2022年よりRBPT(レッドブル・パワートレインズ)がレッドブルとアルファタウリにパワーユニットを供給している。
テクニカルパートナーとしてHRCが製造とサポートをする新体制となっています。
パワーユニットに関するものは日本のホンダSAKURAで製造され、RBPTが最終組み立てやマシンへのインストールを行う。
その体制に問題があるのか、様々なトラブルが発生しています。
RBPTパワーユニットの基数状況
Dri | PU | BRN | SAU | AUS | IMO |
---|---|---|---|---|---|
VER | ICE | 1 | 2 | ||
TC | 1 | 2 | |||
MGU-H | 1 | 2 | |||
MGU-K | 1 | 2 | |||
ES | 1 | ? | |||
CE | 1 | ? | |||
PER | ICE | 1 | |||
TC | 1 | 2 | |||
MGU-H | 1 | 2 | |||
MGU-K | 1 | ||||
ES | 1 | ||||
CE | 1 | ||||
GAS | ICE | 1 | 2 | ||
TC | 1 | 2 | |||
MGU-H | 1 | 2 | |||
MGU-K | 1 | 2 | |||
ES | 1 | 2 | |||
CE | 1 | 2 | |||
TSU | ICE | 1 | 2 | 3 | |
TC | 1 | 2 | 3 | ||
MGU-H | 1 | 2 | 3 | ||
MGU-K | 1 | 2 | 3 | ||
ES | 1 | ||||
CE | 1 |
※フェルスタッペンはイモラで2基目投入確定的、1基目はHRCで使用可能か調査される。
パワーユニット・燃料系・ドライブライン系トラブル
開幕戦バーレーンGP
- 決勝でガスリーのマシンから出火:バッテリー?MGU-K?MGU-H?など原因は不明
- 決勝でフェルスタッペンとペレスがリタイア:燃料タンクが真空になり燃料供給が停止
第2戦サウジアラビアGP
ガスリーは出火した為、全コンポーネントを2基目(1基目は調査中)
ペレスはドライブラインがロックして停止、タービン系に負担がかかった?TCとMGU-Hを2基目
- 角田はFP2にドライブライン系トラブルでICE周りの2基目を投入
- 角田が予選中に停止:ドライブライン系?
- 角田がレコノサンスラップで停止:ドライブライン系
第3戦オーストラリアGP
角田はICE周りの3基目
- 決勝でフェルスタッペンがリタイア:パイプラインの燃料漏れ?
フェルスタッペンは決勝前に、補助ラジエーター・燃料タンク・クラッチアクチュエータ・ギアボックス油圧システムとアクチュエーター・クラッチブレイクアウトボックスを交換している。
トラブルの分析と原因
レッドブルには燃料系トラブルが集中、アルファタウリは電気系・油圧系トラブルなの?
ホンダはRBPTの依頼でE10燃料用に燃焼室やタービン関連を見直したと思いますが、その他については昨年のままの部品も多いと思います。
一つ一つのコンポーネントが良くないとは考えられない、特にERS系はほぼ昨年モデルのはずでアップグレードも基本的に無いだろう。
角田のエンジン周りの連続投入をトラブルと考えても
- レッドブルにはPU自体と油圧系トラブルがほぼ無い
- アルファタウリには燃料系トラブルが無い
同じ燃料、同じPU、同じギアボックスを使っている両チームのトラブルが一致しない。
なぜか?問題になりそうな箇所は以下
- RBPTのPU最終組み立て
- PUのマシンへのインストール
- レッドブルの燃料タンク周辺(温度管理など)
- アルファタウリは各種冷却系の機能
- アルファタウリはPUとギアボックスの取り付け
レッドブルの方では人為的ミスは、ほとんど無いはずなのでその他の要因としては以下
- 振動やその共振による破損
F1マシンにはサスペンションから伝わる振動、ギアボックスからの振動、エンジンが発する振動、モーターが発する周波数など、ありとあらゆる振動とその共振点が存在します。
共振点では驚くほどの破壊力が発生したりと、F1マシンとは切っても切れない仲なのです。
油圧サスペンションやイナーター(微振動を無くす)が無くなった弊害かもしれません。
他チームでもテストからオイルリーク、クーラントリークが多発しています。
テストではあまりトラブルが出ず本選に入ってから出だす、運の悪さもあるでしょう。
完全ワークスであるフェラーリやメルセデスには、このようなトラブルが起こっていない事も考慮しなければなりません。
まぁ、人員的にも対策的にも準備不足としか考えられないです!
