に許容できるサーキットであれば使える可能性があり、今後どのようなサーキットでこのデザインが使われていくかどうかが非常に楽しみです。
コピーばかりじゃないところ見せてくれたアストンマーチンの開発陣にあっぱれです。
リヤウイングの左右両端の縁側部分に垂直にエッジ?を立ち上げると効果絶大なんですね?
確かに前方からエアーがウイングフラップエレメントに当たるけれども、エアーがサイドに逃げてしまいフラップ部分に集中しない?
いかにもエアーをしっかり受け止めている感じですね?
これ?フロントウイングの翼端板(90度に折り返している)にも応用出来ないでしょうか?
フロントウイングが路面から離れているので、せめて翼端板だけでも
路面に近づけさせられないか?
このアストンマーチンのリヤウイングを
シーズン後半始まるベルギーで、他チームが取り入れる(真似る?)
のが楽しみです。
デザイン規制範囲は守らなければならない。
このリアウィングエンドプレートは最大高さを実現しつつ垂直板の要素を持たせたものです。
フロントウィング全体はあれ以上下げれません。
フロントウィングチップという部分をご自分で読んでから考えて下さい。
効果云々よりも、カッコ悪い醜いというのが何とも。
でも天才かつ造形美意識も異様に高いニューウェイ先生ならカッコいいチクワウィングを作ってくれるかもと期待。
これによって追従が難しくなるとかは嫌ですね。
実際どうなんでしょう、影響ないのかな?
FIAによれば全く問題無しらしいですよ。
2023年についてもこの部分が認められる可能性を残してるとか・・・。
効果がありそうなのはシンガポールでしょうかね
あとはメキシコ?
オランダ、シンガポール、メキシコは確実かと。
最高速を必要としない鈴鹿も可能性があります。