まとめ
レッドブルは昨年マシンに開発リソースや予算をチャンピオン獲得に向けてかなり使っていたでしょう。
予算の関係上、今年に入ってからじゃないと製造できないパーツもあったと思います。
マシンの準備遅れは、ダイナミックテストベンチを使っての振動確認などの時間が足りなかったのかもしれません。
パワーユニットの取り付けや現場での取扱いは、簡単ではありません。
熟練のエンジニアやメカニックが居ない事で生じるトラブル、それを起因とする新たなトラブルなど、想定できる事が多すぎます。
HRC管轄のパワーユニット本体にも、似たような事が起こる可能性はあります。
とある入口サイトでは未だに「ホンダのせい」とかって見出しが見えます。
RB側もそんな事は決して言ってません。
「使えるかどうかホンダに送って調査してもらう必要がある。」と言う言葉しか発していないはずです。
エンジニアの命が吹き込まれていない、ただの機械だからトラブルが・・。
そんなのは関係ないはずなのに、気持ちの入った機械は壊れないものです。
そこはもうホンダの仕事じゃないRBPTの仕事です。
昨年まで、ICE(補器類含む)マウント、配管、配線等はすべて、HONDAのメンバーが行っていたのでしょうか。
また、角田君のドライブ系でICEが逝くとは一体、何が起きているのでしょうね?
チームメカニックとの共同作業ですね。
角田くんのトラブルは?シャシーが変なんじゃ?
テストでクラッシュしたシャシーだし、原因が特定できてないから大事をとって新規投入しているだけで、実際は壊れてない事もある。
エンジン本体がマシン中央を支えるストレスメンバーなので冒険できない面が大きいでしょう。
“Hang in there! がんばれ! Red Bull Powertrains.”
一連のトラブルはRBPTの責任に、私も I agree with you. です。
RBPT’s メカニックさん達の物理的なインストールに限らず、エンジニアさん達の電子制御等のプログラムのマネージに関しても、思い込みというおそれがあるので、両方(Engineers & Mechanics)にて、人が変わりながらの何重もの確認が必要かもしれませんね。
“Go For It! がんばれ to Red Bull Racing Family’s all drivers.”
“Hang in there! がんばれ to Red Bull’s all mechanics and engineers.”
To JINさん いつも高度な考察ありますがございます。定期的に確認しています。さて、RB18のDNFに至るトラブルは、フューエル・タンク内から同パイプ間、また、Australia-GPでのMAX選手やAT03のトラブルのシーンから オイル系のハイドロリック・コンポーネント に関するものではないかと推測されていますが、F1情報誌からは Porpoise; (海面に対しイルカが出たり入ったり) 上下動の影響による何らかのコンポーネントの破損なのでは?とあります。それは、ポーポーイズにより Oscillation; (共振系) 振動 が発生した影響や、Bound (他に一度接地してから) 跳ね返る や その繰り返し Bounce 時のインパクトの影響、または、それら両方の影響で概ね決まりなのでしょうか? (特に質問ではありません)
車体に掛かる振動で発生するトラブルは、
油圧やイナーターが使えないサスペンションだけで無く
ホイールサイズ変更(18インチ化)によるタイヤ扁平によってクッション性が低下した事も要因でしょうか?
扁平化して確かにタイヤの変形たわみ少ない分、路面からの衝撃吸収が悪くなる?
基本的にイナーターはタイヤのサスペンション効果を消し去るものです。
また、バネ下重量が軽い方がサスペンションの動きが良くなるのはイメージしやすいでしょう。
ありがとうございます。
バネ下重量(=タイヤ+ホイール+ブレーキ関連部品+ドラム等の総重量)ですね。でも今シーズンは総重量アップで重い?
それらを支えるロアアームとアッパーアームの重量も含まれる。
そもそもホイールサイズ変更(13インチ→18インチ)とタイヤの扁平化の理由は、グラウンドエフェクトカーに合せたからなのでしょうか?
コーナリング中のタイヤ変形たわみもロールに影響するので、車体の左右傾きは出来る限り少ない方が良い?
車体もPUの燃料仕様もタイヤサイズも、全てがリニューアルされたF1なので全く問題トラブルが無い方が不思議?
フェラーリは2年間(2020年、2021年)我慢しながら新F1に向けて準備していた?
18インチへの変更は市販車へのフィードバックをよりしやすくする為ですね
RBPTとしてどうするか?って印象です。
すでにホンダは撤退、HRCがサポートですが、これはもうHRCにヘルプしか無いのではないか?
既にレッドブルとホンダでそういった話になっていると予想します。
問題はタイムラグ、直るまでに時間が必要になってしまう事ですね。
問題個所の特定と対策をHRCの方がやってくれてるようですね。
https://jp.motorsport.com/f1/news/horner-honda-has-fixed-verstappen-f1-fuel-line-issue/10124853/
普通に考えたら去年のPUとほぼ何も変わってないのにPUが問題なはずないですよね。
予想通りの状態
ある程度は私も予想していましたが、テストで好調だったので凄いと思ってました。
開幕して、あらあらって感じです。
>>エンジニアの命が吹き込まれていない、ただの機械だからトラブルが・・。
そんなのは関係ないはずなのに、気持ちの入った機械は壊れないものです。
深く賛同いたします。機械は生き物、生命体だと思っております。
最後の1ラップを前に壊れるか、終えてから壊れるかの境界は、エンジニア(とドライバー)の理解と愛に比例しているかと。
>>エンジニアの命が吹き込まれていない、ただの機械だからトラブルが・・。
そんなのは関係ないはずなのに、気持ちの入った機械は壊れないものです。
私は技術系の知識は素人なのですが、ネットの情報をかき集めて愛情込めながら
MC18NSR250のエンジンをフルオーバーホールしたらベンチで50psオーバーの
良い子に育ってくれました!(^^
無いとは言い切れないと思ってしまいますね(笑)
mc18は私も乗っていましたが吊るしの状態で50馬力超えていますね。
もちろん自主規制は45馬力でしたけど。
素人が自分でやったらちゃんと出来たと言う嬉しさのあるものですので・・。
車体とPUを両方自社生産する
フェラーリやメルセデスの完全ワークスでも、
組織として車体部門とPU部門に役割分担しているでしょうね。
チームスタッフのメンバーの中には、車体もPUも両方共に作業出来る2刀流3刀流こなす超ベテランメカニックがいるでしょうね?
車体も更に細かく分ければモノコック、ギヤボックス、サスペンション、燃料タンク、ブレーキ、その他範囲が広い?
ついドライバーやマシンだけに目が行きがちですが、それを支える裏方メカニックには本当頭が下がります。
特にタイヤ交換の素早さは、いつ見ても凄いです。
信頼性問題とはズレますが、RBのイニシャルセットアップが決まらずバタバタするのは「スーパーシミュレーションドライバー」アルボンの不在も大きな要因なのではないかと。
今年がダメでも、来年が良いなら今のうちに壊れた方がいい
フェラーリがバルセロナで投入予定だったMGUK、ES、CEをマイアミで投入するらしいです
さらにバルセロナでは10馬力アップしたPUを投入予定だとか
新型フロアだけでなくバウンシング対策のため新しいリアサスと効率の良いリアウィングの開発も進めているみたいです
本当にフェラーリなのか疑うレベルの周到さ…2014年のメルセデスの再来?